上智&國學院オープンカレッジ募集

一条真也です。
わたしは一般社団法人 全日本冠婚葬祭互助協会(全互協)の儀式継創委員会の担当副会長を務めていますが、このたび産学共同プロジェクトとして、上智大学および國學院大學とのコラボで両大学のオープンカレッジを開催する運びとなりました。コーディネーターを務めていただく上智大学大学院の実践宗教学研究科委員長である島薗進先生、國學院大學の副学長である石井研士先生、そして浅井秀明委員長(出雲殿社長)をはじめとする全互協・儀式継創委員会のみなさんのご尽力によるものです。

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2019年度 
上智大学大学院実践宗教学研究科 
死生学公開講座
「死に向き合うアートと儀礼

 

日時

第1講・第2講 2020年2月29日(土)
13:30〜15:00、15:15〜16:45

第3講・第4講 2020年3月21日(土)
13:30〜15:00、15:15〜16:45

第5講・第6講 2020年3月28日(土)
13:30〜15:00、15:15〜16:45

 

会  場:上智大学 10号館講堂
主  催:上智大学大学院実践宗教学研究科
共  催:上智大学グリーフケア研究所
後  援:一般社団法人 全日本冠婚葬祭互助協会
                  一般財団法人 冠婚葬祭文化振興財団 
                  互助会保証株式会社

募集期間:2020年1月8日(水)〜2月12日(水)まで

募集定員:400名(定員に達し次第、締め切ります)

受 講 料:一般 12,000円
                 グリーフケア人材養成講座受講生・修了生10,000円
                 上智大学学部学生、大学院生 無料
                 全6回通期受講のみ、1日または1回の受講はできません

講義スケジュール

■2020年2月29日(土)13:30~15:00
第1講 島薗 進
「日本人の死の受け止め方」
上智大学大学院実践宗教学研究科教授、同グリーフケア研究所所長、日本臨床宗教師会会長、東京大学名誉教授、専門:宗教学、死生学、日本宗教史。著書:『ともに悲嘆を生きる』(2019年)、『日本人の死生観を読む 明治武士道から「おくりびと」』(2012年)など。

■2020年2月29日(土)15:15~16:45
第2講 金田 諦應
「臨床宗教師と傾聴の力」
宮城県栗原市通大寺住職、一般社団法人日本臨床宗教師会副会長、東北大学大学院 実践宗教学寄附講座 運営委員長、東日本大震災後、カフェ・デ・モンクを主宰。著書:『傾聴のコツ:話を「否定せず、遮らず、拒まず」』(2018年)

■2020年3月21日(土)13:30~15:00
第3講 若松 英輔
「死と美と祈り――アートしての儀礼
批評家・随筆家。東京工業大学リベラルアーツ研究教育院教授。『叡智の詩学 小林秀雄井筒俊彦』にて西脇順三郎学術賞、『詩集 見えない涙』にて詩歌文学会賞、『小林秀雄 美しい花』にて角川財団学芸賞、第16回蓮如賞を受賞。

■2020年3月21日(土)15:15~16:45
第4講 美谷島 邦子
「ともに悲嘆を分かち合う集い」
日航ジャンボ機御巣鷹山墜落事故(1985年)遺族。「8・12連絡会」事務局長。2015年に「いのちを織る会」を立ち上げ、事故、災害、自死等の遺族の支え合いと「いのちの教育」等への貢献の活動を行う。著書:『御巣鷹山と生きる』など。

■2020年3月28日(土)13:30〜15:00
第5講 森 裕子
カトリック教会の死者のための祈りと音楽」
上智大学神学部教授。エリザベト音楽大学にて博士学位取得。専門:美学・芸術諸学、音楽学キリスト教音楽美学。西欧中世のキリスト教音楽の実践と理論の関わり。第2ヴァチカン公会議前後の詩編唱改革を研究。編著:『生命の倫理と宗教的霊性』(2018年)など。

