五輪地獄

一条真也です。金沢に来ています。
福岡空港から飛行機に乗る前にモバイルパソコンをチェックしたところ、「まぐまぐニュース」が送られてきていました。いつも頼みもしないのに一方的に送信されてきますが、ブログ「儀式が日本人を不幸にする?」で紹介した記事の内容があまりにも下らなかったので、それ以来、わたしの中では評価が低いニュースサイトです。しかし、今日送られてきたのはなかなか興味深い記事でした。

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「MAG2NEWS」より

 

記事は、「菅首相が招く『五輪地獄』の悪循環。ことごとく外れる希望的観測」というタイトルですが、「五輪地獄」という単語がキャッチーでした。冒頭、「世界がその開催を危ぶんでいる東京五輪。冷静な判断基準をもってすれば「延期もしくは中止」が妥当だと思われますが、なぜ政権はここまで開催に固執するのでしょうか」と書かれ、ジャーナリストの高野孟氏のメルマガの内容を紹介しています。高野氏は、現状の政府のコロナ対策では感染拡大は抑えようもなく、そのような状態で無理やり五輪を開催したとしても「一大感染イベント」となるのは避けられないと指摘しつつ、それでも菅首相が五輪開催を強行しなければならないウラ事情を記しています。

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東京五輪は地獄に通ず? 

 

詳しい内容は記事をお読みいただくとして、とにかく「五輪地獄」という言葉が気に入りました。わたしのハートをヒットしましたね。わたしが高校生のときに、全校朝礼で校長先生が大学受験について話されたことがあるのですが、校長先生は「最近、受験戦争という言葉が流行しているようです。わたしには信じられません。戦争とは何ごとですか。あまりにも、ひどすぎます。せめて、受験地獄ぐらいなら許せますが・・・・・・」と言ったのです。わたしは隣にいたクラスメイトと、「戦争よりも地獄の方がひどいんじゃないかなあ?」と話した思い出があります。


東京五輪といえば、白血病治療を経て五輪代表に内定した競泳の池江璃花子選手に対して、一部の人から出場辞退を求める声がSNSで寄せられていると話題になりました。池江選手は7日夜、連続ツイートの中で「非常に心を痛めたメッセージ」もあったとして、「選手個人に当てるのはとても苦しいです」と胸中を明かしました。しかし、このツイートにはいろいろ不自然な点があるとして、ネット民の間では「電通の工作?」と騒がれています。なぜ電通かというと、池江選手の兄が昨年から電通の社員になっており、池江選手本人も電通の100%子会社のタレント事務所である株式会社ジエブ の専属になっていたという事実が明らかになったからです。


池江選手には悪意はないどころか、おそらくは自覚もないと思います。ブログ「ありがとう、池江選手!」に書いたように、わたしは池江選手の復活劇に大いなる勇気をいただいており、彼女を心からリスペクトしています。ですから、その彼女を誹謗中傷する連中を許すことはできません。また、東京五輪の強行開催のために彼女を利用する勢力も許すことはできません。さらには、池江選手の奇跡の復活劇を支えたのは医療関係者であることを思えば、日本全国の医療崩壊を起こす危険性のある東京五輪の強行開催は絶対に認めることはできません。わたしは日本怪談映画の巨匠・中川信夫監督の名作「地獄」の大ファンですが、東京五輪で日本そのものが地獄になってはいけません!



2021年5月10日 一条真也