もう、中止だ中止!

一条真也です。
義を見てせざるは勇なきなり!
わたしのような者にも公的立場があるのですが、ブログ「東京で考えたこと」ブログ「すべては東京五輪開催のために」に続いて、義によってこの記事を投稿いたします。
昨日の安倍首相による全国での臨時休校要請で、日本中が大混乱しています。異例の決断には、与党幹部からも懸念の声が上がっています。当然のことだと思います。

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今朝の各紙の一面

 

日本列島が異様な雰囲気に包まれています。
28日、東京ディズニーリゾートを運営するオリエンタルランドは、新型コロナウイルス感染症対策本部にて政府に要請された方針に従い、2月29日から3月15日まで東京ディズニーランド(TDL)と東京ディズニーシー(TDS)を臨時休園することを発表しました。同様に、ユニバーサル・スタジオ・ジャパン(USJ)も、2月29日から3月15日まで休業することを発表。大相撲春場所も通常開催を断念し、「中止」か「無観客」を検討しています。最終的には、3月1日の理事会で決定するそうです。いよいよ、「東京オリンピック中止」が現実味を帯びてきました。



作家の百田尚樹氏は、すでに2月20日のツイートで、「もう東京オリンピックはないね」とつぶやき、「このまま感染が拡大すれば、プロ野球無観客試合になるね。もちろんオリンピックの開催は外国に。イベントやコンサートはことごとく自粛。それらもきついが、一番の問題は工場や会社が閉鎖されること。そうなれば日本経済は瀕死の危機。政府は1月の時点でこれらをシミュレートしていたのか!」と怒りをあらわにしました。百田氏いわく、武漢封鎖の時点で、日本政府は中国からの観光客を全面ストップすべきだったといいます。わたしも同感です。巷で言われているように習近平に遠慮したとしたら、あまりにも情けない! 



新型コロナウイルスの影響で政府が全国の学校に3月2日からの臨時休校を要請したことについて、金沢市の山野市長は「2日から休校はしない」と要請を拒否する考えを表明しました。素晴らしい英断だと思います。「総理の危機感は受け止めるが全校休校は政治家として市民に説明できない」と述べたそうですが、わたしは山野市長を見直しました。
名古屋市河村たかし市長も28日、「よく考えてみると、柔軟に考えたらどうかと。工夫しながらやればいい」と述べました。卒業式当日のみ登校し、短時間で行うよう求めるそうですが、これも正しい判断であると思います。それにしても、総理大臣の決断を市長たちが無視するというのは、すでに日本という国家のガバナンスは機能していませんね。



わたしは、全国の小中学校・高校を一斉に臨時休校にするという判断は、明らかに極端すぎると思います。東京五輪開催のための窮余の策なら、あまりにも馬鹿げている。本末転倒です。結婚式などのキャンセルも相次ぎ、冠婚葬祭業界も混乱していますが、1件の結婚式は五輪よりも重いのではないでしょうか。キャンセルをお考えの方は、延期ならいいですが中止は絶対にやめたほうがいいです。後で必ず後悔します。「内閣支持率の向上」や「五輪の利権」といったもののために人生の重大事を放棄してはなりません。
「オリンピックは平和の祭典」などと言いますが、結婚とは「最高の平和」であり、結婚式こそは「最高の平和のセレモニー」なのです!

儀式論』(弘文堂)

 

結婚式だけではありません。卒業式や入学式も大切なセレモニーです。拙著『儀式論』(弘文堂)でも述べたように、儀式は「こころ」を安定させる「かたち」です。卒業式や入学式や結婚式や葬儀を行わなければ、人間の「こころ」は不安定になるのです。不安定な「こころ」が増えれば、社会は崩壊します。相撲もスポーツというよりは神事すなわち儀式ですが、国技である大相撲の本場所をなくしてまでオリンピックを開催する必要がありますか! こうなったら、スローガンの「感動で私たちは一つに」どころじゃないでしょう。いま大きな話題になっている『AKIRA』の予言のセリフではありませんが、もう、中止だ中止! 



儀式といえば、皇位継承に伴う「大嘗祭」の中心的儀式が行われた皇居・東御苑で28日午前、儀式が無事終わったことなどに感謝する地鎮祭がありました。儀式後に解体された「大嘗宮」の跡地で行われ、宮内庁幹部らが参列したそうですが、よく考えてみたら、「平成」から「令和」に改元されて、何も良いことがないような気がします。誰が「令和」という元号を考えたのでしょうか。初の(しかも天皇陛下が60歳になられる記念すべき)天皇誕生日一般参賀も中止になりましたし・・・・・・とにかく、日本人は平常心を取り戻さなければりません。


決定版 年中行事入門』(PHP研究所)

 

もうすぐ、「ひな祭り」です。拙著『決定版 年中行事入門』(PHP研究所)にも書きましたが、「ひな祭り」などの年中行事は日本人の「こころ」の安定に必要な「生活の古典」です。派手なイベントよりも国民の平和な生活が第一。くれぐれも、アメリカのTV局の都合に合わせて運営されるような拝金主義のオリンピックの犠牲にしてはなりません。グローバルがすべてではないということを知りましょう!

 

2020年2月28日 一条真也