結婚は最高の平和である

一条真也です。
7日、ついに緊急事態宣言が発布されますね。福岡県も加えられるので大変ですが、そんな中、この日の「西日本新聞」朝刊に「令和こころ通信 北九州から」の第23回目が掲載されました。月に2回、本名の佐久間庸和として、「天下布礼」のためのコラムをお届けしています。今回のタイトルは「結婚は最高の平和である」です。

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西日本新聞」2020年4月7日朝刊

 

新型コロナウイルスの猛威が収まらない中、先日、神戸を訪れました。同業者のご子息の結婚披露宴に出席するためです。この時期に開かれた結婚披露宴に、全国からマスク姿の方々が参集、新郎新婦を祝福しました。その姿を見て感銘をおぼえました。

 

先日、ついに東京五輪の延期が決定しました。さらに最近では、結婚式などのキャンセルも相次ぎ、冠婚葬祭業界も混乱しています。しかし、一件の結婚式はオリンピックよりも重いとわたしは思います。「五輪は平和の祭典」などと言いますが、結婚とは「最高の平和」であり、結婚式こそは「最高の平和のセレモニー」だからです。

 

「戦争」という言葉の対義語は「平和」ではなく、「結婚」ではないでしょうか。「平和」という語を辞書で引くと、意味は「戦争がなくて世が安穏であること」となっています。平和とは、戦争がない状態、つまり非戦状態のことなのです。しかし、戦争というのは状態である前に、何よりもインパクトのある出来事なのです。単なる非戦状態である「平和」を「戦争」のような強烈な出来事の反対概念に持ってくるのは、どうも弱い感じがします。

 

また、「結婚」の反対は「離婚」と思われていますが、これも離婚というのは単に法的な夫婦関係が解消されただけのこと。「結婚」は戦争同様、インパクトのある出来事でです。戦争も結婚も共通しているのは、別にしなければしなくてもよいのに、好き好んでわざわざ行なう点です。だから、戦争も結婚も「出来事」であり、「事件」なわけです。

結婚には、異なるものと結びつく途方もなく巨大な力が働いています。それは、陰と陽を司る「宇宙の力」と呼ぶべきものです。同様に、戦争が起こるときにも、異なるものを破壊しようとする宇宙の力が働いています。つまり、「結婚」とは友好の王であり、「戦争」とは敵対の王なのです。

 

人と人とがいがみ合う、それが発展すれば喧嘩になり、それぞれ仲間を集めて抗争となり、さらにはテロのような悲劇を引き起こし、最終的には戦争へと至ってしまいます。逆に、まったくの赤の他人同士であるのもかかわらず、人と人とが認め合い、愛し合い、ともに人生を歩んでいくことを誓い合う結婚とは究極の平和であると言えないでしょうか。

 

結婚は最高に平和な「出来事」であり、「戦争」に対して唯一の反対概念になるのです。わが社では、日々お世話させていただくすべての結婚式が「世界平和」という崇高な理念を実現する営みであるととらえ、心からのサービスに努めています。

 

2020年4月7日 一条真也