■2020年3月28日(土)15:15〜16:45
第6講 鎌田 東二
儀礼とアートの関わり」
上智大学グリーフケア研究所特任教授、京都大学名誉教授。宗教学、民俗学、哲学、倫理学、日本思想史、比較文明学。著書:『日本人は死んだらどこへ行くのか』(2017年)、『言霊の思想』(2017年)など。

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「コーディネーターからのメッセージ」として、上智大学大学院実践宗教学研究科委員長の島薗進先生が以下のように述べられています。
「死別の悲しみは深くつらい。他社にはなかなか話せないし、共感してくれる人もなかなかいない。だが、悲しみをともに分け持ってくれる場や所作はあった。伝統的には儀礼が大きな力となった。通夜や葬儀、入棺や出棺、墓参りやグリーフケアへの関心が高まっている。かつてはグリーフケアというような言葉は使われなかった。グリーフケアが果たす役割をかわりに果たしていたのは儀礼である。儀礼のなかで涙を流す場がかつては豊富にあった。それが癒しにも、弔いの心の熟成(喪の仕事)にも繋がった。現代社会では死に向き合う儀礼、また、悲しみを分かち合う儀礼の働きが見失われがちだ。死に向き合う儀礼の働きを、また、生老病死に関わるさまざまな儀礼の働きを見直してみる必要がある。また、儀礼のなかにも織り込まれていたアートの力に注目する。現代社会では儀礼の枠の外でのアートがますます大きな力を発揮するようになっている。音楽、美術、詩歌、物語が死に向き合うとき、また、悲しみを受け止めていくとき、どのように作用するのかについても考えていきたい」

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島薗進先生と

 

2020
國學院大學オープンカレッジ特別講座

1.講座名

特別講座「死後の世界-死ぬことと生きること-」

2.講座内容

人類の歴史を見ていると、ネアンデルタール人の時代から「死後の世界」に対する関心が存在したことがわかります。その後時代を経て様々な宗教が発生しましたが、どの宗教も「死後の世界」について言及しています。
ところで、現代日本に住む私たちは、特定の宗教に依拠することができず、死後の世界も曖昧です。私たちの理性は、天国や地獄といった世界を容易に信じることを拒否しています。それでも「いつかは死ぬ」わけですから、死後の世界が気にならないわけはありません。世界の諸宗教がどのような死後の世界を描いてきたか、ネアンデルタール、クロマニヨン、ギリシャ・ローマ、ゾロアスター教、仏教、キリスト教神道、そして現代日本の「よみがえり」について考えることで、よりよく生きる手がかりを探したいと思います。

3.講師陣と講義タイトル(敬称略)

  ■第1回 5月29日(金)
  【テーマ】イントロ:三つの「死者の書」から
       【講 師】國學院大學教授  石井研士

  ■第2回 6月12日(金)
       【テーマ】天国、地獄と煉獄-キリスト教の死後観
  【講 師】東京大学 名誉教授  鶴岡賀雄

  ■第3回 7月10日(金)
  【テーマ】神道の幽冥観
  【講 師】國學院大學教授  松本久志

  ■第4回 10月9日(金)
  【テーマ】輪廻と転生、解脱-仏教における生死
  【講 師】國學院大學名誉教授  宮元啓一

  ■第5回 11月13日(金)
  【テーマ】現代における「よみがえり」
  【講 師】國學院大學教授  石井研士

       ※コーディネーター 石井研士教授

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石井研士先生と

 

上智といえば、カトリックにおける日本の最高権威であり、國學院といえば神道における最高権威ですが、今回は宗教の垣根を越えて、自由に儀式やグリーフケアについて語り合っていく内容となっています。両大学の講師陣を合わせれば、日本の宗教学のオールスター勢揃いともいえる豪華なメンバー構成になっています。「オープンカレッジ」の名前の通りに、どなたでもオープンに参加できますので、どうぞ奮ってご参加下さい!

 

2019年12月20日 一条真也