新年祝賀式典

一条真也です。
みなさん、良い正月を過ごされましたか?
4日、松柏園ホテルにおいて、サンレーの新年祝賀式典が万全のコロナ対応スタイルで行われました。

f:id:shins2m:20210104113825j:plain松柏園ホテルにて

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今日から55周年バッヂが登場!

f:id:shins2m:20210104101047j:plain新年神事のようす

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万全のコロナ対応スタイルで

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柏手を打つ佐久間会長

f:id:shins2m:20210104101559j:plainわたしも柏手を打ちました

 

式典に先立って、松柏園ホテルの顕斎殿で新年神事を行いました。コロナ後のニューノーマル仕様で、コロナ以前よりも人数を減らしてソーシャルディスタンスに配慮し、マスクを着用した上での神事です。わが社の守護神である皇産霊大神を奉祀する皇産霊神社の瀬津神職が神事を執り行って下さいました。佐久間進会長に続き、わたしも玉串奉奠を行いました。

f:id:shins2m:20210104125356j:plain会長とともに第一会場に入場!

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勇壮な「ふれ太鼓」

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最初は、もちろん一同礼!

f:id:shins2m:20210104124229j:plain第二会場でも一同礼!

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小声で社歌を斉唱♪

f:id:shins2m:20210104103931j:plain「経営理念」「S2M宣言」を小声で唱和

f:id:shins2m:20210104104141j:plain新年祝賀式典のようす

 

例年は500名を超える社員が参加しますが、今年は半数以下に制限して、「新年祝賀記念式典」が開催されました。また、新館ヴィラルーチェに第二会場も用意しました。最初に、佐久間会長とわたしが第一会場に入場しました。まず、北九州紫雲閣の緒方支配人による「ふれ太鼓」で幕を明け、総務部の國行部長による「開会の辞」に続いて全員でマスクを着けたまま小声で社歌を斉唱し、それから折尾営業所の大内田所長によって「経営理念」「S2M宣言」が読み上げられ、これも全員で小声で唱和しました。

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「年頭所感2021年 」の表紙

 

参加者全員に配られた年頭所感の表紙の写真は、わたしは撮影したものです。ブログ「太陽と月」で紹介した別府のホテルの客室から撮影した朝日の写真です。右下に小さく「撮影:佐久間庸和」というクレジットが入っています。

f:id:shins2m:20210103111407j:plain「年頭所感2021年 」の会長メッセージ

f:id:shins2m:20210104104421j:plain会長訓示のようす

 

それから、佐久間会長による「会長訓示」です。
参加者全員に配られた「2021年 年頭所感」にも詳しく書かれているように、佐久間会長は「コロナを超えて、互助共生社会を実現しよう」として、「昨年、世界を揺るがせた新型コロナウィルスによる感染症の蔓延と、これに起因する様々な社会変化ですが、当社も現在までその影響を少なからず受けております。このウィルスは想定外の速度で世界中を席巻し、一年前の私たちの生活からは想像も出来ない今日の状況をもたらしましています。しかし瞬く間に社会が変化したということを陽にとらえれば、現代社会があらゆる場所で繋がっているということであり、同時に、今回とは逆の『良いモノ・コト』を的確に発信すれば、すぐにでも世界中へと浸透させることが出来るということでもあります」と述べました。

f:id:shins2m:20210104104624j:plain縁の再生と構築に努めよう!

 

また、佐久間会長は「社会に対して責任を持つ私たち冠婚葬祭互助会は、ウィズコロナ・アフターコロナと呼ばれるこれからの社会に対しても、これまでと同じように適切な情報の発信と施策を続けていかなければなりません。その方法も、従来のものに加えてAI技術を活用するなど、今後の社会に適した手法を早々に実現する必要もあるでしょう。ですがその基本、すなわち当社の基本となる『社会のつながり』を創るという方針は不変です。冠婚葬祭互助会は人と人のつながりの上に成り立っています。人間同士の縁がなければ存在しえないということです。故に私たちは、今回の新型コロナウィルス以前から続く社会の無縁化を食い止め、縁の再生と構築に努めて参りましょう。本年も未だ『新しい社会』での模索の続く年になるとは思いますが、皆様、何卒よろしくお願い申し上げます」と述べました。

f:id:shins2m:20210103111439j:plain「年頭所感2021年 」の社長メッセージ 

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最初に新年の挨拶をしました

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第二会場のようす

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鬼滅マスクを外しました

 

