葬儀もできる古民家施設

一条真也です。
ブログ「『CORI』取材」で紹介したように、2月2月に「CORI」春号の取材を受けました。「CORI」は、冠婚葬祭や儀礼文化に関する内外の動向、互助会の事業・社会活動の紹介をはじめ、研究者・専門家の意見、冠婚葬祭総合研究所の調査研究成果などで構成されています。

「CORI」2018年春号の表紙



ブログ「冠婚葬祭研究所設立披露パーティー」でも紹介したように、わたしは同研究所の客員研究員を務めています。「CORI」創刊号の「客員研究員のご紹介」のページには、わたしが一条真也として紹介されています。
しかし、今回は株式会社サンレー社長の佐久間庸和としてインタビュー取材を受けました。「施設訪問」のコーナーで、テーマは「『くさみ三礼庵』立ち上げへの思いと施設の特徴について」でした。


「CORI」2018年春号



記事は「くさみ三礼庵」「葬儀も出来る古民家施設を通して 高齢者のコミュニティづくりの場を提供」の見出しで、「全国の政令指定都市の中でも最も高齢化が進む福岡・北九州に、古民家を利用した、葬儀もできるコミュニティハウスがオープン。縁をつむぐお手伝いをする”場“は、いかにして作られたのか」というリード文に続いて、以下のように書かれています。
「北九州・小倉の南東に位置し、日豊本線の朽網駅から車で5分。住宅地の高台に一軒建つ、堂々たる古民家が、『くさみ三礼庵』だ。
1500坪の広大な敷地に建つ築40年近い日本家屋は、手入れが行き届き、庭の豊かな緑も目に優しく、まるで自宅にいるような安らぎを感じさせてくれる。2017年10月にオープンしたこの施設は『葬儀場』ではなく、『コミュニティハウス』と銘打つ。運営する株式会社サンレー代表取締役社長の佐久間庸和氏は、その理由をこう説明する。
『大型葬儀の時代が終わり、互助会の役割は「豊かな老後のお手伝い」に変わった。場所を通してコミュニティの活性化に取り組み、生きがいを提供することは、互助会やホールの周知にもつながる』
葬祭会館『紫雲閣』を全国71カ所に展開し、従来からセレモニーホールを使ったカルチャー講座や交流会を開催してきた同社は、地域の自治会との連携などにも長年取り組んできた。そのノウハウが、今回の『くさみ三礼庵』への挑戦につながっている。あくまでも、『コミュニティハウスで、葬儀“も”できる』という位置づけ。平時は、茶道や華道の教室を開くほか、地域の集いのために無償で提供している。
施設のメインとなるのは、1階の大広間。三つの和室を合わせて24畳あり、自然光が柔らかく射し込む心の安らぐ空間だ。床の間には茶花が飾られ、同じ部屋に茶釜と炉も置かれている。遺族や参列者にも、お抹茶と季節の菓子を提供するという。
『茶道や華道は古来「弔い」と非常に縁の深いもので、葬儀は日本文化の粋の集大成。その文化を伝えていきたい』(佐久間氏)。葬儀の際に祭壇を設けるのもこの部屋で、20〜30名規模に対応している。そのほか、食事室、応接室、導師控室などを設け、1日1葬儀で全館貸しを行う。
手を加えたのは、畳替えなどの修繕のほか、耐震化や消防法対応など。さらに浴室やトイレをバリアフリー対応に替えた。葬儀を行った遺族が、法事でも利用するなど、評判は上々だという。同社では、この施設を皮切りに一軒家スタイルの『三礼庵ブランド』を今後も増やしていく意向だ」



2018年4月2日 一条真也