冠婚・衣裳責任者会議

一条真也です。
26日の午後から、サンレーグループ冠婚・衣裳責任者会議が開催されました。会場は、松柏園ホテルバンケットザ・ジュエルボックス」でした。各地から、わが社の誇る“むすびびと”たちが集結しました。

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最初は、もちろん一同礼!

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令和の結婚ブームを起こそう!

 

17時から、わたしが「社長訓話」を行いました。
わたしはまず、「令和の時代を迎えて、『令和婚』という言葉が生まれましたが、自民党小泉進次郎衆院議員とフリーアナウンサー滝川クリステルさんの結婚報道には驚きました。滝川さんは妊娠しており、年明けに出産の予定だとか。本当に、おめでたいお話です。お似合いのお二人ですし、心から祝福したいと思います。このビッグカップル誕生をきっかけに、令和の日本に結婚ブームが起こることを願っています」と述べました。

f:id:shins2m:20190826171925j:plain模擬結婚式について

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「読売新聞」2019年8月24日朝刊

 

23日には松柏園ホテルで、恒例の「夏休み!親子でウェディンぐ体験会」を行いました。今年は北九州市内から小学生と保護者ら約70人が参加。子どもたちは結婚式の参列者になりきり、チャペルで賛美歌を歌ったり、フラワーシャワーに参加したりしました。近くの富野小学校5年生の奥平千奈さんは「新婦のドレスがきれいなのにびっくりした。私も松籟(結婚式を)やってみたい」と語っていました。こういったイベントを通じて、子どもたちに結婚式の素晴らしさ、魅力を伝えていくことは非常に大切だと思います。

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結婚不要社会について

 

それから、ブログ『結婚不要社会』で紹介した本の話をしました。著者である社会学者の山田昌弘氏は「婚活」という言葉の生みの親でもありますが、「好きな相手が経済的にふさわしいとは限らない 経済的にふさわしい相手を好きになるとも限らない、しかも結婚は個人の自由とされながら、社会は人々の結婚・出産を必要としている・・・・・・これらの矛盾が別々に追求されるとき、結婚は困難になると同時に不要になるのである」と述べています。

 

結婚不要社会 (朝日新書)

結婚不要社会 (朝日新書)

 

 

また、山田氏は「戦後は恋愛結婚が普及し始めると同時に、見合い結婚変質し始めます。特に、上流階級が見合いという名のもと、有無を言わせず『取り決め』で結婚を遂行していたのが、会う前でも断れるし、会ってからでも断れるという『断る自由』のある見合いを許容しだします。つまり、戦後の見合い結婚というものは、恋愛結婚に限りなく近いわけです。紹介してくれるのが仕事の上役や親族というだけで、相手に会う前も会ってからも、交際を始めてからでも『断る』ことができます」と述べています。

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告白文化の弊害について

 

さらに、山田氏は「要するに、高度成長期には『出会い』が十分にあったので、皆婚社会が成立したというわけです。団塊の世代くらいまでは、ほとんどの人が結婚できました。1970年代くらいまではそうなのですが、結婚後の生活を想像できるということも大きかったでしょう」と述べ、「『告白文化』の弊害」として、「私は以前から、知り合った相手に『つき合ってください』『わかりました、つき合います』といった、告白をしなければ恋愛関係に発展しない告白文化が、今日の若者たちの恋愛の活発化を妨げている要因の1つではないか、と主張しています」と述べます。

 

困難な結婚

困難な結婚

 

 

そして、山田氏は「欧米は、幸せに生きるためには親密なパートナーが必要な社会です。結婚は不要だけれども、です。それに対して日本は、配偶者や恋人のような決まったパートナーがいなくても、なんとか幸せに生きられる社会になったのです。これが私の結論です」と述べるのでした。しかし、わたしたちは、「結婚不要社会」などを肯定するわけにはいきません。わたしは、以前にも取り上げたブログ『困難な結婚』で紹介した本の話をしました。著者である哲学者の内田樹氏によれば、結婚しておいてよかったとしみじみ思うのは「病めるとき」と「貧しきとき」です。結婚というのは、そういう人生の危機を生き延びるための安全保障です。結婚は「病気ベース・貧乏ベース」で考えるものだというのです。

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結婚とは安全保障である

 

同書で、内田氏は以下のように述べています。

・結婚とは安全保障である。

・「もっと良い人」はいません

・今より幸せになるために結婚してはいけません

・結婚生活を愛情と理解の上に築いてはならない

・「よくわからない人」だから素晴らしい

f:id:shins2m:20190826170224j:plain夫婦は世界で一番小さな互助会!

