「古民家モデル」を活かす

一条真也です。
29日は「昭和の日」ですね。
新型コロナウイルスの感染拡大で葬祭業界も非常に混乱している中、業界のオピニオン・マガジンである「月刊フューネラルビジネス」5月号が届きました。

f:id:shins2m:20200428132545j:plain「フューネラルビジネス」2020年5月号の表紙

 

ブログ「グリーフケア×葬祭業」で紹介したように、4月号にはわたしが巻頭インタビューで登場しました。今月号の特集は「『古民家モデル』を活かす」ですが、わが社の「くさみ三礼庵」が取り上げられています。

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特集「『古民家モデルを活かす――マーケットインでつくる和風会館』として、「カフェやレストランをはじめ、古民家を活用した施設が国内で人気を集めている。そうしたなか葬祭業界でも、(古)民家を葬祭会館に改修・転用した『古民家』モデルで他社との差別化を図るところも出てきている。葬祭業において『古民家』モデルを活かすには、事業面あるいはエモーショナルマーケティングに訴求するにしても他業界ほど簡単ではない。今号では、専門家の意見やケーススタディから、『古民家』モデルのあり方を探った」と、フロントページに書かれています。

f:id:shins2m:20200428132617j:plain「フューネラルビジネス」2020年5月号 

 

記事では、「築38年の日本家屋を改装し葬送空間とコミュニティ創出の場に」として、「くさみ三礼庵」が取り上げられ、「現在、葬儀といえば葬祭会館での施行が主流だが、以前は生前に過ごした家で家族や近親者に見送られる「自宅葬」が一般的だった。そんな古き良き自宅葬のような雰囲気のなかで故人を送り出せる会館として、2017年、北九州市にオープンしたのが「くさみ三礼庵」である。運営するのは互助会の(株)サンレー(社長佐久間庸和氏)。地域のコミュニティハウスとしての機能も合わせもつ同施設の開発経緯や現在の稼動状況等について尋ねた」と書かれています。わが社については、「サンレーは1966年に創業し、冠婚葬祭互助会として全国に10か所の結婚式場、葬祭会館『紫雲閣』を81か所展開している。一方で、地域に根づいた活動にも力を入れており、紫雲閣では葬儀だけでなく地域住民を対象としたイベントを開催するほか、サークル活動のために会館の一部フロアを提供するなど、これまでも広く地域住民に開放してきた」と紹介されています。

f:id:shins2m:20200428132632j:plain「フューネラルビジネス」2020年5月号  

 

また記事では、「地域貢献の一環として定期活動の拠点として無償開放」として、紫雲閣事業部紫雲閣事業開発課の市原課長へのインタビューが以下のように紹介されています。
「実際に、同施設を利用した人からはどのような感想が寄せられているのだろうか。『喪主からは、たいへんいい葬儀ができたという感想をいただくことが多いと思います。いまでは、ほとんどの人が会館で葬儀をするようになっていますが、潜在的には「家から故人を見送りたい、見送られたい」という思いがあるのでは。特に高齢者は、自分が慣れ親しんだ馴染みのある日本家屋で、家族に見守られながらの葬儀を望む人が多いように感じます』と市原課長は分析する。丸ごと1棟を貸し切るため、周囲を気にせず、故人と最後のお別れができるという隠れ家的な特徴も、支持されている理由の1つといえるだろう」

 
くさみ三礼庵」の外観

 

さらに、記事には以下のように書かれています。
「コミュニティハウスとしての取組みはどうだろうか。現在、地元住民のサークル活動(編み物・手話など)や茶道教室、自治会・町内会の会合、生協の講習会・勉強会などに幅広く施設を開放。葬儀のときと同様、1棟を無償で貸し出す形式で、部屋をふすまで仕切る、テーブルを出す、椅子を出すなど使い方は自由だ。そのほか、同社がグリーフケアの一環として推進する自助グループ『うさぎの会』の活動や施設見学会、終活セミナーや『男の料理教室』といった同社主催のイベントも行なわれている。1か月のうち、葬儀が入っていないおよそ6~7日間をこうした地域住民とのコミュニケーションを図る催し物会場として利用している」


「古民家モデル」の先駆けとなりました

 

そして、記事には以下のように書かれているのでした。
「コミュニティハウスとして地域交流の場をコンセプトとする『三礼庵』ブランドは、(古) 民家から転用した同施設に続き、18年に2号店『かどがわ三礼庵』(宮崎県門川町)、19年に3号店『たかす三礼庵』(北九州市若松区)をオープンさせている。今後も拠点間の空白地帯を中心に、葬祭会館にも転用できる古民家や日本家屋、一般住宅などとの出合いをとおし、三礼庵ブランドを展開していく予定だ」


くさみ三礼庵の前で

 

2020年4月29日 一条真也