『また会えるから』 

一条真也です。
本日、1月28日は最新刊『「鬼滅の刃」に学ぶ』(現代書林)の発売日。今年最初の一条本です。どうぞ、ご一読下さいますよう、お願い申し上げます。
さて、じつに1年2ヵ月ぶりになりますが、「一条真也による一条本」を再開したいと思います。44回目は、『また会えるから』(現代書林)を紹介します。2010年4月25日に刊行された、愛する人を亡くした人のためのグリーフケア・フォト・ブックです。

また会えるから』(2010年4月25日刊行)

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本書の帯

本書の帯には、「美しい写真と詩で悲しみが溶けてゆく」「じゃあね。日本語」「再見。中国語」「See  you  again.英語」「Au revoir  pour  le  moment.フランス語」「Freilos  fur  jetzt.ドイツ語」「Ciao  per  ora.イタリア語」「世界中の別れの挨拶には、『また会いましょう』という意味が込められている」「グリーフケア・フォト・ブック」と書かれています。 

愛する人を亡くした人へ』(現代書林)

 

わたしが初めて書いたグリーフケアの書『愛する人を亡くした人へ』(現代書林)には大きな反響がありましたが、同書の中から、CD「また会えるから」が生まれました。動画もYouTubeにアップされています。この歌の作詞は、わたしが手がけました。



「また会えるから」という言葉には希望と祈りが込められています。死別はたしかに辛く悲しい体験ですが、その別れは永遠のものではありません。
人は必ず、また愛する人に会えるのです。
この世界には、さまざまな信仰や考え方があります。
しかし、どれもが故人との再会を約束しています。
風や光や雨や雪や星として会える。
夢で会える。
あの世で会える。
生まれ変わって会える。
そして、月で会える。
いずれにしても、必ず再会できるのです。
ですから、死別というのは時間差で旅行に出かけるようなものなのです。先に行く人は「では、お先に」と言い、後から行く人は「後から行くから、待っててね」と声をかけるのです。それだけのことなのです。


美しい写真と詩で悲しみが溶けてゆく

 

考えてみれば、世界中の言語における別れの挨拶に「また会いましょう」という再会の約束が込められています。日本語の「じゃあね」、中国語の「再見」もそうですし、英語の「See you again」もそうです。フランス語やドイツ語やその他の国の言葉でも同様です。これは、どういうことでしょうか。古今東西の人間たちは、つらく、さびしい別れに直面するにあたって、再会の希望をもつことでそれに耐えてきたのかもしれません。


写真家の安田淳夫さん 

 

でも、こういう見方もできないでしょうか。二度と会えないという本当の別れなど存在せず、必ずまた再会できるということを人類は無意識のうちに知っているのだと。その無意識の底にある真理が、別れの挨拶に再会の約束を重ねさせているのだと。わたしたちは、別れても、必ずまた、愛する人に再会できるのです。そういった想いを詩に込めました。本書には、わたしの詩に美しい写真が添えられています。沖縄在住の写真家である安田淳夫さんが撮って下さいました。安田さんの撮影する海や太陽や月の写真は本当に美しく、ながめていると何だか泣きたくなってきます。

死が怖くなくなる読書』(現代書林)

 

そこには、大きな「癒し」の力が秘められています。その「癒し」の力をお借りしました。このフォト・ブックが、愛する人を亡くされた多くの方々の悲しみを癒してくれれば、こんなに嬉しいことはありません。プレゼントにも最適の本です。『死が怖くなくなる読書』(現代書林)の最後にも紹介されています。

 

また会えるから

また会えるから

  • 作者:一条 真也
  • 発売日: 2010/04/13
  • メディア: 単行本
 

  

 

2021年1月28日 一条真也