経理責任者会議

一条真也です。
すっかり秋めいて涼しくなってきましたね。ちょっと風邪気味です。12日の午後からサンレーグループ全国経理責任者会議が開催されました。

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最初は、もちろん一同礼!

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経理責任者会議のようす

 

16時半から、60分ほどの社長訓話をしました。
わたしはまず、社会全体の変化について語りました。
あと半年で「平成」が終わります。日本のみならず、世界全体が猛烈なスピードで変化していますが、その中心にあるのがWebの世界です。「GAFA(ガーファ)」という言葉があります。グーグル、アップル、フェイスブック、アマゾンの四大テクノロジー企業のことです。「四騎士」と呼ばれる4社の時価評価額を合算すると、なんと、ロシアのGDPに匹敵するそうです。その影響力の大きさも地球規模とされています。

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『GAFA』を紹介しました 

the four GAFA 四騎士が創り変えた世界

the four GAFA 四騎士が創り変えた世界

 

 

 スコット・ギャロウェイが書いた『GAFA』という本には、四騎士の性格について、以下のように書かれています。
【Google】彼はあらゆる質問に答えてくれる。そして私たちの「心の奥底の秘密」を暴く。私たちの思考は彼に既定され、やがて支配される。
【Apple】私たちは「美」に惹かれ、彼に近づく。しかしそれは「イケている自分」の演出にすぎない。そして彼の献金箱は巨万の富で満たされる。
【Facebook】彼は「認められたい」という私たちの渇望を利用し、人間関係のすべてを晒させる。彼はそれを記録し続け、私たちは丸裸にされる。
【Amazon】「楽をしたい」という私たちの本能を、彼は存分に満たしてくれる。気付けばもう、私たちは彼なしでは生きられない。

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「GAFA]について説明しました

 

金融とテクノロジーを掛け合わせたものを「フィンテック」といいますが、その代表例がビットコインなどの「仮想通貨」です。その「仮想通貨」が通貨として機能し、サービスが成り立つ上で非常に重要な技術と言われているのが「ブロックチェーン」です。 ブロックチェーンは分散して管理されるので、ビットコインを利用しているあらゆるユーザーのコンピューターに保存されます。

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ブロックチェーンについて解説

 

ブロックチェーンには銀行のような特定の管理機関がないため、権限が一箇所に集中することはありません。そのためシステム障害に強く、かつ低コストで金融サービスが運用できると期待されているそうです。このようなシステムが本当に普及すれば、銀行そのものの存続も危うくなるわけで、時代の変化の凄まじさを痛感します。わたしたち冠婚葬祭互助会の経理業務も根本的に変わることが予想されます。

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Web3.0について 

 

ブロックチェーン技術の浸透によって、Webは「3.0」にシフトする可能性があります。これまでの流れを俯瞰すると、以下のようになります。

■Web1.0(1995~2005)ホームページの時代

■Web2.0(2005~2018)SNSの時代

■Web3.0(2018~)ブロックチェーンの時代

f:id:shins2m:20181012170303j:plainWeb3.0 の特徴とは

 

Web3.0には、以下のような特徴があります。

(1)非中央集権、分散的

(2)データは企業ではなく、ユーザーが保有

(3)相互運用性がある

(4)ボーダーレス

(5)不正侵入やデータ漏洩の劇的な減少

(6)サーバーダウンなし

f:id:shins2m:20181012170314j:plainWeb3.0革命とは

 

インターネット人口は世界で40億人近いとされます。
膨大な量のデータが、GAFAに代表される巨大怪獣のようなIT企業が管理する中央集権型のサーバーに蓄積されていきました。個人情報は極めて価値が高い資産であったわけですが、Web3.0革命によって、権力と情報は、現代の巨大怪獣たちに集中させるのではなく、データの持ち主の手に戻っていくことになるでしょう。

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アップデートする仏教&神道

 

この「Web3.0革命」は一種の進化論といえますが、形骸化が叫ばれている日本仏教にこの視点を持ち込んだのがブログ『アップデートする仏教』で紹介した本を書いた藤田一照氏と山下良道氏です。それによれば、以下のように説かれています。

■仏教1.0

(檀家制度に支えられた葬式仏教として形骸化していった日本の大乗仏教) 

■仏教2.0

(瞑想修行の実践的プログラムと実修を具体的に提示した上座仏教)

■仏教3.0

(上座仏教による批判的吟味を踏まえて仏教本来の瞑想修行を取り戻した大乗仏教

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宗教の世界も変わる!