 

わたしは、基本的に内田氏の発言に賛同しつつも、夫婦の本質である「安全保障」を別の四文字熟語で置き換えたいと思います。それは「相互扶助」です。「相互扶助」を二文字に縮めれば、「互助」となります。そう、互助会の「互助」です。そういうふうに考えれば、夫婦というのは、じつは互助会であることに気づきます。かつて、童話の王様アンデルセンは「涙は世界で一番小さな海」という言葉を残していますが、わたしは「夫婦は世界で一番小さな互助会」と言いたいです。

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広瀬すずの白無垢姿について

 

それから、ブログ「なつの白無垢姿を見て」にも書いたように、NHK「連続テレビ小説」第100作目の「なつぞら」の第114回に、広瀬すずの白無垢姿が登場しました。わたしはNHKオンデマンドで観ましたが、そのあまりの美しさと感動のドラマに、涙腺が大いに緩んでしまいました。広瀬すず演じるなつが結婚式の当日、白無垢姿で、草刈正雄演じる祖父・泰樹のいる牛舎へと向かいます。なつは「じいちゃん、長い間お世話になりました」とあいさつすると、泰樹は「ありがとうな」と感謝の言葉で返答します。

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結婚式も花嫁衣裳も感謝の「かたち」

「ありがとうはおかしいべさ。育ててくれた、じいちゃんが」と驚くなつに、さらに泰樹は「わしもお前に育ててもろた。たくさん、たくさん、夢をもろた」と告げ、「ありがとう。おめでとう、なつ」と涙を流ました。これを見てもわかるように、花嫁衣裳を着たり、結婚式の場面では、「ありがとう」の応酬になるのです。人間として、こんなに素晴らしいことが他にあるでしょうか。まさに、結婚式とは両親や祖父母やご先祖様への最高の感謝の「かたち」なのです。

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広瀬すずの「ゼクシイ」CMを流しました

 

それにしても、広瀬すずの白無垢姿が美しかった!
彼女は結婚情報誌「ゼクシイ」の第7代CMガール(2014年~15年)でしたので、そのウェディングドレス姿は見たことがありました。もちろん美しいのですが、モデルを務めた当時の彼女はまだ16歳ぐらいだったこともあり、「ちょっと花嫁さんにしては若いな」と思った記憶があります。現在の彼女は21歳ですが、白無垢姿の似合うこと、似合うこと。神々しささえ感じます。わたしは、「日本人は和が似合う」という自分の信条を再確認しました。

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日本人には和が似合う!

 

結婚式のとき、韓国の人たちはチョゴリを着ますし、インドの人たちはサリーを着ます。その他、タイ、ミャンマーハンガリーウクライナ、そしてイスラム圏・・・・・・世界中の人々が、結婚式では自分たちの民族衣装を身にまとうはずです。そう考えると、日本の結婚式には、やはり和服がないと物足りないように思います。言うまでもなく、和服は日本の民族衣装です。日本人の女性は和装が一番似合い、一番美しく見えるのは当然なのです。そもそも肌の色や体形に合わせて、日本の女性を最も美しく見せるようにデザインされたものが和服だからです。

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浜辺美波の「京都きもの友禅」CMを流しました

 

新婦だけではありません。新郎の和装姿は「侍」を連想させ、男ぶりを大いに上げます。ぜひ、これから結婚式を予定されている方は和装にしてほしいものです。「日本人には和が似合う」といえば、現在、京都きもの友禅のCMでは、広瀬すずに続く若手人気女優の浜辺美が明治・大正・昭和・平成・令和の5つの時代の振袖姿を披露しています。彼女は現在18歳ですが、おそらくは20歳になったら、NHK朝ドラで主演を務めると思います。

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「こころ」を豊かにする「かたち」とは

 