そして、いよいよ「社長訓示」です。最初にみなさんと「あけまして、おめでとうございます」「今年もよろしくお願いいたします」と新年の挨拶をしてから、わたしは以下のような話をしました。令和3年、2021年の新しい年をみなさんと一緒に迎えることができ、たいへん嬉しく思います。昨年は、とにかく、新型コロナウイルスの感染拡大という想定外の出来事に尽きる年でした。ニューノーマルの時代となっても、わたしたちは、人間の「こころ」を安定させる「かたち」としての儀式、冠婚葬祭を守っていかなければなりません。

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社長訓示のようす

 

コロナ禍の中で、わたしは冠婚葬祭業という礼業が社会に必要な仕事であり、時代がどんなに変化しようとも不滅の仕事であることを確信しました。感染症に関する書物を読むと、世界史を変えたパンデミックでは、遺体の扱われ方も凄惨でした。その反動で、感染が収まると葬儀というものが重要視されていきます。人々の後悔や悲しみ、罪悪感が高まっていったのだと推測されます。コロナ禍が収まれば、もう一度心ゆたかに儀式を行う時代が必ず来ます。

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鬼滅の刃』について


とにかく、昨年は新型コロナウイルスの猛威に振り回された1年でしたが、そんな中で社会現象と呼べる大ブームを巻き起こしたのが『鬼滅の刃』です。漫画も、アニメも、映画も、史上最大のヒットを記録するという信じられないような現象を巻き起こしています。「なぜ、『鬼滅の刃』はコロナ禍の中で大ヒットしたのか」という謎を解くために、わたしは『「鬼滅の刃」に学ぶ』(現代書林)という本を書き、新年早々に上梓しました。その話を少ししましょう。

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令和2年の夏は異常だった!

 

令和2年、改元の翌年にわたしたちが迎えた夏は極めて異常なものでした。新型コロナウイルスによってあらゆる行動が制限を受け、ビフォー・コロナどおりにはとれた行動をそのまま継続できた例はほとんどなく、さまざまなことが「密」を避けるために変化を求められました。これは夏に行われる祭事、すなわち夏祭りや盆踊りも例外ではありませんでした。全国の花火大会もコロナ禍を要因に中止されました。このような状況は、夏祭り・盆踊りにしても花火大会にしても、年が明けたからといって、来年から従来通りの姿を取り戻せる保障があるわけではありません。

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「祭り」とは何か?

 

民俗学者の畑中章宏氏は、「日本の人々がこれまで続けてきた祭りのほとんどは、祖霊を供養するためと、疫病除去の祈願のためだったといっても言い過ぎではない」と指摘しています。確かに、日本の祭礼の目的は(稲の豊作祈願を含めた)祖霊祭祀と病疫除去にあったと考えて間違いありません。そして、その中でもいわゆる夏祭りは、病疫退散が主たる目的といえるものが少なくありません。これは夏という季節が、暑さによる人間の生命力低下とともに、病魔が広がりやすくなる季節であることが理由として挙げられます。

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熱心に聴く人びと

 

コロナ禍における祭礼のあり方は、日本人の「こころ」を安定させるためにも今後早急に検討されなければなりません。しかし、現在の状況の中で一縷の望みがあるとすれば、それは「まつりのあるべき姿」や「先祖祭祀のありかた」を見直す声が出ていることでしょう。日本人の「こころ」は神道儒教・仏教の三本柱によって支えられています。そして、それらの三本柱には「先祖崇拝」という共通項があり、それが「かたち」として表されるのが儀式です。

f:id:shins2m:20210104111036j:plain儀式なくして人生なし!

 

冠婚葬祭、年中行事、そして祭礼は広く「儀式文化」としてとらえられます。それらは「かたち」の文化ですが、何のために存在するのかというと、人間の「こころ」を安定させるためです。コロナ禍では、卒業式も入学式も結婚式も自粛を求められ、通夜や葬式さえ危険と認識されました。しかしながら、儀式は人間が人間であるためにあるものです。儀式なくして人生はありません。まさに、新型コロナウイルスは「儀式を葬るウイルス」と言えるでしょう。そして、それはそのまま「人生を葬るウイルス」です。

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人間の「こころ」は、どこの国でも、いつの時代でも、ころころ動いて不安定です。だから、安定するための「かたち」すなわち儀式が必要です。多くの儀式の中でも、人間にとって最も重要なものは「人生の卒業式」である葬儀でしょう。新型コロナウイルスによる肺炎で亡くなった方の葬儀が行うことができない状況が続きました。芸能界でも志村けんさん、岡江久美子さんがお亡くなりになられましたが、ご遺族はご遺体に一切会えず、荼毘に付されました。新型コロナウイルスによる死者は葬儀もできないのです。ご遺族は、二重の悲しみを味わうことになります。