 

そして、宗教哲学者の鎌田東二氏は、ブログ『天河大辨財天社の宇宙』で紹介した柿坂神酒之佑氏との共著で次のような三種神道を示しています。

神道1.0

天皇制を頂点とした律令体制以降の神社神道や近代のいわゆる国家神道) 

神道2.0

天皇制以前から存在していた神祇信仰や自然崇拝を中核とした自然神道古神道

神道3.0

 (自然神道を核とし国家神道を内在的に批判突破した神神習合や神仏習合修験道をも内包する生態智神道

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儀式軽視の時代背景 

 

 

わたしは「仏教3.0」や「神道4.0」だけでなく「冠婚葬祭3.0」についても考えるべき時期が来ていると思います。「寺院消滅」や「神社消滅」が叫ばれている昨今ですが、制度疲労を迎えているのは、けっして日本仏教や神道だけではないのです。とりあえず、次のように考えてみました。

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アップデートする冠婚葬祭 

 

■冠婚葬祭1.0

(戦前の村落共同体に代表される旧・有縁社会の冠婚葬祭) 

■冠婚葬祭2.0

(戦後の経済成長を背景とした互助会の発展期における華美な冠婚葬祭) 

■冠婚葬祭3.0

無縁社会を乗り越えた新・有縁社会の冠婚葬祭)

f:id:shins2m:20181012171939j:plain「互助会4.0」 を構想

 

いま、七五三も成人式も結婚式も、そして葬儀も大きな曲がり角に来ています。現状の冠婚葬祭が日本人のニーズに合っていない部分もあり、またニーズに合わせすぎて初期設定から大きく逸脱し、「縁」や「絆」を強化し、不安定な「こころ」を安定させる儀式としての機能を果たしていない部分もあります。
いま、儀式文化の初期設定に戻りつつ、アップデートの実現が求められています。さらに、互助会について考えてみた場合、次のようになります。本邦初公開ですが、「互助会4.0」までを展望しました。

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アップデートする互助会 

 

■互助会1.0

(結や講といった日本的相互扶助システム)

■互助会2・0

(戦後に横須賀で誕生し、全国で発展した冠婚葬祭互助会)

■互助会3.0

無縁社会を乗り越えて、有縁社会を再生する互助会)

■互助会4.0

(結婚をプロデュースし、孤独死自死をなくす互助会)

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わが社の理念を実現しよう!

 

この互助会4.0の目指すところは「結婚は最高の平和である」「死は最大の平等である」というわが社の理念の実現です。「結婚をプロデュースする」とは、いわゆる「婚活」のことですが、もともと、夫婦こそは「世界で一番小さな互助会」であると言えます。これらを実現することこそ、わが社の大きなミッションです。もしかしたら、GAFAのミッションよりも大きいのではないでしょうか。わたしがこのように話していると、参加者が一様に真剣な顔をして、こちらをじっと見つめていました。それは、話している方が怖くなるほどの真剣な表情でした。

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最後は、もちろん一同礼! 

 

社長訓話が終わった後は、松柏園の「長浜」で懇親会が開かれました。
最初に佐久間会長が挨拶し、「経理担当のみなさんはよく頑張っていますが、もう少しだけ高い目標を持って前進していただきたい」と述べました。続いて、わたしも挨拶しましたが、「互助会事業や銀行や保険と並んで、日本国民のお金をお預かりすることが認められている稀有な事業です。銀行や保険はヨーロッパで誕生し、世界中で発展してきました。GAFAはアメリカです。そして、互助会は純日本産のビジネスです。日本人に最も合ったビジネスです。どうか、誇りを持って仕事に取り組んで下さい」と呼びかけました。それから、東常務の音頭で乾杯しました。

 

2018年10月13日 一条真也