人間は裸で生まれてきたので、
裸でこの世を去っていく。
(イソップ)
一条真也です。
言葉は、人生をも変えうる力を持っています。
これまでは聖人や哲人の言葉を紹介してきましたが、ここからは賢人の言葉を紹介したいと思います。賢人とは、今なお、その知恵の輝きを失わない人たちのこと。自分の進む道を究めた人たちです。彼らが自分たちの使命として取り組んできた中で見つけ、悟った言葉を本章では紹介していきます。
まずは、イソップ(紀元前619年~紀元前564年頃)の言葉です。イソップというのはは英語読みで、古代ギリシャ語ではアイソーポスです。奴隷だったと伝えられ、寓話作家として知られました。
『イソップ寓話』は、アイソーポス(イソップ)が作ったとされる寓話を集めたとされています。とくに動物、生活雑貨、自然現象、様々な人々を主人公にしたものが有名です。この「人間は裸で生まれてきたので、裸でこの世を去っていく」という言葉も、人間というものを特別な存在と考えていない、自然の一部だという思想の表れではないでしょうか。
同書はイソップ物語・イソップ童話などと呼ばれることもあります。現在のイソップ寓話集と呼ばれるものには、アイソーポスのものだけではなく、それ以前から伝承されてきた古代メソポタミアのもの、後世の寓話、アイソーポスの出身地とされる(小アジア)の民話を基にしたものも含まれているといいます。動物、生活雑貨、自然現象、旅人などを主人公にしたものが有名です。
日本でも17世紀になって「伊曾保物語」という題名で翻訳されるほど、なじみ深いものです。この言葉もシンプルな表現ではありますが、わたしは、寓話には本質的なものが含まれていると思います。なお、この言葉は『死を乗り越える名言ガイド』(現代書林)に掲載されています。ご一読下されば、幸いです。
2021年3月16日 一条真也拝