五輪中止間近?の東京へ!

一条真也です。
強行開催まであと2ヵ月を切った東京五輪ですが、最大の選手団を送り込む予定の米国の国務省が、日本の新型コロナウイルスの感染状況を「極めて危険」と断定、「日本への渡航中止」を勧告すると発表。そんな極めて危険な日本国内で、26日に北九州から東京に移動しました。

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北九州空港の前で

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メーテルが見送ってくれました

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北九州空港の搭乗口前で

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機内ではスーパー・ストロング・マスクを

 

東京都も福岡県もともに緊急事態宣言中であり、あまり出張したくはなかったのですが、社外監査役を務める互助会保証株式会社の監査役会および取締役会が翌27日に開催され、今回はどうしてもリモート参加というわけにはいかないのです。この日の北九州空港は、人が少なかったです。わたしは、スターフライヤー80便に乗り込みました。機内では、黒のウレタンマスクから白の不織布マスクに替えました。いつも通っている「サンキュードラッグ小倉富野店」で購入した超強力な不織布マスクであります。プロレスの「スーパー・ストロング・マシン」にあやかったわけではありませんが、この「スーパー・ストロング・マスク」で変異株の感染を防ぎたい!

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機内で読書しました

 

機内では、いつものように読書をしました。読んだのは、『天皇儒教思想』小島穀著(光文社新書)という本です。8世紀の日本で、律令制定や歴史書編纂が行われたのは、中国を模倣したからでした。中国でそうしていたのは儒教思想によるものでした。江戸時代末期から明治の初期、いわゆる幕末維新期には、天皇という存在の意味やそのありかたについて、従来とは異なる見解が提起され、それらが採用されて天皇制が変化しています。そして、ここでも儒教が思想資源として大きく作用したのです。本書は、その諸相を取り上げていく内容ですが、非常にスリリングで面白く、夢中になって読みました。

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スターフライヤー機が羽田に到着

f:id:shins2m:20210526130852j:plain閑散とした羽田空港にて

 

天皇といえば、ブログ「東京五輪を中止するのは誰か?」でも書いたように、感染大爆発が必至で国難ともいえる東京五輪を中止するためには、最後は天皇陛下の御聖断を仰ぐしかないと思います。現実では難しいでしょうが、また畏れ多いことですが、東日本大震災後の上皇陛下(平成天皇)のメッセージのように、今上陛下がコロナ禍に苦しむ日本国民へのメッセージとして、「国民の健康を阻害する一切の行事を控えることを希望します」と一言でも口にして下さればと願わずにはいられません。そんなことを考えていたら、搭乗した飛行機は順調に飛び、なんと到着予定時間よりも15分も早く羽田空港に着きました。フライト時間が55分ぐらいでしたが、こんなに早く東京に着いたのは初めてです。これから何かが起こる予感が!

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朝日新聞DIGITAL」より

 

荷物をピックアップするとき、何気にスマホでネットニュースを見たのですが、「(社説)夏の東京五輪 中止の決断を首相に求める」という朝日新聞DIGITALの記事を見つけてビックリ! 朝日が社説で、東京五輪について「人々の当然の疑問や懸念に向き合おうとせず、突き進む政府、都、五輪関係者らに対する不信と反発は広がるばかりだ。冷静に、客観的に周囲の状況を見極め、今夏の開催の中止を決断するよう菅首相に求める」とはっきり書いています。大手新聞社は東京五輪のスポンサーであり、社説で中止を主張できないと思っていたので驚きました。

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朝日新聞」2021年5月26日朝刊

 

わたしは、荷物をピックアップするとすぐに空港の売店に走り、「朝日新聞」の朝刊を買いました。ちゃんと今日の朝刊の社説にも書かれています。ブログ「国難としての東京五輪」で、わたしは「大手新聞社が雁首揃えてスポンサーになるなど前代未聞であり、『日本の新聞は死んだ!』とさえ思いました。これでは、国民が本当に知りたい情報、いや知るべき情報であっても、五輪主催者のマイナスになることは一切書けないではありませんか。いつも政権批判ばかりしている朝日とか毎日は大いに恥を知り、今こそ東京五輪の強行開催を全力で批判していただきたい!」と書きました。まさか、わたしのブログに触発されたわけではないでしょうが、朝日がついに立ち上がってくれました。わたしは朝日という新聞があまり好きではありませんが、今回はよくやった! えらいぞ、朝日新聞! 毎日新聞も頑張れ! 天皇陛下が御聖断を下さずとも、どうやらIOCのバッハ会長やコーツ副会長の日本人の感情を逆なでする発言、アメリカの日本への渡航禁止などがトリガーになって、一気に流れが変わった印象ですね。まさに、「正義は勝つ!」といった感じです。 

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いつもの店に入りました

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ネギ味噌ラーメンを食べました

 

ちょうど昼時だったので、空港出口近くのいつものラーメン店に入りました。昨年の第1回目の緊急事態宣言のときはこの店も閉まっていましたが、今度の緊急事態宣言では営業しているので助かります。今日は、ネギ味噌ラーメンを食べました。美味しかったです。食後は、そのまま赤坂見附の定宿に向かいました。チェックインして部屋に入ると、窓から落日の新国立競技場が見えました。

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落日の新国立競技場

 

ここで世界最強・最悪のハイブリッド変異株である「東京五輪株」が誕生すれば、人類全体に大きな災厄をもたらします。そうなれば、「スペイン風邪」どころではなく「東京五輪ウイルス」として、その悪名は人類史に長く語り継がれることでしょう。それだけは、何としてでも避けなければなりません。夕方から、次回作『心ゆたかな読書』(現代書林)の最終チェックをはじめ、各種の出版企画について編集者と打合せします。明日は、互助会保証の監査役会および取締役会に参加した後、日本初のグリーフケア映画である「愛する人へ」の製作関係者と打合せする予定です。東京の変異株は怖いですが、感染予防に最大の注意を払いながら、「天下布礼」のために頑張ります!

 

2021年5月26日 一条真也