緊急事態宣言→読書宣言

一条真也です。
ついに、緊急事態宣言が発令されました。
7日、新型コロナウイルスの感染拡大を受け、安倍首相は改正新型インフルエンザ等対策特別措置法に基づく初の「緊急事態宣言」を発令したのです。

f:id:shins2m:20200407191520j:plain官邸から「緊急事態宣言」を発令する安倍首相

 

安倍首相は同日午後7時に記者会見し、国民向けに説明しました。対象地域は、感染が拡大している東京、埼玉、千葉、神奈川、大阪、兵庫、福岡の7都府県で、期間は大型連休が終わる5月6日までとしました。感染者や死者の多い北海道、愛知県、京都府が入っていないのは意外でしたが、ともかくも「緊急事態宣言」は発令されたわけです。



4月には東京出張の予定もたくさん入っていましたが、各種の会合、会議、株主総会などは中止もしくは延期になります。わたしも、なるべく不要不急の外出は控えます。もちろん、サンレーの本社には出勤しますので、そこで各地の事業部に指示を出したり、業界の打ち合わせなどもするつもりです。「緊急事態宣言」の発令で、これまで以上の外出自粛が求められますが、ずっと家に巣ごもりしていて、ストレスがたまっている方も多いと思います。巷では「コロナ離婚」も増えているとか。でも、何事も「陽にとらえる」ことが大切ではないでしょうか? せっかく自宅にいる時間が長いわけですから、DVDやBlu‐rayやNetflixをはじめとしたネット動画配信サービスなどで名作映画を鑑賞するのもいいですし、何よりも読書をされてはいかがでしょうか?

f:id:shins2m:20200408112410j:plain4月8日の各紙朝刊の1面


わたしは、今回の「緊急事態宣言」を「読書宣言」と陽にとらえることをお勧めします。こういう時にこそ、普段は読めない本を読むといいです。過去のパンデミックに学ぶという意味では、ボッカチオの『デカメロン』、デフォーの『疫病流行記』、カミュの『ペスト』を読む。『論語』や『古事記』や『ギリシャ神話』や『聖書』といった「こころの世界遺産」を読むのもいいし、この際、『源氏物語』とか『千夜一夜物語』とか『失われた時を求めて』などの超長編に挑戦するのもいいでしょう。若い頃に愛読した夏目漱石芥川龍之介川端康成三島由紀夫ゲーテドストエフスキー、ヘッセ、ヘミングウェイなどを読み返すのもいい。さらには、ノンフィクション、歴史小説幻想文学、ミステリー、SF・・・好みのジャンルを極めてみられてはいかがですか? 大人だけではなく、お子さんも児童文学の名作を片っ端から読むのがいいと思います。ゲームばかりするのではなく、一生の宝である「読書習慣」を身につける最大のチャンスではないでしょうか?

f:id:shins2m:20200408105430j:plain一条真也の読書館

 

考えてみれば、本ほど、すごいものはありません。自分でも本を書くたびに思い知るのは、本というメディアが人間の「こころ」に与える影響の大きさです。わたしは、本を読むという行為そのものが豊かな知識にのみならず、思慮深さ、常識、人間関係を良くする知恵、ひいてはそれらの総体としての教養を身につけて「上品」な人間をつくるためのものだと確信しています。読書とは、何よりも読む者の精神を豊かにする「こころの王国」への入り口です。わたしが企業の経営者として、業界の責任者として、大学の客員教授として、なんとかやっていけるのも、すべて読書のおかげです。

f:id:shins2m:20200408182546j:plainこの2冊の続編がもうすぐ出ます!

 

現在の日本社会はこのような大混乱のきわみですが、今月、わたしの著書が2冊上梓される予定です。『死を乗り越える名言ガイド』、『心ゆたかな社会』の2冊で、いずれも版元は現代書林です。前者は『死を乗り越える読書ガイド』(『死が怖くなくなる読書』を改題)と『死を乗り越える映画ガイド』の続編です。古今東西の聖人、哲人、賢人、偉人、英雄たちの「死」についての前向きな言葉を集めました。読書・映画・名言が揃い、これで「死を乗り越えるガイド」三部作が完成します。

f:id:shins2m:20200408182607j:plain『死を乗り越える名言ガイド』のカバー案

 

「死を乗り越えるガイド」三部作を書き上げて、本にせよ、映画にせよ、名言にせよ、その数の多さに驚かされました。いかに生きるか、と同じく、いかに死を考え、いかに死を迎えるのか、さらに愛する人を亡くした人がいかにその喪失感から立ちなおれずにいるか――人類にとってその重要性は、どんなデータを示すより、死をテーマにした本や映画、名言の数の多さを知れば納得できるのではないでしょうか。『死を乗り越える名言ガイド』には、わたしが厳選した100の名言が集められています。


この本のアップデート版がもうすぐ出ます!

 

また後者は、わたしが15年前に書いた『ハートフル・ソサエティ』(三五館)を大幅に加筆したアップデート版です。もともとは『ハートフル・ソサエティ2020』という書名を考えていたのですが、内閣府が発表した「Society5.0」の本質と可能性を探り、ポスト・パンデミック時代の社会ビジョンについて書きました。グリーフケア、セレモニー、ホスピタリティ、マインドフルネスなどのキーワードを駆使して、来るべき「心の社会」を予見し、さらには「心ゆたかな社会」のビジョンを描き出します。

f:id:shins2m:20200417160010j:plain『心ゆたかな社会』のカバー案

 

じつは、『死を乗り越える名言ガイド』は99冊目の、『心ゆたかな社会』は100冊目の「一条本」となります。100冊達成を記念して出版関係者のみなさんや友人たちが祝賀会を開いてくれるプランもありましたが、こんなご時世なので、もちろん辞退しました。こんな不安な時期に世に問う2冊ですが、いずれも今の不安を解消する内容となっています。もうすぐアマゾンにもUPされますので、ぜひご一読をお願いいたします。

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この第3弾も出ます! 

 

明日、8日はスーパームーン。今年最大の満月が見えるそうです。明日の満月をもって、「バク転神道ソングライター」こと宗教哲学者の鎌田東二先生とのWEB往復書簡である「ムーンサルトレター」も、丸15年の第180信に!
こちらも、『満月交感』、『満月交遊』の続編『満月交心』として今年の秋までには刊行したいと思っています。ということで、みなさん、今回の「緊急事態宣言」を「読書宣言」と陽にとらえて、ご自宅で多くの良書をお読み下さい!

 

2020年4月7日 一条真也