「ふくおか経済」取材

一条真也です。
今日は10月9日。新日本プロレスvsUWFインターナショナルが全面対決したプロレス史に残る伝説の対抗戦「10・9」から25年目の日です。この日の14時から、月刊「ふくおか経済」の取材を受けました。九州の名門経済誌で、わたしも愛読しています。わが社も、よく取り上げていただきます。

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インタビュー取材のようす

 

今回は、同誌の11月号に掲載される「The  FACE」というページの取材でした。少し気が早いですが、今年を振り返り、来年を展望する内容のインタビュー記事です。いつものように、同誌の八尋修平さんがカメラマンの方と一緒に来て下さいました。松柏園ホテル の貴賓室でインタビュー取材を受けました。
f:id:shins2m:20201009134820j:plain松柏園ホテル の貴賓室 で


最初に、わたしは以下のような話をしました。
菅内閣が誕生しましたが、菅首相にお願いしたいことがあります。菅首相は一連のGoToキャンペーンを主導してこられた方ですが、日本人が結婚式を挙げやすい政策を立てていただきたいと思います。結婚式の費用とか交通費などを助成する「GoToウエディング」です。これは「GoToトラベル」のように業界救済、つまり経済のためではなく、社会のために行うものです。日本は、いま最大の国難に直面しています。それは新型コロナウイルスの問題でも、中国の領土侵犯の問題でも、北朝鮮のミサイル問題でもありません。より深刻なのが人口減少問題です。

f:id:shins2m:20201009163156j:plain「GoToウエディング」について 

 

人口減少を食い止める最大の方法は、たくさん子どもを産むことですめには、結婚するカップルがたくさん誕生しなければならないのですが、現代日本には「非婚化・晩婚化」という「少子化」より手前の問題が潜んでいます。菅首相は、自民党総裁に選ばれた直後の挨拶で「私の目指す社会像は、自助・共助・公助、そして絆であります」と述べられました。自助・共助・公助、そして絆の社会とは、まさに相互扶助の互助社会です。互助の精神で「GoToウエディング」の実施を切に願う次第です。

f:id:shins2m:20201009135525j:plainエッセンシャルワークについて 

 

葬儀の方ですが、最近、「葬祭業はエッセンシャルワークですね」とよく言われます。エッセンシャルワークとは医療・介護・電力・ガス・水道・食料などの日常生活に不可欠な仕事です。同じように大切な仕事と思われてきた教育はエッセンシャルワークではありません。日本中の大学の多くは未だに閉鎖されています。神社や寺院や教会といった宗教もエッセンシャルワークではありません。コロナ前から「神社崩壊」や「寺院消滅」が叫ばれていたことが思い出されます。しかし、葬儀はエッセンシャルワークです。 

f:id:shins2m:20201009135815j:plainコミュニティホールへの進化について

 

葬儀にはさまざまな役割があり、霊魂への対応、悲嘆への対応といった精神的要素も強いですが、まずは何よりも遺体への対応という役割があります。遺体が放置されたままだと、社会が崩壊します。それは、これまでのパンデミックでも証明されてきたことでした。何が何でも葬儀に関わる仕事は続けなければならないのです。エッセンシャルワークは社会的インフラとなります。このたびの台風10号では、100人以上の避難者の方々を受け入れました。「魂を送る場所」であった紫雲閣が「命を守る場所」となったことは画期的であり、「セレモニーホール」が「コミュニティホール」へと進化しました。

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新しい施設について説明 

 

冠婚業も葬祭業も、単なるサービス業ではありません。それは社会を安定させ、人類を存続させる社会インフラとしての文化装置なのです。冠婚葬祭が変わることはあっても、冠婚葬祭がなくなることはありません! このコロナ禍の中で、わが社の施設は続々とオープンし続けています。福岡市に建設する2施設の起工式を終え、後は完成を待つばかりです。日本全国のサービス業の赤字決算が確実視されるコロナ禍の中、わが社はなんとか今年も黒字で終わる見込みです。

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新CM動画を見せました


前川清さんをイメージキャラクターとする素晴らしいCMも完成しました。サンレーグループ篇とセレモニー篇の作品ですが、桑田佳祐福山雅治もリスペクトする国民的歌手の前川清さんがオリジナルソングの「ありがとう」を歌い、最後は「サンレー~♪」とか「紫雲閣~♪」とかのサウンドロゴを歌い上げてくれたという事実が、今でも信じられません。iPhoneで新CMの動画を見せると、八尋さんは「素晴らしいですね!」と言ってくれました。

f:id:shins2m:20201009135313j:plainコロナ・ショックではなく、コロナ・チャンス!

