冠婚・衣裳責任者会議

一条真也です。
27日の午後から、サンレーグループ冠婚・衣裳責任者会議が開催されました。会場は、松柏園ホテルバンケットザ・ジュエルボックス」でした。各地から、わが社の誇る“むすびびと”たちが集結しました。

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最初はもちろん一同礼で・・・
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冠婚・衣裳責任者会議での訓話のようす



17時から、わたしが「社長訓話」を行いました。わたしはまず、ブログ「アップデートする冠婚葬祭」で紹介したダイエー凋落、紅白歌合戦の視聴率低下の背景にあった時代の変化について話しました。それから、ネットで読んだ「とんねるずがここまで時代錯誤になったワケ」という記事の内容を紹介し、そこから冠婚葬祭業が学ぶことを考えてみました。

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ダイエー凋落の背景について
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紅白視聴率低下の背景について



フジテレビ「とんねるずのみなさんのおかげでした」30周年記念のスペシャル番組で石橋貴明扮する「保毛尾田保毛男(ほもおだほもお)」が登場。これが物議を醸し、最終的にフジテレビの宮内正喜社長が謝罪するに至りました。LGBTをはじめ、性的マイノリティへの理解が進みつつある昨今、こうした差別的な表現は許せません。ブライダルの世界もLGBTと無関係ではいられません。わたしたちも、正しい対応に努めたいものです。

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パワハラもヤンキー文化も終わりです!



また、とんねるずは「パワハラ芸」がウリでしたが、これも今の時代には合いません。同様に、日大のアメフト部とか日本ボクシング連盟の一連の問題から、「体育会」的な体質というものに国民が強い嫌悪感を示しているという風潮があります。これまで日本の結婚披露宴では、「パワハラ」や「体育会」を連想させる暴露ネタなどが流行していた時期もありました。大手の商社でも、若手男性社員が全裸になる余興などが伝統だったそうです。良識ある親族の眉をひそめさせていたものですが、ヤンキー文化が完全に終わりつつある今、このへんの問題についても考える必要があることは言うまでもありません。わが社のブライダル・スタッフは、お客様が恥をかかないように適切なアドバイスをすべきです。

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ブロックチェーン」とは何か?



それから、ブライダルの話題を超えて、社会全体の問題を語りました。あと半年で「平成」が終わります。日本のみならず、世界全体が猛烈なスピードで変化していますが、その中心にあるのがWebの世界です。
金融とテクノロジーを掛け合わせたものを「フィンテック」といいますが、その代表例がビットコインなどの「仮想通貨」です。その「仮想通貨」が通貨として機能し、サービスが成り立つ上で非常に重要な技術と言われているのが「ブロックチェーン」です。

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互助会経営も根本的に変わる!



ブロックチェーンは分散して管理されるので、ビットコインを利用しているあらゆるユーザーのコンピューターに保存されます。銀行のような特定の管理機関がないため、権限が一箇所に集中することはありません。そのためシステム障害に強く、かつ低コストで金融サービスが運用できると期待されているそうです。このようなシステムが本当に普及すれば、銀行そのものの存続も危うくなるわけで、時代の変化の凄まじさを痛感します。わたしたち冠婚葬祭互助会の経営も根本的に変わることが予想されます。

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Web3.0革命とは?



ブロックチェーン技術の浸透によって、Webは「3.0」にシフトする可能性があります。これまでの流れを俯瞰すると、以下のようになります。
■Web1.0(1995~2005)ホームページの時代
■Web2.0(2005~2018)SNSの時代
■Web3.0(2018~)ブロックチェーンの時代
Web3.0には、以下のような特徴があります。
(1)非中央集権、分散的
(2)データは企業ではなく、ユーザーが保有
(3)相互運用性がある
(4)ボーダーレス
(5)不正侵入やデータ漏洩の劇的な減少
(6)サーバーダウンなし

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社会はどのように変わるか?



インターネット人口は世界で40億人近いとされています。
膨大な量のデータが、Amazon、Facebook、Twitterといった巨大怪獣のようなIT企業が管理する中央集権型のサーバーに蓄積されていきました。個人情報は極めて価値が高い資産であったわけですが、Web3.0革命によって、権力と情報は、現代の巨大怪獣たちに集中させるのではなく、データの持ち主の手に戻っていくことになるでしょう。

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「仏教3.0」「神道3.0」とは?



