営業責任者会議  

一条真也です。
13日の午後から、 サンレーグループの全国営業責任者会議が行われました。16時半からは、恒例の社長訓話の時間でした。
訓話に先立って、営業部門の各種表彰を行いました。わたしは感謝の念を込めて、表彰状や金一封を表彰の対象者の方々にお渡ししました。


最初は一同礼!

最初に、営業優績者の表彰をしました

営業優績者表彰のようす

営業責任者会議のようす



表彰式が終わると、わたしは60分ほどの社長訓話をしました。
まずは、わたしたちの仕事である冠婚葬祭業は儀式産業であると述べました。結婚式ならびに葬儀に表れたわが国の儀式の源は、小笠原流礼法に代表される武家礼法に基づきます。儀式の根底には「民族的よりどころ」があります。日本には、茶の湯・生け花・能・歌舞伎・相撲といった、さまざまな伝統文化があります。そして、それらの伝統文化の根幹にはいずれも「儀式」というものが厳然として存在します。すなわち、儀式なくして文化はありえません。儀式とは「文化の核」なのです。


儀式とは「文化の核」である!



それから、最近取材が殺到している「くさみ三礼庵」について話しました。紫雲閣とは別ブランドの古民家を改装した施設で、「三礼」とは「慎みの心」「敬いの心」「思いやりの心」という小笠原流礼法における3つの「礼」を意味しています。「くさみ三礼庵」に続いて、来年早々には別府に「三礼庵」がオープンします。「三礼庵」は「葬儀だけを行う」セレモニーホールではなく、「葬儀も行う」コミュニティハウス」です。普段は茶道教室や華道教室などを開き、葬儀のときにはスタッフが着物姿で抹茶をたて、生け花を飾ります。「三礼庵」は、これまでにない新業態なのです。もともと葬儀などの冠婚葬祭こそは日本文化の集大成ですが、そのことを広く示していきたいです。


三礼庵」について話しました



わが社は「セレモニーホールからコミュニティセンターへ」をスローガンに掲げています。従来の「葬儀をする施設」から「葬儀もする施設」への転換を目指しているのです。たとえば、各地の紫雲閣を「子ども110番の家」「赤ちゃんの駅」に登録したり、常備薬やAEDを設置したりしています。さらには、映画、演劇、音楽コンサートなども上演できる地域の文化の殿堂化をめざします。サンレーの本社のある北九州市は日本一の超高齢都市として知られています。その中には、「八幡紫雲閣」がある八幡東区の大蔵のように坂道が多い街もあります。そこには多くの高齢者が住んでおられ、日々の買い物やゴミ出しにも苦労をしておられます。こういった問題を解決する「買い物支援」「ゴミ出し支援」にも積極的に取り組みます。これらの取り組みは、「日本経済新聞」や「日経MJ」などでも紹介されました。


セレモニーホールからコミュニティセンターへ!



セレモニーホールをコミュニティセンターに進化させるというのは、ある意味で「紫雲閣の寺院化」ということでもあります。かつての寺院は、葬儀が行われる舞台でありながらも、近隣住民のコミュニティセンター、カルチャーセンターでもありました。仏教伝来以来1500年ものあいだ、日本の寺院は生活文化における3つの機能を持っていました。
すなわち、「学び・癒し・楽しみ」であります。