 

わたしが、「わたしは、コロナ・ショックではなくて、コロナ・チャンスだと考えています。何事も陽にとらえて、施設も作ったし、CMも作成しました。昨日も営業の総合朝礼を行いましたが、これなら行ける!という感触を得ました。これからも、高い志を持って、「 天下布礼」の道を突き進みたいと思います」と言うと、八尋さんは、「コロナ禍の中で、多くの方が不安を抱かれていると思います。こんな不安な状況下では何をすればよいのでしょうか? 作家というか思想家として質問させていただきます」と言われました。わたしは、即座に「それは簡単です。‟生活の古典”としての冠婚葬祭や年中行事を淡々と行えばいいのですよ」と答えました。冠婚葬祭と年中行事は儀礼文化の二大ジャンルです。

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水とコップで説明しました

 

わたしは、目の前にあった水の入ったコップを持って説明しました。水は「かたち」がなく不安定です。それを容れるものがコップです。そして、水は「こころ」のメタファーです。「こころ」も形がなくて不安定だからです。だから、「こころ」は「かたち」に容れる必要があります。その「かたち」には別名が存在します。「儀式」です。人間の「こころ」は、どこの国でも、いつの時代でも不安定です。だから、安定するための「かたち」すなわち儀式が必要なのです。そこで大切なことは先に「かたち」があって、そこに後から「こころ」が入るということ。逆ではダメです。「かたち」があるから、そこに「こころ」が収まるのです。 

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「かたち」としての儀式の力を信じよう!

人間の「こころ」が不安に揺れ動く時とはいつかを考えてみると、子供が生まれたとき、子供が成長するとき、子供が大人になるとき、結婚するとき、老いてゆくとき、そして死ぬとき、愛する人を亡くすときなどです。その不安な「こころ」を安定させるために、初宮祝、七五三、成人式、長寿祝い、葬儀といった一連の人生儀礼があるのです。 また、正月や節分や雛祭りや端午の節句や七夕やお盆があるのです。日本人は、もっと「かたち」としての儀式の力を信じるべきではないでしょうか。それを聞いた八尋さんは涙目になって「すごく感動しました! 心から納得できました! わたしは、そういうお話が聞きたかったんです。ぜひ、すべての福岡県民を対象に講演で今のお話をしてください!」と言うので、「コロナで講演は難しいので、ぜひ、わたしの本をお読みいただきたいですね!」と言いました。

f:id:shins2m:20201009141254j:plain心ゆたかな社会』を持って

 

そこから作家活動の話になり、記念すべき100冊目の「一条本」である『心ゆたかな社会』(現代書林)について話しました。 ブログ「『紫雲閣』年内6店新設へ」 で紹介したように、同書は「ふくおか経済」8月号でも大きく取り上げられました。

f:id:shins2m:20201009141228j:plain満月交心 ムーンサルトレター』を持って

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終始なごやかなムードで進みました

また、見本が出たばかりの『満月交心 ムーンサルトレター』(現代書林)を読書家の八尋さんにプレゼントすると、とても喜んでくれました。わたしが「この本には、コロナ後の世界をどう生きるかのヒントがたくさん書いてあります。今話したような儀式の意味とかグリーフケアの重要性についても述べています」と言うと、八尋さんは「必ず読みます! 読んで、感想をお伝えいたします!」と言っていました。

f:id:shins2m:20201009143837j:plain写真撮影のようす

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写り具合をチェックしました


インタビュー取材の終了後は、 松柏園ホテル新館「VILLA LUCE(ヴィラルーチェ)」で写真を撮影しました。このインタビュー記事は「ふくおか経済」11月号に掲載されます。お楽しみに!

f:id:shins2m:20191101113524j:plain「ふくおか経済」2019年11月号

 

2020年10月9日 一条真也