グリーフケアの本質  

一条真也です。
18日、早朝から松柏園ホテルの神殿で恒例の月次祭が行われました。皇産霊神社の瀬津神職が神事を執り行って下さり、祭主であるサンレーグループ佐久間進会長に続いて、わたしが社長として玉串奉奠を行いました。わたしは、会社の発展と社員の健康・幸福を祈念しました。

f:id:shins2m:20200218081039j:plain月次祭のようす

f:id:shins2m:20200218081545j:plain拝礼する佐久間会長

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わたしも拝礼しました

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神殿での一同礼!

f:id:shins2m:20200218083101j:plain天道塾での一同礼!

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訓話する佐久間会長

神事の後は、恒例の「天道塾」を開催しました。最初に佐久間会長が訓話を行いました。会長は会場を埋め尽くしたマスク姿の人々を見てギョッとしたようで、「新型コロナウイルスの感染が拡大していますが、接客業でマスクをすることの是非を考えてみましょう」と言って、「社長はどう思うか?」とわたしに質問しました。わたしは、「現在、全国の一流ホテルやタクシーでもみんなマスクをしています。マスクをしないのは国会中継に写る国会議員とTV出演中の芸能人と夜のお店の人たちぐらいです。現在のような場合、冠婚葬祭業ではマスクをするべきだと思います。お客様も、そのほうが安心です」と答えました。その後、会長は沖縄への想いや不老長寿などについて述べました。

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わたしが登壇しました

 

佐久間会長に続いて、わたしが登壇しました。わたしは昨日、取材を受けた「月刊フューネラルビジネス」のインタビュー内容を中心に話しました。わたしは、グリーフケアの普及が、日本人の「こころの未来」にとっての最重要課題と位置づけています。上智大学グリーフケア研究所客員教授として教鞭をとりながら、社内で自助グループを立ちあげグリーフケア・サポートに取り組んでいます。2020年からは、副会長を務める全互協と同研究所のコラボを実現させ、互助会業界にグリーフケアを普及させるとともに、グリーフケアの資格認定制度の発足にも取り組んでいます。全互協内にグリーフワークPTを発足させ、わたしが座長として2021年秋にグリーフケア資格認定制度を開始するべく活動を進めています。

f:id:shins2m:20200218090947j:plainグリーフケアの本質について話しました

 

それから「グリーフケア」の本質についての話をしました。グリーフケアの目的は主に2つあります。「死別の喪失に寄り添う」ことと「死の不安を軽減する」ことです。人間にとって最大の不安は「死」です。死の不安を乗り越えるために、人類は哲学・芸術・宗教などを発明し、育ててきました。哲学・芸術・宗教は「死の不安を軽減する」ために存在していると言っても過言ではなく、それらの偉大な営みが「グリーフケア」という一語のもとに集約されてきています。「こころの時代」と言われてきて久しいですが、「こころの時代」とは「死を見つめる時代」であり、「グリーフケアの時代」です。

f:id:shins2m:20200218091215j:plainグリーフケアと互助会について

 

グリーフケアが冠婚葬祭互助会にとってなぜ必要になっているのか」についても話しました。冠婚葬祭互助会は、結婚式と葬儀の施行会社ではなく、冠婚葬祭に係る一切をその事業の目的としています。確かに結婚式と葬儀を中心に発展してきた業界ではありますが、結婚式と葬儀のいずれも従来は近親者や地域社会で行なってきたものが、時代の流れにより対応できなくなり、事業化されてきたとも言えます。

f:id:shins2m:20200218092425j:plain「悲縁」を互助会が育てている!

 

グリーフケアについても、葬儀後の悲嘆に寄り添うということから考えると、まさに冠婚葬祭の一部分と言えると思います。このグリーフケアについても、従来は近親者や地域社会が寄り添いクリアしてきた部分でしたが、現在その部分がなくなり、今必要とされているのです。「血縁」や「地縁」が希薄化する一方で、遺族会自助グループに代表される「悲縁」を互助会が育てているとも言えます。

f:id:shins2m:20200218091500j:plainなぜ、グリーフケアを学ぶのか?

 

わが社の営業エリアのような地方都市においては、一般的に両親は地元に、子息は仕事で都市部に住み離れて暮らす例が多く、夫婦の一方が亡くなって、残された方がグリーフケアを必要とれる状況を目の当たりにすることが増えています。地域社会との交流が減少している中、葬儀から葬儀後において接触することが多く故人のことやその家庭環境が分かっている社員が頼りにされるという状況も増えています。互助会としては、このような状況を放置することはできません。しかしながら、グリーフケアの確かな知識のない中、社員の苦悩も増加しており、グリーフケアを必要とされている方はもちろん、社員そして会社のために必要です。

f:id:shins2m:20200218091136j:plain互助会のCSRを!

 

次に、 「冠婚葬祭互助会がグリーフケアに取り組むことで、地域社会との関係がどのように変わっていくか」について話しました。グリーフケアにとどまらず、地域社会が困っていることや必要としていることに関わっていくのは、冠婚葬祭互助会のような地域密着型の企業にとっては事業を永続的に続けていくために必要なことです。それは社会的責任(CSR)を果たすことにつながり、地域に認められる存在となる重要なキーポイントだと思います。この日は、以上のような話をしました。

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沖縄からの中継のようす

f:id:shins2m:20200218102255j:plain最後は、もちろん一同礼!

 

その後、サンレー沖縄の佐久間康弘社長からの話があり、天道塾は終了しました。わたしは、そのまま北九州空港へ。スターフライヤーで東京に飛びます。今日は、各種の打ち合わせ。明日は全互協の正副会長会議および正副会長委員長会議、および互助会保証の監査役会打ち合わせなどに参加します。新型コロナウィルスの感染拡大の中、出張するのは気乗りしませんが、「天下布礼」のために頑張ります!

 

2020年2月18日 一条真也