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熱心に聴く人びと

 

コロナ禍の現状、ことごとく祭礼が中止されました。その中で生じる最大の問題は、夏祭りや盆踊りが担っていた祖霊祭祀と病疫除去という役割を、誰が担うのかというものです。その答えの1つが、「鬼滅の刃」という作品だったと思います。夏祭りは先祖供養であると同時に、疫病退散の祈りでした。それが中止になったことにより、日本人の無意識が自力ではいかんともしがたい存在である病の克服を願い、疫病すなわち鬼を討ち滅ぼす物語であり、さまざまな喪失を癒す物語でもある「鬼滅の刃」に向かった側面があるのではないか? わたしは、そう考えます。

f:id:shins2m:20210104111945j:plain鬼滅の刃」はコロナ禍の「祭り」だった!

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道歌を披露しました

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第二会場のようす

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スクリーンに映し出された道歌

 

鬼滅の刃」現象とは、コロナ禍の中の「祭り」であり、「祈り」だったのです。『鬼滅の刃』という物語は、わたしたちの仕事である冠婚葬祭業とも深い関わりがある、いわば「天下布礼」の物語であると言えます。そして、死者を供養し、先祖を祀るという「礼欲」という本能があるかぎり、冠婚葬祭や年中行事は不滅です。すなわち、わたしたちの礼業は永遠に不滅ということです。社会現象にまでなった『鬼滅の刃』という物語が、日本人における「礼」の精神の重要性と普遍性を説くものであったと知り、わたしは大変心強い思いがしました。最後は、「今年も力を合わせて、世のため人のために頑張りましょう!」と言ってから、「亡き人をしのび病を追い払ふ これぞ日の本 鬼滅の祭り」という道歌を披露しました。

f:id:shins2m:20210104130825j:plain決意表明のようす 

f:id:shins2m:20210104112851j:plain決意表明のようす

 

「社長訓示」の後は、「部門別決意表明」です。営業推進部の小谷部長代理、SMセンターの藤原マネージャー、冠婚事業部の井口総支配人、紫雲閣事業部の黒木取締役、企画開発部の石田執行役員経営管理部の槇ゼネラルマネージャー、財務部の久保田部長、総務部の國行部長、株式会社ハートピアの首藤支配人、株式会社クリーンサンジュウの増野支配人、株式会社オラシオンの柿本ゼネラルマネージャーの計10人がそれぞれの今年の決意を表明しました。

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北九州本部長の決意表明

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松田常務より決意を受け取る

f:id:shins2m:20210104113243j:plainがんばれ! 人は心が原動力だから!

 

最後は、「北九州本部長決意表明」として、新しく就任したばかりの松田常務がサンレー北九州全体の今年の決意を力強く表明しました。松田本部長から決意表明を受け取ったわたしは、「ただ今、みなさんから熱い想いを受け取りました。『鬼滅の刃』の主人公である竈門炭治郎のセリフに『俺はやれる! 絶対にやれる! 俺はやれる男だ!』『がんばれ! 人は心が原動力だから』というものがありますが、これをみなさんに贈りたい。みなさんはサムライですか? サムライとは武士のことです。武士は食わねど高楊枝・・・・・・そして、武士に二言はありません。どうか、いま言ったことは必ず実行して下さい。わたしは、みなさんを信じています」と述べました。

f:id:shins2m:20210104113432j:plain会長から新成人へ記念品が贈られました

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壇上で挨拶する新成人

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和のこえ」で締めました

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これが「和のこえwithコロナ」だ!

f:id:shins2m:20210104113754j:plain最後は、もちろん一同礼!

f:id:shins2m:20210104113816j:plain会長とともに退場しました

 

それから、佐久間会長から新成人へのお祝いの品が渡された後、今春に入社予定のみなさんを紹介しました。もうすぐ新社会人となる若者たちの顔は緊張しながらも、キラキラと輝いていました。最後は、手をつながない「和のこえwithコロナ」を小谷部長代理が音頭を取って行い、新年祝賀式典がめでたく終了。全員の心が1つになりました。その後、一同礼をしてから、わたしは佐久間会長とともに退場しました。例年行われる各種表彰者との食事会も中止となりました。ということで、いよいよ新しい年がスタートしました。今年も、よろしくお願いいたします!

f:id:shins2m:20210104114031j:plain松柏園ホテルの正月飾りの前で

f:id:shins2m:20210104140427j:plain今年も、よろしくお願いいたします!

 

2021年1月4日 一条真也