父の日

一条真也です。
6月21日(日)は、「父の日」であります。
わたしと妻はプレゼントを持って実家を訪れました。LANVINの派手めのシャツを贈ったところ、父はとても喜んでくれました。ちょうど父もわたしも紫色のシャツを着ていたので、妻が記念に写真を撮ってくれました。

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実家の前庭で、父と

 

実家訪問の前、「バク転神道ソングライター」こと宗教哲学者の鎌田東二先生とメールのやりとりをしました。ブログ「心ゆたかな社会を!」で紹介した6月18日の天道塾で父が示した8つの「共」信仰のことを鎌田先生にお知らせしたところ、先生は「佐久間進会長の8つの『共』語、衰えぬアイデア、心から敬意を表しました」「『八美道』に次ぐ『八共道』は、お釈迦さんの『八正道』を現代の日常生活に活かすより具体的な実践だと思います」と述べて下さいました。

f:id:shins2m:20200621141240j:plain父と、マスクを外して

 

さらに鎌田先生は、「御父上の『共飲』『共食』『共浴』『共健』『共笑』『共歌』『共遊』『共旅』という8つの『共』信仰ですが、上智大学の『他者のために、他者とともに』(Men and Women for Others, with Others)の理念にも通じます」と書かれていたので、これにはわたしも驚きました。これは「キリスト教ヒューマニズム」を基盤とする「隣人性」ということであり、こちらから他者の隣人となっていき、「愛をもって正義と平和」の実現に尽くすことを指します。すなわち上智大学は、激動する現代世界に向かって広く窓を開き、人と人との交わりを大切にし、「貧困」「環境」「教育」「倫理」という問題を抱えた現代世界の中にあって、人類の希望と苦悩をわかち合い、世界の福祉と創造的進歩に奉仕する人を育てるよう力を尽くすということです。
最後に、鎌田先生は「今度、コロナ騒ぎが落ち着いたらまたお父上とこれからの社会や生き方や仕事のことなどについて、いろいろとお話しすることができれば幸いです」と書かれており、それを父に伝えると非常に喜んでいました。

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さて、「父の日」は6月の第3日曜日です。「母の日」に比べて、「父の日」はどうも盛り上がりに欠けます。もともとは20世紀の初頭にアメリカで生まれた記念日で、ワシントン州スポケーンの女性、ソノラ・スマート・ドッドの発案によるものです。彼女の母は早く亡くなり、父は男手ひとつで6人の子どもたちを育てました。当時、すでに「母の日」は始まっていましたが、ソノラは「母の日があるなら、父に感謝する日もあるべき」と牧師協会に嘆願したといいます。世界初の「父の日」の祝典は、1910年6月19日、スポケーンで行われました。16年、アメリカ合衆国第28代大統領ウッドロー・ウィルソンは、スポケーンを訪問。そこで「父の日」の演説を行ったことにより、アメリカ国内で「父の日」が認知されるようになったそうです。また66年、第36代大統領リンドン・ジョンソンは、「父の日」を称賛する大統領告示を発し、6月の第3日曜日を「父の日」に定めました。正式に「父の日」が国の記念日に制定されたのは72年のことです。

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このように、「父の日」そのものは非常にアメリカ的なのですが、日本においても必要であると思います。なぜならば、「父の日」でもなければ、世のお父さんたちは子どもたちから感謝される機会がないではありませんか!
人間関係を良くする「法則」を求めた儒教においては、親の葬礼を「人の道」の第一義としました。親が亡くなったら、必ず葬式をあげて弔うことを何よりも重んじたというのも、結局は「親に感謝せよ」ということでしょう。親とは最も近い先祖です。「いのち」のつながりを何よりも重んじた儒教では、祖先崇拝を非常に重要視した。それは、「孝」という大いなる生命の思想から生まれました。どうか、「父の日」をお忘れなく!

 

決定版 年中行事入門

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2020年6月21日 一条真也