送魂

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一条真也です。
わたしは、これまで多くの言葉を世に送り出してきました。この際もう一度おさらいして、その意味を定義したいと思います。今回は、「送魂」という言葉を取り上げることにします。

 

永遠葬

永遠葬

  • 作者:一条 真也
  • 発売日: 2015/07/22
  • メディア: 単行本(ソフトカバー)
 

 

わたしは思うのですが、葬祭業とは一種の交通業ではないでしょうか。その本質は「この世」というA地点から「あの世」というB地点にお客様をお送りすることだからです。「あの世」という目的地は、浄土、天国、ニライカナイ、幽世(かくりよ)などなど、さまざまな呼び方をされます。わたしは、まとめて心の理想郷という意味で「ハートピア」と呼んでいますが、ハートピアへ行くには飛行機、新幹線、船、バス、タクシー、それにロケットと数多くの交通手段があるのです。それが、さまざまなお葬式です。

 

「あの人らしかったね」といわれる 自分なりのお別れ<お葬式>

「あの人らしかったね」といわれる 自分なりのお別れ<お葬式>

  • 作者:一条 真也
  • 発売日: 2007/05/08
  • メディア: 単行本(ソフトカバー)

 

新幹線しか取り扱わない旅行代理店など存在しないように、魂の旅行代理店としての葬祭業も、お客様が望むなら、あらゆる交通機関のチケットを用意するべきなのです。そして、セレモニーホールの本質とは、死者の魂がそこからハートピアへ旅立つ、魂の駅であり、魂の港であり、魂の空港であると言えます。



「葬送」という言葉がありますが、今後は「葬」よりも「送」がクローズアップされます。「葬」という字には草かんむりがあるように、草の下、つまり地中に死者を埋めるという意味があります。「葬」にはいつまでも地獄を連想させる「地下へのまなざし」がまとわりついているのです。一方、「送」は天国に魂を送るという「天上へのまなざし」へと人々を誘います。



わたしが提唱し、実行している「月への送魂」などの新時代セレモニーによって、お葬式は「お送式」、葬儀は「送儀」、そして葬祭は「送祭」となるのではないでしょうか。なお、今年も10月1日の仲秋の名月の夜にサンレーグランドホテルの中庭で「月への送魂」が行われる予定でしたが、新型コロナウイルスの感染予防の観点から中止となり、まことに残念です。

 

 2020年9月6日 一条真也