終活読本「ソナエ」夏号

一条真也です。
東京に来ています。気温35度で、とても暑いです。
終活ブームが続いているようですが、終活専門誌の「ソナエ」(産経新聞出版社)も注目を集めています。その最新号(2018年夏号)が出ました。


終活読本「ソナエ」2018年夏号(Vol.21)の表紙



表紙の写真は、葬祭学校出身という経歴を持つ女優の檀蜜さんです。
「実例集 こだわりの家族葬」「一点豪華なアクセント/価値あるお別れ実例集」「『値段』より『気持ち』/手づくりで生涯を演出」「葬祭学校出身 壇蜜『ミトリスト』になりたい」「認知症 いますぐできる対処法」「ルポ 再起をかけた西城秀樹の闘病生活」「老後破綻回避の教科書 読んで得する年金入門」といった活字も躍っています。また、創刊5周年の別冊付録として、「恥をかかない弔問のマナー集」が付いています。



ソナエ」には、わたしもコラムを連載しています。その名も「一条真也の老福論」。「人生の終い方」から「人生の修め方」へ・・・・・・豊かな「老い」と「死」を迎えるためのヒントを毎回ご紹介してきましたが、今回で最終回となります。というのも、同誌が5周年を迎えて誌面一新することになり、すべての連載執筆陣が入れ替わることになったのです。
創刊間もない頃からずっと書いてきた連載が終了するのは感慨深いものがありますが、来月からWEB「ソナエ」で「一条真也の供養論」というコラムを連載することになりました。どうぞ、お楽しみに!


一条真也の老福論」第16回



ということで、「一条真也の老福論」の最終回(第16回)のタイトルは「グリーフケアの時代」です。今春から、上智大学グリーフケア研究所客員教授に就任しました。わたしは、グリーフケアの普及こそ、日本人の「こころの未来」にとっての最重要課題だと考えています。わが社でも早くからグリーフケア・サポートの重要性を説き、葬儀のご遺族の自助グループである「月あかりの会」を立ちあげてサポートさせていただいてきました。



グリーフケアとは広く「心のケア」に位置づけられますが、「心のケア」という言葉が一般的に使われるようになったのは、阪神・淡路大震災以降だそうです。被災した方々、大切な人を亡くした人々の精神的なダメージが大きな社会問題となり、その苦しみをケアすることの大切さが訴えられました。葬祭業界においても、グリーフケアの重要性は高まってゆく一方です。わたしは、葬祭スタッフがグリーフケアを実践することによって、日本人の自殺やうつ病患者の数を減らせるとさえ考えています。



わたしは、多くの日本人にとって「誰が亡くなっても悲しくない」という時代が訪れつつあることを強く感じています。結局は「愛」の問題かもしれません。誰かが死んで悲しくないのは、その人への愛がないからだと思います。肉親の葬儀さえ行わない人もいますが、そこには愛がないのでしょう。
「ソナエ」は「終活」の専門誌ですが、誰かが亡くなった後、葬儀やお墓や相続などの「かたち」の問題だけでは済みません。そこには必ず死別の悲しみという「こころ」の問題がついて回るのです。わたしは、これからも、グリーフケアについて考え、実践し、その普及をめざしたいです。

*8月3日、WEB「ソナエ」で「一条真也の供養論」が始まります。


2018年7月18日 一条真也