孔子廟

一条真也です。
サンレー創立50周年記念旅行の1班で、台湾に来ています。
最終日となる3日目、ブログ「故宮博物院」で紹介した場所を訪問後、昼食を取ってから、わたしたちは最終目的地の「孔子廟」を訪れました。


孔子廟の前で



孔子廟は、古代中国の思想家であり、儒教創始者である孔子を祀っている霊廟ですが、本国である中国はもとより、韓国、日本、ベトナム、マレーシアの各地にも建立されていますが、台湾にも複数の孔子廟が存在しているようで、今回は台北市内にある孔子廟に参拝しました。


礼を求めて



わたしは、これまで日本各地の孔子廟に参拝していますが、この50周年を記念した台湾旅行でも、どうしても訪れたかったのが孔子廟なのです。
台北市孔子廟について、「台北ナビ」では次のように紹介しています。
「建立は1879年、しかし、日本統治時代に病院へと変わり、1907年には取り壊され学校となりました。その後1929年に再建、大成殿が完成しました。翌年以降、門や明倫堂が建てられ、2008年の修復を経て現在の姿となっています。また、9月28日の孔子の誕生日は教師節とされ、『釈奠典礼』と呼ばれる儀式も行われています」


孔子廟の案内板



実際に訪れてみると想像した以上の威容がありました。
入口付近の外壁には孔子の77代目の子孫である孔徳氏の揮毫による「萬仭宮牆」という文字が装飾として掲げられています。「学問に近道はなし、一生懸命修行せよ」という意味だそうで、萬は数量の多さ、仭は長さの象徴で学問の深遠さを表しているそうです。


櫺星門の前で



それでは、「 台北ナビ」を参考に主要な建物を紹介します。
●櫺星門
門板に108個の門釘が打たれている。108というのは天上の108星座を象徴しています。この辺りの屋根には龍、麒麟、花、馬、虎、人々など色彩豊に装飾が施されています。特に屋根の背、端には「鴟物」と呼ばれる陶の「龍頭魚尾」という龍のようなものが見られます。当時は火災が多く、この「鴟物」が波をたたきおこし、雨を降らせるといった防火の意味があるそうです。また、石柱に施された龍の彫刻も見事。波から天へと登っていく躍動感が印象的です。(「 台北ナビ」より)


大成殿

大成殿の内部

大成殿の内部

大成殿の中で



●大成殿
櫺星門を抜けると「大成殿」です。この施設内の中心部には孔子の位牌、左右には弟子たちの位牌が祀られています。赤を基調とした天井飾りや祭事に使う楽器が陳列されています。天井飾りは八角形の装飾が何層にも重なっており、奥行きを感じさせる空間演出が印象的です。
「大成殿」の東側と西側には、それぞれ「東廡」「東廡」という建物があり、孔子の弟子や儒学者、154人が祭られています。
また、「大成殿」の周囲には「六芸」の部屋があります。六芸とは「礼」 祭祀の礼、「楽」 声楽・楽器・舞踏、「射」 弓術「御」 馬術、「書」 識字・習字、「数」 数学・天文学・物理のこと。(「台北ナビ」より)


まさに儒教の殿堂です



資料コーナーも充実しています。「釈奠典礼」に使用する礼器や楽器も展示されていますが、映像パネルで楽器を選ぶと映像の中の人が演奏をするという仕掛けや自分の顏写真を撮影して映像内の舞踏に参加できるなど、エンターテインメント性の高い展示となっています。
さらには、学校として使用されていた「明倫堂」という建物もあり、現在でも論語教室、書道教室などが開かれているそうです。
この建物の1Fにはコーヒーショップやギフトショップが入っていますが、御土産やお守りも充実していました。


「人間尊重」を求めて



ご存知のとおり、わたしは冠婚葬祭の会社を経営しています。日々、多くの結婚式や葬儀のお手伝いをさせていただいていますが、冠婚葬祭の基本となる思想は「礼」です。「礼」とは、「人間尊重」ということだと思います。
ちなみに、わが社のミッションも「人間尊重」です。
また、わたしは大学の客員教授として多くの日本人や中国人留学生に「孔子」の思想を教えてきました。主宰する平成心学塾では、日本人の心の柱である神道・仏教・儒教を総合的に学び、日本人の幸福のあり方を求めてきました。さらに、これまで多くの本も書いてきました。
孔子や『論語』にまつわる著書もあります。


わたしの仕事は礼業です!



それらの活動は、バラバラのようで、じつは全部つながっていると考えています。それらは、すべて「天下布礼」ということです。人間尊重思想を広く世に広めることが「天下布礼」です。昨今、日本人の「礼」は危機的状況にあるように思います。親が亡くなっても葬式をあげない人が増え、『葬式は、要らない』や『0葬』などという本まで登場しました。わたしは、「このままでは日本人が大変なことになってしまう」と危惧し、『葬式は必要!』や
永遠葬』という本を書き、こうした安易な風潮に警鐘を鳴らし続けています。そして、『唯葬論』および『儀式論』の二大ライフワークで葬式不要論者にはトドメを刺したつもりです。


父とともに

同志とともに



世界に数ある宗教の中で、儒教ほど葬儀を重要視するものはありません。孔子が開いた儒教は、何よりも「親の葬礼」を人の道の第一に位置づけました。人生で最も大切なことは、親のお葬式をきちんとあげることなのです。逆に言えば、親のお葬式をあげられなければ、人の道から外れてしまいます。わたしたちの仕事は、多くの方々に堂々と人の道を歩んでいただくお手伝いをしているのです。これほど、世のため人のためになる仕事はないと心から誇りを感じています。わたしたちの仕事は礼業です!


孔子廟売店

売店孔子看板と

売店には孔子グッズがいっぱい!

売店の横に学業成就の絵馬が・・・



わたしは、人類史上で最も孔子を尊敬しています。孔子ほど「社会の中で人間がどう幸せに生きるか」を追求した人はいません。
そんな想いや行動が認められ、2012年には第二回「孔子文化賞」を受賞する栄誉に浴しました。50周年というわが社とっての大きな節目に台北孔子廟に参拝し、孔子が説いた「礼」の精神をしっかりと守っていくことを誓ったことは言うまでもありません!


礼を求めて

礼を求めて

儀式論

儀式論

*よろしければ、本名ブログ「佐久間庸和の天下布礼日記」もどうぞ。



2017年3月3日 一条真也