北九州の成人式 

一条真也です。
13日の「成人の日」の前日となる12日、何かと話題の北九州市の成人式が行われました。来賓として招待されたわたしは、会場の北九州メディアドームを訪れました。今年の北九州市では9576名が新成人となりましたが、今日はあいにくの雨でした。

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会場となった北九州メディアドーム

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来賓受付前で

ブログ「成人式 IN 北九州」で紹介したように、3年前にも、わたしは来賓で招待されました。そのときは「天下布礼」の幟を持って参加しましたが、今回は幟は持参しませんでした。来賓席では、小倉北区の北里区長とご一緒でした。北里区長のお嬢さんとわたしの次女が同級生で、以前から親しくさせていただいています。

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来賓席にて

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小倉北区の北里区長と

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会場内のようす

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会場内のようす

 

3年前を思い起こすと、予想していたのとはまったく違い、会場内の新成人たちはみな静聴していました。会場に入る前は「儀式を壊す者がいたら、俺が許さん!」と意気込んでいたのですが、杞憂でした。これまでは先に式典が行われて、その後にアトラクションでしたが、今年はアトラクションが先で、式典が後でした。

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今年はアトラクションが先でした

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「令和最初の大抽選会」のようす

 

11時半から開始されたアトラクションでは「令和最初の大抽選会」が行われましたが、ご当地ヒーローであるキタキュウマンが司会を務めました。阪急フェリーの大阪行きペア券が当たった新成人の男性に、キタキュウマンが「大阪ではどこに行きたいですか?」と聞いたところ、彼がすかさず「飛田新地です!」と叫んだのには笑いました。こういう切り返しが即座にできるとは、頭の回転が速い証拠ですね。

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大抽選会のラストは・・・

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われらが松柏園ホテルのディナー&宿泊券!!

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俺に当ててくれ!!

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松柏園のディナー&宿泊券、大人気!!

 

「令和最初の大抽選会」のラストは、われらが松柏園ホテルのディナー&宿泊券でした。賞品が発表されると同時にものすごい歓声が起こって、わたしはニンマリしました。会場で最も「当ててくれ!」パフォーマンスをした人にカメラがズームアップしていき、最後に当選者にフォーカスする抽選会だったのですが、みなさん、ものすごくノッてパフォーマンスをしてくれました。当選したのは真面目そうな青年でしたが、とても嬉しそうで良かったです。

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三村監督のビデオメッセージ

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泉谷しげるさんのビデオメッセージ

 

大抽選会の後は、「航路(みらい)をひらく君たちへ」として、北九州市出身の有名人たちによるビデオ・メッセージが上映されました。何人か登場しましたが、わたしの知らない人ばかりでした。でも、親しくさせていただいている映画監督の三村さん、ミュージシャンの泉谷しげるさんのメッセージは興味深く聴きました。ちなみに、映画「君は一人ぼっちじゃない」完成披露試写会」で紹介したように、わたしは三村監督の映画に出演した経験があります。やはり舞台は北九州でした。

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12時から式典がスタート!

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最初は国家を斉唱♪

f:id:shins2m:20200112120641j:plain次に市歌を斉唱♪


アトラクションの後は、式典が12時から開始。最初に国家、市歌を斉唱した後、北九州市長の祝辞、続いて来賓代表として北九州市会議長の祝辞がありました。3年前と同様に今年も、新成人たちは礼儀正しく清聴していました。

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北橋市長による祝辞

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新成人にお祝いのメッセージを述べました

 

市長と市会議長の祝辞の後は、男女2人の新成人が、両親や周囲の人々への感謝の言葉を述べました。成人式に限らず、結婚式でも葬儀でも、通過儀礼というのはすべて「感謝」の心を表す場なのです。男性は「最後の最後に付き合っている彼女に『大好きだよ!』と伝えたいです」と述べましたが、爽やかでとても好ましく感じました。突然のサプライズに彼女も喜んだことでしょうね。