この「Web3.0革命」は一種の進化論といえますが、形骸化が叫ばれている日本仏教にこの視点を持ち込んだのがブログ『アップデートする仏教』で紹介した本を書いた藤田一照氏と山下良道氏です。
それによれば、以下のように説かれています。
■仏教1.0(檀家制度に支えられた葬式仏教・コミュニティ仏教として形骸化していった日本の大乗仏教
■仏教2.0(瞑想修行の実践的プログラムと実修を具体的に提示したテーラワーダ仏教
■仏教3.0(テーラワーダ仏教による批判的吟味を踏まえて仏教本来の瞑想修行を取り戻した大乗仏教

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宗教の世界も激変する!



そして、宗教哲学者の鎌田東二氏は、ブログ『天河大辨財天社の宇宙』で紹介した柿坂神酒之佑氏との共著で次のような三種神道を示しています。
神道1.0(天皇制を頂点とした律令体制以降の神社神道や近代のいわゆる国家神道
神道2.0
天皇制以前から存在していた神祇信仰や自然崇拝を中核とした自然神道古神道
神道3.0
(自然神道を核とし国家神道を内在的に批判突破した神神習合や神仏習合修験道をも内包する生態智神道

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冠婚葬祭はどう変わる?
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冠婚葬祭3.0とは?



わたしは「仏教3.0」や「神道4.0」だけでなく「冠婚葬祭3.0」についても考えるべき時期が来ていると思います。「寺院消滅」や「神社消滅」が叫ばれている昨今ですが、制度疲労を迎えているのは、けっして日本仏教や神道だけではないのです。とりあえず、次のように考えてみました。
■冠婚葬祭1.0
(戦前の村落共同体に代表される旧・有縁社会の冠婚葬祭)
■冠婚葬祭2.0
(戦後の経済成長を背景とした互助会の発展期における華美な冠婚葬祭)
■冠婚葬祭3.0
無縁社会を乗り越えた新・有縁社会の冠婚葬祭)

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無縁・無婚・無葬社会を乗り越えろ!



無縁社会は、無婚社会や無葬社会を招きました。いま、七五三も成人式も結婚式も、そして葬儀も大きな曲がり角に来ています。現状の冠婚葬祭が日本人のニーズに合っていない部分もあり、またニーズに合わせすぎて初期設定から大きく逸脱し、「縁」や「絆」を強化し、不安定な「こころ」を安定させる儀式としての機能を果たしていない部分もあります。いま、儀式文化の初期設定に戻りつつ、アップデートの実現が求められています。「冠婚葬祭3.0」、さらには「冠婚葬祭4.0」の誕生が待たれているのです。

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懇親会の冒頭で挨拶する佐久間会長
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冠婚事業の将来ヴィジョンを述べました



社長訓話が終わった後は、松柏園の大広間で懇親会が開かれました。最初に佐久間会長が挨拶し、「わが社の仕事は、冠婚・葬祭・互助会からなる三位一体の事業です。三方良しの精神で頑張りましょう。今の日本が最も困っている問題は、少子高齢化です。婚活で世直しをしながら、わが社の冠婚部門の発展にもつなげていただきたい!」と述べました。

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わたしも挨拶しました



続いて、わたしも挨拶しましたが、まずは「日本ボクシング連盟の山根でございます」と大ボケをかまし、緊張気味だった場の空気を和らげました。それから、「日大アメフト部から日本ボクシング連盟に至る一連の事件を見てもわかるように、体育会=パワハラの時代は完全に終わりです。わが社のミッションは『人間尊重』です。パワハラもセクハラもないハートフルな職場づくりに努めましょう!」と呼びかけました。
それから、東常務の音頭で乾杯しました。

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懇親会のようす



各地から参集したみなさんは、お酒や料理を楽しみながら会話の花を咲かせました。最後は、北陸本部の小久保事業部長による中締めの挨拶でした。小久保事業部長は、 サンレー・オリジナルの「末広がりの五本締め」で締めました。これをやると、みんなの心が本当にひとつになる気がします。その後も、松柏園のラウンジで二次会を開催。わが社のコンパは和気あいあいと続いたのであります。



2018年8月28日 一条真也