死を乗り越える孟子の言葉

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人を愛しても親しまれないときには、自分の仁愛の心が足りないからではないかと反省するがよい。
孟子

 

一条真也です。
言葉は、人生をも変えうる力を持っています。
今回の名言は、孟子(紀元前372年?~紀元前289年)の言葉です。孟子は、中国戦国時代の儒学者、思想家です。孔子の教えを受け継ぎ、儒教では孔子に次いで重要な人物として位置づけされますが、そのため儒教は「孔孟の教え」とも呼ばれます。性善説を主張し、仁義による王道政治を理想としました。

 

孟子〈上〉 (岩波文庫)

孟子〈上〉 (岩波文庫)

  • 発売日: 1968/02/16
  • メディア: 文庫
 

 

孟子は、人間誰しも、あわれみの心を持っていると述べました。幼い子どもが井戸に近づいて行くのを見かけたとします。誰でもハッとして、井戸に落ちたらかわいそうだと思い、救ってやろうと思います。それは別に、子どもを救った縁でその親と近づきになりたいと思ったためではありません。人にほめてもらうためでもなく、救わなければ非難されることが怖いためでもありません。

 

孟子〈下〉 (岩波文庫)

孟子〈下〉 (岩波文庫)

  • 発売日: 1972/06/16
  • メディア: 文庫
 

 

かわいそうだと思う心は、人間誰しも備えているものです。さらに、悪を恥じ憎む心、譲りあいの心、善悪を判断する心も、人間なら誰にも備わっているものです。かわいそうだと思う心は「仁」の芽生え、悪を恥じ憎む心は「義」の芽生え、譲りあいの心は「礼」の芽生え、善悪を判断する心は「智」の芽生えであると孟子は主張しました。人は生まれながら手足を四本持っているように、この四つの芽生えを備えているのです。これが有名な「性善説」の根拠となった「四端の説」です。孟子は「人間の本性は善きものだ」という揺るぎない信念を持っていたのです。なお、この言葉は『死を乗り越える名言ガイド』(現代書林)に掲載されています。

 

死を乗り越える名言ガイド 言葉は人生を変えうる力をもっている

死を乗り越える名言ガイド 言葉は人生を変えうる力をもっている

  • 作者:一条 真也
  • 発売日: 2020/05/26
  • メディア: 単行本(ソフトカバー)
 

 

2020年8月10日 一条真也