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挨拶する新成人

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挨拶する新成人

 

冠婚葬祭業であるわが社にとって、成人式はビッグイベントです。各地で運営するホテルや結婚式場でも振袖のレンタルを行っており、数多くの新成人のみなさんのお手伝いをさせていただきます。当日は早朝からヘアメークや着付けを行うため、現場スタッフはほぼ徹夜で準備からお見送りまでを行います。

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新成人の挨拶を聴きました

 

しかし、ここ数年来、北九州市の成人式は「派手すぎる」と注目を浴びてきました。その様子はテレビのワイドショーを通じて全国に流されました。金銀の羽織袴や花魁姿で傍若無人に振る舞う新成人が話題を呼びました。その異様な姿が多くのメディアで取り上げられ、あろうことかインターネット上では「安定のヤンキー文化」「修羅の国」などと正月の風物詩(?)として拡散していました。まったく、情けないかぎりでした。

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今年の実行委員会メンバーが勢揃い!

 

実際に彼らに接すると、服装は派手でも顔を見ると気の良さそうな若者が多かったです。わたしは、「これは仮装大会のようなもので、ハロウィーンと同じだな」と思ったものです。でも、暴力団追放運動がようやく実を結んだ北九州市にとっては、ヤンチャな彼らの姿が報道されることは大きなイメージダウンとなります。はっきりと言わせてもらいます。わたしどもがお手伝いをさせていただいているお客様に「修羅の国」のようなスタイルをした方は1人もいません。早朝眠い目をこすりながら家族とともに来館され、着付け後は晴れやかな笑顔で家族や友人たちと記念撮影をする姿はとても微笑ましいものです。

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3年前のようす

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3年前のようす

修羅の国」は新成人たちだけのせいではありません。「大人になったことを自覚し、自ら生き抜こうとする青年を祝い励ます」という成人式の趣旨を無視し、「稼ぐこと」に特化した一部の貸衣装業者による「間違えた差別化」がこのような現象を起こしています。また一部の事象のみを面白おかしく報道するマスメディアの姿勢にも問題があります。いずれにせよ、大人たちの商売の都合で、一生に一度の晴れの日を「修羅の日」にしてはなりません。

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わが社が仕掛けた「おそうじ大作戦」

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今年は雨で中止でした。残念!

 

数年前、わたしは市の青少年課に連絡し、成人式の正常化への全面協力を訴えました。伏線として、かつて沖縄の「荒れる成人式」を、わが社の新成人が清掃活動によって変えた実績がありました。そして北九州でも、会場周辺で取り組む「おそうじ大作戦」を開始。オリジナルデザインのゴミ袋も製作、市に寄贈しました。今年も、式典終了後に「おそうじ大作戦」が予定されており、特に今年は初の七区対抗ということで、大いに盛り上がるはずでしたが、あいにくの雨で中止になってしまいました。まことに残念です。

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新成人のみなさん、おめでとう!

 

一方、雨で修羅のいでたちで騒ぐ輩の姿はまったく見られませんでした。駆けつけたマスコミも肩すかしを喰った格好になりましたが、いい気味です!(笑)今年は、例のど派手衣裳もほとんど見当たりませんでした。確実に、北九州の成人式が変わってきました。儀式に関わる者として、嬉しいかぎりです。

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次女の晴れ着姿が眩しかったです!

 

ちなみに、北九州メディアドームには、わたしの次女の姿もありました。次女は東京の大学に通っているのですが、今年、新成人となったのです。娘の晴れ着姿は、やはり眩しく、感慨深かったです。改めて、成人式とは親にとっても大切なものであると痛感しました。次女の中学の卒業式のとき、わたしが父兄代表として謝辞を述べたことを思い出しました。やはり、セレモニーはいいものです。記憶に残ります。儀式なくして人生なし!

 

2020年1月12日 一条真也