哲学者の全生涯は、まさに死に至ることと、その死を成就することである。(プラトン)
一条真也です。
言葉は、人生をも変えうる力を持っています。
今回の名言は、プラトン(紀元前427年~紀元前347年)の言葉です。古代ギリシャの哲学者で、ソクラテスの弟子にして、アリストテレスの師にあたります。 プラトンの思想は西洋哲学の主要な源流となっています。とくに『イデア』という概念は後に大きな影響を与えています。
プラトン哲学では、魂は不死であり永遠でした。魂は聖火の火花であって、始めもなく終わりもありません。プラトンの著作『パイドロス』によれば、魂はかつて至高のイデアの世界にいました。その後、イデアの高所から落とされ、人間の肉体に宿り、囚人として追放の身となりました。それでも不滅の性格は失ってはいませんでした。
そして、「もし、地上にとどまっている間に、この肉体をコントロールして感覚的な外形や偽りの幸福から引き離すことができれば、死んでから元のイデアの世界に戻る。しかし堕落した魂は、人間なり動物なりの肉体の中に再び入って輪廻を繰り返し、一万年の間、地上にとどまる」と考えました。
プラトンにおいては、 魂は純粋に精神的で、独立しており、遍歴して肉体に落ち込む実在なのです。この言葉は、哲学が「生」と「死」について考えるものであるということを教えてくれます。そして哲学の覚悟も。なお、この言葉は『死を乗り越える名言ガイド』(現代書林)に掲載されています。
2020年12月14日 一条真也拝