6月度総合朝礼

一条真也です。
ついに6月になりました。1日の朝、わが社が誇る儀式の殿堂である小倉紫雲閣の大ホールで、サンレー本社の総合朝礼を行いました。もちろん、ソーシャルディスタンスには最大限の配慮をしています。

f:id:shins2m:20210601084454j:plain最初は、もちろん一同礼!

f:id:shins2m:20210601084530j:plain社歌斉唱のようす

f:id:shins2m:20210601120821j:plain青白の小倉織マスク姿で登壇しました

f:id:shins2m:20210601084903j:plain青白の小倉織のマスクを取りました

 

全員マスク姿で社歌の斉唱および経営理念の唱和は小声で行いました。それから社長訓示の時間となり、わたしが梅雨をイメージした青と白の小倉織マスク姿で登壇。ちなみに今月からクールビズでノーネクタイとなります。わたしは、まず、「万人に祝福されない祭典であり、国難である東京五輪の強行開催まで、あと2カ月を切りました。世界中から東京に変異ウイルスが集結し、五輪がウイルス交配の場となって、最強・最悪の東京五輪株が誕生する可能性が高いです。わたしは別に東京五輪反対の活動家でも何でもありませんが、1日も早く東京五輪の中止発表があることを願っています。また、五輪などよりも冠婚葬祭の方がずっと重要であると思っています」と言いました。

f:id:shins2m:20210601084928j:plain社長訓示のようす

 

それから、わたしは以下のような内容の社長訓示を行いました。みなさんは、「ブルシット・ジョブ」という言葉を知っていますか。「クソどうでもいい仕事」という意味です。ブルシット・ジョブは、当人もそう感じているぐらい、まったく意味がなく、有害ですらある仕事です。しかし、そうでないふりをすることが必要で、しかもそれが雇用継続の条件なのです。アメリカの文化人類学者デヴィッド・グレーバーが、著書『ブルシット・ジョブ』で提唱しましたが、そのポイントを一言でいうと、「生産する経済からケアする経済へ」です。グレーバーは、「なぜ、やりがいを感じずに働くひとが多いのか。なぜ、ムダで無意味な仕事が増えているのか。なぜ、社会のためになる職業ほど給与が低いのか」と読者に問いかけ、「労働とは『生産』というより『ケア』だ」と訴えます。

f:id:shins2m:20210601084953j:plainブルシット・ジョブ とは何か

 

ブルシット・ジョブは、完璧に無意味で、不必要で、有害でもある有償の雇用の形態です。その雇用条件の一環として、本人は、そうではないと気づいていることも多いです。グレーバーは、「わたしたちの社会では、はっきりと他者に寄与する仕事であればあるほど、対価はより少なくなるという原則が存在するようである」と述べます。さらには、読者に「ある職種の人間すべてがすっかり消えてしまったらいったいどうなるだろうか、と問うてみること」を薦めています。もし仮に看護師やゴミ収集人、あるいは整備工の方々が消えてしまったら社会は壊滅的になりますし、教師や港湾労働者の方々のいない世の中はただちにトラブルだらけになるでしょう。

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世の中で意味のある仕事とは?

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熱心に聴く人びと

 

企業の株の売り買いで収益を得るCEOやロビイスト、広報調査員、保険数理士、テレマーケター、裁判所の廷吏、リーガル・コンサルタントが消えた場合はどうなるか? グレーバーによれば、人々は何ら困らないといいます。看護師、バス運転手、歯科医、道路清掃員、農家、音楽教師、修理工、庭師、消防士、舞台美術、配管工、ジャーナリスト、保安検査員、ミュージシャン、仕立屋、子どもの登下校の交通指導員といった人々のうち、「あなたの仕事は世の中に意味のある影響を与えていますか」という質問に対し、「いいえ」にチェックする者は、およそゼロです。

f:id:shins2m:20210601085001j:plainケアリング労働の時代について
 

グレーバーは、「労働とは、槌で叩いたり、掘削したり、滑車を巻き上げたり、刈り取ったりする以上に、ひとの世話をする、ひとの欲求や必要に配慮する、上司の望むことや考えていることを説明する、確認する、予想することである」と述べます。これらの仕事を「ケアリング労働」といいます。ケアリング労働は、一般的に他者にむけられた労働とみなされており、そこにはつねにある種の解釈労働や共感、理解がふくまれています。それは仕事などではなく、たんなる生活、まっとうな生活にすぎないということも、ある程度は可能です。

f:id:shins2m:20210601085618j:plain心のエッセンシャルワークとは?

 

「ブルシット・ジョブ」の反対に「エッセンシャルワーク」という言葉があります。医療・介護などをはじめ、社会に必要な仕事のことですが、トイレの清掃も含まれます。わたしは冠婚葬祭業も含まれると考えています。しかも、冠婚葬祭業は他者に与える精神的満足も、自らが得る精神的満足も大きいものであり、いわば「心のエッセンシャルワーク」、「ハートフル・エッセンシャルワーク」とでも呼ぶべきでしょう。それは、この世で最も必要とされる仕事であると言っても過言ではありません。

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「心のサポーター」と「グリーフケア士」について

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熱心に聴く人びと

 

厚生労働省が、今年度から「心のサポーター(ここサポ)」の養成を開始します。これは、うつ病などの精神疾患や心の不調に悩む人を支える存在で、精神疾患への偏見や差別を解消し、地域で安心して暮らせる社会の実現につなげる狙いです。全国で百万人の養成を目指しているそうです。わが社では、この「心のサポーター」も積極的に取得していきたいと思います。地域社会における心のケアを目指すのなら、人と人とをつなぐ互助会との相性も良いはず。わたしが座長を務める全互協のグリーフケア・プロジェクトチームでは、いよいよ六月から「グリーフケア資格認定制度」を開始しますが、全国の冠婚葬祭互助会の社員を中心に「グリーフケア士」の養成を目指します。 

f:id:shins2m:20210601120750j:plain最後に道歌を披露しました

 

わたしは、「グリーフケア士」が、プロの「ここサポ」と位置付けられることを願っています。グリーフケア士を含む冠婚葬祭業こそは心のエッセンシャルワーク、そう、「ハートフル・エッセンシャルワーク」と呼ばれるでしょう。そして、それは「ケアワーク」そのものでもあるのです」と述べてから、以下の道歌を披露しました。

 

世の中に意味なき仕事はびこれど

   求めらるるは心の仕事  庸軒

 

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挨拶する新入社員たち

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盛大な拍手が送られました

 

社長訓示が終わると、今日から営業研修に入る新入社員たちが前に出て、挨拶をしました。1人1人自己紹介をして、「頑張ります! よろしくお願いします!」と礼をすると、会場からは盛大な拍手が送られました。若い彼らに大いに期待しています!

f:id:shins2m:20210601090602j:plain「今月の目標」を唱和

f:id:shins2m:20210601090624j:plain最後は、もちろん一同礼!

 

総合朝礼の終了後は、サンレーの本部会議を行います。昨年はなんとかコロナイヤー1年目を黒字で乗り切りましたが、コロナ2年目となる今年は正念場を迎えています。全社員が全集中の呼吸で全員の力を合わせて最後まで走り抜きたいです。梅雨の最中ではありますが、体調に気を配り、熱中症やコロナ変異種の感染にも万全の注意を払いながら、気を引き締めていきたいです。

 

2021年6月1日 一条真也