ブログ「冠婚・衣裳責任者会議」で紹介した今年2月26日の訓話では、わたしは「あと2ヶ月で平成が終わります」と言いました。そして、「平成が終わって新元号となったとき、あらゆる『時代遅れのもの』が一気に消え去ります。もちろん、結婚式や葬儀、七五三や成人式などは消えてはならないものです。それらは『こころ』を豊かにする『かたち』だからです」とも言いました。

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「かたち」があるから「こころ」が収まる

 

人間の「こころ」は、どこの国でも、いつの時代でも不安定。だから、安定するための「かたち」すなわち儀式が必要なのです。そこで大切なことは先に「かたち」があって、そこに後から「こころ」が入るということ。逆ではダメです。「かたち」があるから、そこに「こころ」が収まるのです。

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「こころ」を安定させるために「かたち」がある!

 

人間の「こころ」が不安に揺れ動く時とはいつかを考えてみると、子供が生まれたとき、子どもが成長するとき、子どもが大人になるとき、結婚するとき、老いてゆくとき、そして死ぬとき、愛する人を亡くす時などがあります。その不安を安定させるために、初宮祝、七五三、成人式、長寿祝い、葬儀といった一連の人生儀礼があるのです。誰かの口上ではありませんが、人生は祭りの連続でございます。

f:id:shins2m:20190826175211j:plain人生は祭りの連続でございます!

 

なつぞら」第114回に登場したなつと夕見子の合同結婚披露宴のシーンも良かったですね。とても昭和の香りがしました。思うに、令和の「和」は昭和の「和」ですが、令和になって各所で昭和リバイバルが同時多発で起こっているように思います。平成はオウム真理教事件や大災害などで暗いイメージがありましたが、令和になって一気に明るくなったような気もします。

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昭和の結婚式に学べ!

 

ヘーゲル弁証法で言えば、昭和が「正」で、平成が「反」、そして令和が「合」なのでしょうか。わたしは、平成の時代の出来事で最も乗り越えるべき現象は「無縁社会」だと思います。ちなみに、昭和の結婚披露宴といえば、「男はつらいよ」の第1作では、さくらと博と感動的な披露宴が行われました。寅さんのセリフもこの上なくハートフルで、泣けます。結婚式で最も大切なのは「こころ」です。最後に、この動画を流して、「結婚は最高の平和です!」と述べ、訓話を終えました。

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最後は、もちろん一同礼!

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懇親会のようす

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冒頭に挨拶する佐久間会長

 

社長訓話が終わった後は、松柏園の大広間で懇親会が開かれました。最初に佐久間会長が挨拶し、「全国的に業界では冠婚の勢いがなくなっているようです。わが社のみなさんはよく頑張ってくれてはいますが、もう少し知恵を出して、チャレンジしていただきたいよ思います。わが社の仕事は、冠婚・葬祭・互助会からなる三位一体の事業です。三方良しの精神で頑張りましょう。今の日本が最も困っている問題は、少子高齢化です。婚活で世直しをしながら、わが社の冠婚部門の発展にもつなげていただきたい!」と述べました。

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わたしも挨拶しました

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乾杯の挨拶をする玉中常務

 

次に、わたしが「今日も話しましたが、日本人の結婚観が大きく変わり、結婚式のスタイルも変わっていきます。しかし、結婚が必要であることは言うまでもありません。何よりも、夫婦とは『世界で一番小さな互助会』であることを再認識して、夫婦作り、そして人生最良の日のお手伝いをしたいものです。ブライダルは『こころの仕事』です!」と述べました。それから、玉中常務の音頭で乾杯しました。

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いただきます!

f:id:shins2m:20190826193243j:plain最後は「末広がりの五本締め」で

 

各地から参集したみなさんは、お酒や料理を楽しみながら会話の花を咲かせました。最後は、北陸本部の小久保事業部長による中締めの挨拶でした。小久保事業部長は、サンレー オリジナルの「末広がりの五本締め」で締めました。これをやると、みんなの心が本当に1つになる気がします。その後も、松柏園のラウンジで二次会を開催。わが社のコンパは和気あいあいと続きました。翌日からは東京へ。27日に開催される冠婚葬祭文化振興財団の評議員会に出席します。

f:id:shins2m:20190826193838j:plainこれが、サンレー ・コンパだ!!

 

2019年8月27日 一条真也