ムーンサルトレター150信!  

一条真也です。
7日の夜、沖縄から父と一緒の飛行機で帰ってきました。
わたしは、満月の夜ごとに「バク転神道ソングライター」こと宗教哲学者の鎌田東二先生とWEB上の往復書簡「シンとトニーのムーンサルトレター」を交わしているのですが、その第150信がUPしました。
月1回、1年に12回なので、150回ということは12年半です!



シンとトニーのムーンサルトレター」第150信がUPしました



記念すべき第150信の冒頭、わたしは「Tonyさん、ムーンサルトレターが150信目になりましたよ。すごいですね。わたしたちの往復書簡、もしかしてギネスに近づいているのではないでしょうか? 本当に、Tonyさんと素晴らしい御縁をいただいて、心より感謝しております。10月26日には、小倉でお会いできて嬉しかったです。NEW松柏園ホテルで開催された『サンレーグループ創立50周年記念祝賀会』にお越し下さり、本当にありがとうございました。また、祝賀会では乾杯の音頭をお取りいただき、重ねて御礼申し上げます」と書きました。


シンとトニーのムーンサルトレター」第1信(プロローグ)

「Tonyさん」こと鎌田東二先生からの第1信



150信目のレターに、わたしは
ブログ「サンレーグループ創立50周年記念祝賀会(一般)」で紹介した祝賀会やその後のカラオケ&ラーメン体験や、翌日の出来事など、さらにはブログ『礼道の「かたち」』で紹介した父の著書などについて書きました。


「Tonyさん」こと鎌田東二先生からの第150信 



一方、Tonyさんのレターには、「『一条真也』のペンネームは、『柔道一直線』の主人公の『一条直也』に由来すると聞いていますが、わたしがわたしが佐久間さん親子に感じるのは、むしろ、同じ梶原一騎原作の『巨人の星』です」と書かれ、以下のような持論を展開されています。
「『柔道一直線』の主人公の一条直也の父親は東京オリンピック(1964年)の戦いで敗れて亡くなりますが、『巨人の星』の主人公星飛雄馬の父の星一徹は、自ら実に厳しいスパルタ訓練を息子に課します。『大リーグ養成ギプス』を装着したそのスパルタ教育は半端なものではありません。星飛雄馬の不屈の野球魂と野球道は、星一徹の思想と身体の継承そのものです。星飛雄馬は深い父親との葛藤も体験していきますが、しかし星飛雄馬その人はまさしく父星一徹の作り上げた珠玉の作品に他なりません。佐久間さん親子を見ていて思うのは、厳父の最も熱く厳しい志と努力をそのまま受け継ぎ血肉化した『最強の作品』の生成です。佐久間庸和佐久間進の志と理念と不屈の事業活動なくして存立し得ず、佐久間進もまた、佐久間庸和なくしてはその理念と活動を全開し得なかったと思います」



続いて、Tonyさんは以下のように述べられています。
「近代ドイツ哲学の大成者イマヌエル・カントは、『純粋理性批判』(1781年)の中で、 『直観なき概念(内容なき思考)は空虚であり、概念なき直観は盲目である』と言いましたが、まさに佐久間さん親子はその『直観(内容)』と『概念(理念)』との不即不離の関係を体現しているように思います。Shinさんは祝賀会の締めの挨拶で、『事業継承というのは血液ではなく、思想で継承ですべき』だと名言を吐かれましたが、わたしは、Shinさんは『血液(遺伝子)』と『思想(志・理念)』の両方でガッチリと先代佐久間庸和社長・会長の展開した『事業』を『継承』していると思っています」



さらに、Tonyさんは「Shinさんは偉大なる父佐久間進の『大リーグ養成ギブス』に耐えて、『月面聖塔』(大リーグボール第1号)や『唯葬論』(大リーグボール第2号)や『儀式論』(大リーグボール第3号)など、さまざまな『真球サンレー大リーグボール』を完成し展開していっていると思います。すばらしいです。すごいことです。これからもいっそう、お父上の志と理念を受け継ぎ、力強く展開発展させていってください。いつも応援し、見守っておりますので、心おきなくフル展開して、時代と業界の風雲児としてご活躍ください。大変期待しております」と書いて下さいました。
このレターの文面を読んで、わたしは泣けて仕方がありませんでした。


「祝辞」(サンレー50年史『天下布礼』)