「学び・癒し・楽しみ」について



まず、「学び」ですが、日本の教育史上最初に庶民に対して開かれた学校は、空海の創立した綜芸種智院でした。また江戸時代の教育を支えていたのは寺子屋でした。寺は庶民の学びの場だったのです。次の「癒し」ですが、日本に仏教が渡来し最初に建立された寺である四天王寺は4つの施設からなっていました。「療薬院」「施薬院」「悲田院」「敬田院」の4つですが、最初の3つは、順に病院、薬局、家のない人々やハンセン病患者の救済施設であり、敬田院のみが儀式や修行を行う機関でした。最後の「楽しみ」とは、いわゆる芸術文化のことを指しますが、日本文化ではそもそも芸術、芸能は神仏に奉納する芸であって、それ自体が宗教行為でした。お寺を新築するときの資金集めのための勧進興行などがお堂や境内で大々的に行われました。こう考えてみると、「学び・癒し・楽しみ」は仏教寺院がそもそも日本人の生活文化において担っていた機能だったのです。しかし、明治に入って、「学び」は学校へ、「癒し」は病院へ、「楽しみ」は劇場や放送へと、行政サービスや商業的サービスへと奪われてしまい、寺に残った機能は葬儀だけになってしまいました。


「お寺ルネッサンス」とは何か?



「セレモニーホールからコミュニティセンターへ」というスローガンは、ある意味で寺院の本来の機能を蘇えらせる「お寺ルネッサンス」でもあるのです。そこでは、グリーフケアという「癒し」の機能を最重視します。思い起こせば、わが社は、2004年に高齢者複合施設「サンレーグランドホテル」を北九州市八幡西区に作りました。セレモニーホールと高齢者用のカルチャーセンターなどが合体した前代未聞の施設として大きな話題になりました。今では、「盆踊り」や「観月会」などの年中行事の舞台でもあります。最近、超高齢国ニッポンの未来を悲観的に論じた本がよく売れています。悲観的になるばかりでは未来が暗くなる一方なので、なんとか「明るい超高齢社会」のビジョンを描きたいものです。わたしたちは「後期高齢」を「光輝好齢」に変えるお手伝いに励みましょう!


全社をあげて婚活事業の推進を!



さて、わが社のもう1つのテーマは「婚活事業の推進」です。セレモニーホールが寺院化するならば、結婚式場は神社化する必要があります。寺院と並んで、神社も日本におけるコミュニティセンターでした。結婚式場は「祝い」の場ですが、日本の歴史において「祝い」の舞台といえば、神社がその役割を担っていました。多くの「むすびびと」たちが所属するわが社ですが、「むすび」といわれて最初に思い浮かべるのは男女の「縁結び」でしょう。この「むすび」を行うことも、かつては神社の重要な機能のひとつでした。


結婚式場の神社化について



神社はあらゆる祝い事を行う「ハレ」の場でもありました。わたしは、互助会の冠婚施設はこれから神社化していくべきであると考えます。もちろん、神社というのは「祝いの場」「ハレの場」という意味であって、神道の宗教施設という意味ではありません。それから、神社で行われる「祭り」は、若い男女の出会いの場でもありました。人口減少を食い止める最大の方法は、言うまでもなく、たくさん子どもを産むことです。そのためには、結婚するカップルがたくさん誕生しなければなりません。


本格的に「婚活」事業に取り組もう!



しかしながら、現代日本には「非婚化・晩婚化」という、「少子化」より手前の問題が潜んでいます。国が国難に対応できないのは困りますが、じつはこの問題、わが社のような冠婚葬祭互助会が最も対応可能な業界であると思います。わが社では、さらに本格的に「婚活」事業に取り組み、日本最大の国難を克服するお手伝いをしたいと考えています。
わたしが訓話を終えて我に返ると、みんな殺気を帯びたような真剣な表情でこちらを見ており、ゾクリとしました。


最後はもちろん一同礼!

会議後のコンパのようす



社長訓話後は、サンレー本社から松柏園ホテルに移動して、懇親会が開催されました。経営トップも管理職も若手社員もすべて胸襟を開いて飲んで語り合うコンパには、人間関係を良くして、業績を向上させる力があります。まさに、理念とコンパは経営の両輪ですね。わが社にも50年以上にわたるコンパの伝統があります。今夜のサンレー流コンパも大いに盛り上がりました。やはり、理念と志をともにする「同志」とのコンパは最高です!



2018年2月14日 一条真也