盆踊りで有縁社会再生  

一条真也です。
20日の朝、福岡空港からANA1275便で仙台空港へ。21日から仙台で全互協の第10回総会および関連行事が開催されるので、副会長として現地入りするのです。
この日、「西日本新聞」に「令和こころ通信 北九州から」の第8回目が掲載されました。月に2回、本名の佐久間庸和として、「天下布礼」のためのコラムをお届けしています。今回のタイトルは「盆踊りで有縁社会再生」です。

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西日本新聞」2019年8月20日朝刊

 

みなさんは、お盆をどのように過ごされたでしょうか。仏教行事としてのお盆は、釈迦の弟子だった目連の母親が餓鬼道に落ちた時、釈迦の教えに従って多くの僧たちを供養することで、母を救ったところからはじめられたものだといいます。現在では、お盆は神仏や先祖の御恩に感謝し、先祖をしのぶ行事であり、それぞれの地域の特性を出しながら、日本各地で行われています。

 

さて、夏の風物詩といえば、盆踊りです。もともとはお盆の行事のひとつとして、ご先祖さまをお迎えするために始まったもの。照明のない時代には、盆踊りはいつも満月の夜に開かれたといいます。太鼓と「口説き」と呼ばれる唄に合わせて、会場の中央にすえられたやぐらの周りをみんなが踊るのです。地域によっては、初盆の家を回って踊るところもありました。

 

盆踊りは同時にみんなで集まって踊ることで地域の結びつきを深めたり、また、帰省してきた人との再会の場や、男女の出会いの場としての役割を果たしていました。本来、盆踊りは旧暦7月15日すなわち満月の夜に行われていました。先祖が見下ろす月明かりの中で、子供たちははしゃぎ、大人たちは様々な思いを胸に踊っていたのです。

 

8月3日、わたしは北九州市八幡西区のサンレーグランドホテルの中庭で開催された盆踊りに参加しました。同ホテル内には北九州紫雲閣というセレモニーホールが入っています。紫雲閣グループでは、「セレモニーホールからコミュニティセンターへ」をスローガンとして掲げています。「葬儀をする施設」から「葬儀もする施設」への転換を目指しているわけですが、その具体的実践として、北九州紫雲閣では毎年、盆踊り大会を開催しています。

 

今年も、地元の町内会や婦人会を中心に700人を超える方々が集まりました。この日は、焼きそば、たこ焼き、からあげ、かき氷などの屋台コーナー、スーパーボールすくい、金魚すくい、射的などの縁日コーナー、さらに歌謡ショーやキッズダンスなどもあって、大変な盛況でした。今は先祖供養という色合いよりも、夏祭りの行事の代名詞となりました。

 

老若男女が音楽で心をひとつにして踊る様を見ていると、そこには地域社会の「つながり」を感じます。小袖や浴衣など、日本の伝統衣装に身を包み、一心不乱に手足を動かして踊れば、わたしたちを遠いご先祖さまとも結びつけてくれます。 まさに、「地縁」と「血縁」を結び直してくれる盆踊りは、無縁社会を乗り越え、有縁社会を再生させる力を秘めています。わたしは、日本中で盆踊りを開催したいです!

 

2019年8月20日 一条真也