徳島新聞」2017年11月2日朝刊



さて、Tonyさんは神道ソングライターとして活躍されていますが、わたしは2001年の社長就任直後、サンレーの社歌を作って下さるようにお願いしたことがあります。渋谷の「八丈島ゆうき丸」という居酒屋でTonyさんにお願いしたのですが、その2時間後にTonyさんが大宮に帰り着いた時にはすでに社歌「永遠からの贈り物」が完成していたので、仰天しました。
Tonyさんが最初に作詞作曲した「神道ソング」は、「日本人の精神の行方」、2番目に作ったのが酒鬼薔薇聖斗に捧げる「探すために生きてきた」、3番目に作ったのがすべての15歳の少年少女に捧げる歌「エクソダス」でした。Tonyさんは、これら3曲をなんと1晩で作られたそうです。


神道ソングを歌うTonyさん



Tonyさんの驚異の神道ソングについては、ブログ「鎌田東二の世界」をお読み下さい。その「神速」ともいえるスピード作詞・作曲術について、Tonyさんはレターの第100信で以下のように書かれています。
「『神道ソング』は考えずに作るというか、出来てくるので、すべてが日清チキンラーメンのようにワンタッチ3分間で出来ると言っていますが、実際、その通りなのです。なぜなら歌はわたしが作るのではなく、すでに向こう側に、『在る』からです。わたしはそれを『ダウンロード』するだけ。借りてくるだけ。拾ってくるだけ、です。その時、もちろん、お借りするエキュスキューズは、『礼(霊)』として必要ですが」


日本経済新聞」2013年10月18日朝刊



さて、わたしたちの文通も各方面で有名になっているようです。
2013年10月18日、日経新聞の「交遊抄」でも紹介されました。Tonyさんは京都で日経新聞を購入されたそうで、たいそう喜んで下さいました。


満月交感 ムーンサルトレター』上下巻(水曜社)



シンとトニーのムーンサルトレター」が60信を数えたとき、わたしたちは水曜社から『満月交感 ムーンサルトレター』上下巻を上梓しました。それぞれの巻は300ページを優に超え、その過密な字組みは業界に衝撃をもたらし、多くの出版社の編集部で回覧されたといいます。


満月交遊 ムーンサルトレター』上下巻



それから5年が経って、120信を数えたときには、『満月交遊 ムーンサルトレター』上下巻が刊行されました。出版界には再び衝撃が走ったとか。
わたしたちは、「今どき、よくこんな本が出版できたものだ」と驚きました。


これからも「楽しい世直し」に努めましょう!



あと2年半後には180信を数えます。出版業界が深刻な不況に苦しんでいるのを見ると、『満月交遊 ムーンサルトレター』や『満月交遊 ムーンサルトレター』の続編を上梓できるかどうかはわかりませんが、われらの「シンとトニーのムーンサルトレター」を何とかこれからも続けたいものです。そして、ともに「楽しい世直し」に努めたいです。



シンとトニーのムーンサルトレター」について、かつて健筆をふるったブロガーの方が以下のように述べておられます。
「往復書簡と言えば、シラーとゲーテ川端康成三島由紀夫のやりとりが有名ですが、内容はともかく往復書簡に共通するのは、お互いに尊敬や畏敬の念がなければ成立しないこと。さらにお互いの想いが強くなければ継続していくことは難しいでしょう。世界一短い内容の往復書簡はヴィクトル・ユゴーが著書『レ・ミゼラブル』出版時に、その売れ行きを出版社に尋ねたもの。ユゴーは『?』、出版社側は『!』、なんと2文字です。
さすがに、これ以上は短くはできないでしょうが、鎌田氏と一条氏の往復書簡は現在進行形!(中略)もしかすると往復書簡において『文字数』で『ギネス世界記録』も夢ではないのでは?」


シンとトニーのムーンサルトレター」第150信より



Tonyさんは第150信の最後に「今年ももう11月。来月は12月。今年の満月も来月で最後です。それでは次の満月の夜にまたお会いしましょう! 
昨日の満月は最高でした。昨夜12時頃撮った写真を2枚貼り付けます。『シンとトニーのムーンサルトレター150信』達成を祝して!」と書かれ、素晴らしく幻想的な満月の写真を2点添えて下さいました。Tonyさん、これからも、どうぞ、よろしくお願いいたします。それでは、また次の満月まで!



2017年11月8日 一条真也