アップデートする互助会

一条真也です。
17日、東京で全互協の正副会長会議と理事会に参加後、スターフライヤーに搭乗して北九州に戻りました。18日は早朝から松柏園ホテルの神殿で月次祭が行われました。皇産霊神社の瀬津神職が神事を執り行って下さり、祭主であるサンレーグループ佐久間進会長に続いて、わたしが社長として玉串奉奠を行いました。

f:id:shins2m:20181018081413j:plain月次祭のようす

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拝礼する佐久間会長

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わたしも拝礼しました

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神事の最後は一同礼!

f:id:shins2m:20181018083603j:plain天道塾のようす

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冒頭に挨拶する佐久間会長

 

神事の後は、恒例の「天道塾」を開催しました。
まずは、冒頭に佐久間会長が簡単な挨拶をしました。
会長は、最近、別府や金沢に出張して社員のやる気に触れたことなどを話してから、「企業にとって何よりも大切なのは、思想であり、理念です。わが社には理念はあると自負していますので、あとは実践あるのみ」と訴えました。それから、「今日は、北九州本部の各責任者に『今年の展望』を話してもらいます。目標を達成するための具体的なプランが聞けることを期待しています」と述べました。

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互助会部門の報告のようす

f:id:shins2m:20181018092311j:plain冠婚部門の報告のようす

 

その後、「今年の展望」として、サンレー北九州の東常務、玉中取締役、山下執行役員が登壇して、冠婚・葬祭・互助会・そして全体の業績の見込みなどについて報告しました。具体的なプランも数多く飛び出し、わたしは非常に頼もしく思うとともに、「これなら行ける!」と確信しました。

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最後にわたしが登壇しました

 

それから、社長のわたしが登壇して講話をしました。
まず、わたしは、WEBシステムに写っている各地の社員に向かって話しかけました。わたしは3人の「今年の展望」についての講評を述べた後、ブログ「日日是好日」で紹介した映画および原作本の話をしました。

 

日日是好日―「お茶」が教えてくれた15のしあわせ (新潮文庫)

日日是好日―「お茶」が教えてくれた15のしあわせ (新潮文庫)

 

 

著者の森下典子氏は「雨の日は、雨を聴く。雪の日は、雪を見る。夏には、暑さを、冬には、身の切れるような寒さを味わう・・・・・・どんな日も、その日を思う存分味わう」と書き、お茶とは、そういう「生き方」なのだと言います。そうやって生きれば、人間はたとえ、まわりが「苦境」と呼ぶような事態に遭遇したとしても、その状況を楽しんで生きていけるかもしれないというのです。雨が降ると、「今日は、お天気が悪いわ」と言いますが、本当は「悪い天気」など存在しません。雨の日を味わうように、他の日を味わうことができるなら、どんな日も「いい日」になります。それが「日日是好日」ということ。

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日日是好日」について語りました

 

わたしたちの仕事も「日日是好日」で行こうではありませんか。世の中の風潮で儀式の軽視が進んでいるとか、参列者の数が減っているとか、単価が下がっているとか、競合店がオープンしたとかリニューアルしたとか、台風だとか大雨だとか・・・・・・うまくゆかない理由を挙げればキリがありません。それを「苦境」と思わずに、「だからこそ、チャンスだ」と前向きにとらえて、楽しみながら仕事をしていただきたい。愚痴は言わずに、何事も陽にとらえていきましょう! そうすれば、道は拓けるはずです。

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「一期一会」について語りました

 

茶道の話に戻ると、茶で「もてなす」とは何か。それは、最高のおいしいお茶を提供し、最高の礼儀をつくして相手を尊重し、心から最高の敬意を表することに尽きます。そして、そこに「一期一会」という究極の人間関係が浮かび上がってきます。人との出会いを一生に一度のものと思い、相手に対し最善を尽くしながら茶を点てることを「一期一会」と最初に呼んだのは、利休の弟子である山上宗二です。「一期一会」は、利休が生み出した「和敬静寂」の精神とともに、日本が世界に誇るべきハートフル・フィロソフィーであると言えるでしょう。この「一期一会」の精神は、営業においても施行サービスにおいても重要です。要するに、お客様との御縁をいただけたことに心から感謝し、真剣勝負の心境でお客様のお役に立つべく接するということです。

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「こころ」と「かたち」について

 

 さらに、わたしは『日日是好日』を「茶の本」ならぬ「水の本」であると思いました。雨、海、瀧、涙、湯、茶などが重要な場面で搭乗しますが、これらはすべて「水」からできています。地球は「水の惑星」であり、人間の大部分は水分でできています。「水」とは「生」そのものなのです。
水は形がなく不安定です。それを容れるものがコップです。水とコップの関係は、茶と器の関係でもあります。水と茶は「こころ」です。「こころ」も形がなくて不安定です。ですから、「かたち」に容れる必要があるのです。その「かたち」には別名があります。「儀式」です。茶道とはまさに儀式文化であり、「かたち」の文化です。人間の「こころ」はどこの国でも、いつの時代でも不安定です。だから、安定するための「かたち」すなわち儀式が必要なのです。

f:id:shins2m:20181018092633j:plain儀式とは「こころ」を安定させるための「かたち」である!

 

さらに、わたしは「冠婚葬祭互助会ほど日本人に合ったビジネスモデルは存在しません!」と訴え、次のように「アップデートする冠婚葬祭」をおさらいしました。

■冠婚葬祭1.0

(戦前の村落共同体に代表される旧・有縁社会の冠婚葬祭) 

■冠婚葬祭2.0

(戦後の経済成長を背景とした互助会の発展期における冠婚葬祭) 

■冠婚葬祭3.0

無縁社会を乗り越えた新・有縁社会の冠婚葬祭)

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アップデートする冠婚葬祭について

 

いま、七五三も成人式も結婚式も、そして葬儀も大きな曲がり角に来ています。現状の冠婚葬祭が日本人のニーズに合っていない部分もあり、またニーズに合わせすぎて初期設定から大きく逸脱し、「縁」や「絆」を強化し、不安定な「こころ」を安定させる儀式としての機能を果たしていない部分もあります。いま、儀式文化の初期設定に戻りつつ、アップデートの実現が求められているのです。

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アップデートする互助会について

 

さらに、互助会のアップデートについて考えてみた場合、次のようになります。「互助会4.0」までを展望してみました。

■互助会1.0

(結や講といった日本的相互扶助システム)

■互助会2・0

(戦後に横須賀で誕生し、全国で発展した冠婚葬祭互助会)

■互助会3.0

無縁社会を乗り越えて、有縁社会を再生する互助会)

■互助会4.0

(結婚をプロデュースし、孤独死自死をなくす互助会)

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これが「アップデートする互助会」だ!

 

この互助会4.0の目指すところは「結婚は最高の平和である」「死は最大の平等である」というわが社の理念の実現です。「結婚をプロデュースする」とは、いわゆる「婚活」のことですが、もともと、夫婦こそは「世界で一番小さな互助会」であると言えます。これらを実現することこそ、わが社の大きなミッションです。わたしは「高い志を抱いて頑張りましょう!」と述べてから、降壇しました。

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最後は、もちろん一同礼!

 

2018年10月18日 一条真也