グリーフケア追求で互助会4.0へ

一条真也です。
いよいよ年の瀬も押し迫ってきたと実感しています。
今日はサンレー本社の「御用納め」で、午後3時から「年越しの大祓式」を行いますが、「ふくおか経済」の2019年1月号が届きました。

f:id:shins2m:20181229111939j:plain「ふくおか経済」2019年1月号

 

「2019年の戦略」のコーナーで、今年も登場させていただきました。「グリーフケア追求で互助会4.0へ」の大見出し、「『紫雲閣』のコミュニティーセンター化も加速」の見出しで、以下のようなインタビュー記事が掲載されています。

 

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――今年もセレモニーホール「紫雲閣」は、いくつかの新店計画がありますね。

佐久間 現在、福岡をはじめ7ヵ所で出店準備をしていますので、今年中に「紫雲閣」は83会館にはなる予定です。当面の目標は100館体制です。

—――近年、佐久間社長はセレモニーホール「紫雲閣」のコミュニティセンター化についても強く訴えています。

佐久間 「紫雲閣」を地域の人々に葬儀以外の用途で開放するものです。カラオケ大会や各種発表会など既に複数の実績があります。昨年11月には小倉紫雲閣で「友引映画館」と題して、オール北九州ロケ映画『君は一人ぼっちじゃない』の試写会と監督、俳優陣による舞台あいさつも催しました。セレモニーホールでの映画の舞台あいさつは世界でも初めてだと思いますので、意義あるものになりました。

――御社はグリーフケア(遺族の悲嘆軽減サポート)にも力を入れています。

佐久間 100人を超す上級心理カウンセラーを配置し、日頃から配偶者や親近者を亡くした人に、言葉ひとつの掛け方から徹底し、寄り添っています。一方で、最近では残された人が前向きに生きていけるような催しも検討しています。例えば、奥さんに先立たれた人に向けての料理教室などです。新たに生きていく原動力となる催しができればいいですね。

――佐久間社長自身も、昨年から上智大学グリーフケア研究所客員教授として教鞭をとられていますね。

佐久間 当社で培ったグリーフケアのノウハウを講義で紹介しています。昨年11月の講義では200人を超す聴講者があり、大変好評でした。今まで私や当社が取り組んできたことが間違っていなかったと確信しました。今年も引き続き講義をする予定です。

――現在、冠婚葬祭互助会は業界全体で過渡期だとか。

佐久間 そうです。私は業界の現状をアップデートに見立てて捉えています。互助会1.0が結や講といった日本的相互扶助システム、互助会2.0が戦後に横須賀で誕生し、その後全国で発展した冠婚葬祭互助会、互助会3.0が無縁社会を乗り越えて、有縁社会を再生する互助会、互助会4.0が結婚をプロデュースし、孤独死自死をなくす互助会です。現在は、2.0の時代を経て、3.0へ向かっていかなければいけない段階です。究極は4.0。ここで注目すべきは、3.0にはセレモニーホールのコミュニティセンター化が、4.0にはグリーフケアが不可欠だということです。そして、4.0は互助会の理想が完成する理想は姿なのです。

――その際、キーポイントになるのはやはり「儀式」ですよね。

佐久間 はい。婚礼、葬儀にとどまらず、「儀式」こそ人の心を安らかにする器なのです。

――ところで、儀式の大切さで言えば、1月は各地で成人式が開かれます。沖縄や北九州の成人式で、新成人が式典後に清掃をすることが報じられていますが、あれは佐久間社長の提言がきっかけだとか。

佐久間 実はそうなんです。私や社員が会場に赴いて、清掃を促し、支援しています。今年も各所でいい式典になればと思いますね。

 

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最後の成人式の話題ですが、ここ数年来、北九州市の成人式は「派手すぎる」と注目を浴びてきました。その様子はテレビのワイドショーを通じて全国に流されました。金銀の羽織袴や花魁姿で傍若無人に振る舞う新成人が話題を呼びました。実際に彼らに接すると、服装は派手でも顔を見ると気の良さそうな若者が多かったです。わたしは、「これは仮装大会のようなもので、ハロウィーンと同じだな」と思いました。


北九州市の成人式で

 

でも、暴力団追放運動がようやく実を結びつつある北九州市にとっては、ヤンチャな彼らの姿が報道されることは大きなイメージダウンとなります。そこで、わたしは昨年の式典後すぐに市の青少年課に連絡し、成人式の正常化への全面協力を訴え出ました。伏線として、かつて沖縄の「荒れる成人式」を、わが社の新成人が清掃活動によって変えた実績がありました。そして今年から、本社を置く北九州でも、会場周辺で取り組む「おそうじ大作戦」を開始。オリジナルデザインのゴミ袋も製作、市に寄贈したのです。


「まちに感謝!おそうじ大作戦」の本部テント

 

式典終了後、心ある若者たちは続々とゴミ袋を持って清掃を始めました。その姿を見たマスコミの取材クルーは、ど派手な連中から離れて、清掃する新成人たちの姿をカメラで追い始めました。わたしは、「北九州の成人式は変わる!」という確信を持ちました。実際に、その後の北九州の成人式は劇的に変わり、見事に正常化されたのです。

 

2018年12月29日 一条真也