ハートビジネス

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一条真也です。
わたしは、これまで多くの言葉を世に送り出してきました。
もう一度おさらいして、その意味を定義したいと思います。
今回は、「ハートビジネス」という言葉を取り上げます。


産業の高次化を唱えた『ハートビジネス宣言

 

1992年に上梓した『ハートビジネス宣言』(東急エージェンシー)で初めて提示された「ハートビジネス」とは、人を幸福にするビジネスです。冠婚葬祭、ホテル、イベント、リゾート 、エンターテインメント、アート、スポーツ、レストラン、ナイトスポット、その他いろいろ・・・・ ハートビジネスは人の心に働きかけ、感動を与えたり、病んだ心を癒したりすることができます。 つまり、「感動」と「癒し」のビジネスなのです。

 

ハートビジネスは、これからのハート化社会において産業の主流となってゆきます。ハートビジネスには さまざまな業種がありますが、現在、「第3次産業」としてひととくくりにされています。 しかし、この第3次産業という概念は経済学者コーリン・クラークが1940年代に提案したものであり、時代遅れ以外の何ものでもありません。現在の産業は7つのレベルで分類するとわかりやすいでしょう。

 

第1次と第2次は従来通りとして、第3次は手や足などによる「筋肉サービス」で、代表的な業種は洗濯業 、宅配業、運送業など。第4次は、いわゆる装置産業で、知恵によって開発して筋肉によって保守などをする 「複合サービス」。金融機関、私鉄、貸しビル、不動産業などがこれに含まれます。 第5次は「知恵のサービス」で、教師、コンサルタント、システム、エンジニアなど。マスコミやシンクタンクもここに入ります。第6次は「情緒サービス」で、レジャー施設業、映画会社、劇団、芸術家など。そして第7次が「精神サービス」で、冠婚葬祭業 、神社、寺院、教会などが含まれます。つまり、高次の産業になればなるほど付加価値が高くなるわけです。そして、ハートビジネスは主に第6次と第7次の産業に集中しています。ハートビジネスとは人をハートフルにし、ハートピアを想起させるビジネスなのです。

 

2020年7月24日 一条真也