親の年齢を知るということ 

一条真也です。
24日は、わたしが会長を務める全国冠婚葬祭互助会連盟(全互連)の移動理事会および懇親会が小倉の松柏園ホテルで開催され、全国からみなさんが集まって下さいました。25日は互助会業界向けの「サンレー創立50周年記念祝賀会」が同所で開催され、全国の有力互助会のオーナーさんたちが小倉までお越し下さいます。本当に、ありがたいことです。
この日、「サンデー毎日」2017年11月5日号が発売されます。
わたしは、同誌にコラム「一条真也の人生の四季」を連載しています。
第102回は、「親の年齢を知るということ」です。


サンデー毎日」2017年11月5日号



先日、父が誕生日を迎えました。ちょうど日曜日だったので実家を訪れ、祝いの言葉とともに、きれいな色のシャツをプレゼントしました。父はとても嬉しそうでしたが、年齢を尋ねると82歳になったといいます。



これを聞き、わたしは少し動揺しました。
というのも、父が83歳になったと勝手に思い込んでいたからです。「たったの1歳の差ではないか」と言われる方もいるでしょうが、親の年齢というのは正確に知っていなければならないのです。



わたしは孔子をこよなくリスペクトしています。
論語』の里仁篇には、「父母の年は知らざるべからず。一は則ち以て喜び、一は則ち以て懼る」という言葉があります。
「両親の年齢は知っておかなければならない。なぜなら、ひとつにはそれによって、長寿を喜べる。もうひとつはそれによって、老いを気づかうためだ」という意味です。



この言葉を拙著『世界一わかりやすい「論語」の授業』(PHP文庫)で紹介しました。また同書では、「肉親への礼儀作法」についても述べました。肉親への礼儀作法などというと、あまりに近しい関係のため、今さら気恥ずかしく思うかもしれません。しかし、親とは、一番近くにいる目上の人です。親に対する敬意を欠くようでは、会社の上司など親以外の目上の人に対する礼儀は、とうてい身につきはしないでしょう。


たとえば、いくら親とはいえ、何かしてもらったときは、きちんと「ありがとう」とお礼を言うべきです。また、親というのは、子どもが何歳になろうが心配ですし、いつも気にかけているもの。だから、親に心配をかけないというのも、立派な親孝行のひとつではないでしょうか。



そして最低限、親の年齢ぐらいは知っておくべきです。とはいえ、わたしの娘たちは、わが年齢を知っているでしょうか。ちょっと不安かも。
ちなみに、父は長嶋茂雄氏と、母は故・美空ひばりさんと同じ生年です。いつまでも元気でいてほしいと願っています。



サンデー毎日」2017年11月5日号の表紙



2017年10月25日 一条真也