無礼者日本一決定戦の開催を!

一条真也です。
九州はものすごい大雨で、何度もガラケースマホの警報音が鳴りました。
総務相や法相などを歴任した自民党鳩山邦夫衆院議員がお亡くなりになられました。福岡6区ということで、わたしもパーティーなどで何度かお会いしたことがあります。享年67歳とのこと、心より御冥福をお祈りいたします。


6月22日「ヤフーニュース」より



さて、ネットで「古市憲寿氏に小沢氏が激怒した問題で討論主催者謝罪」という記事を見つけました。「日刊スポーツ」が配信した記事ですが、以下のように書かれています。
「19日に都内で行われた与野党9党首による『ネット党首討論』の席上、司会を務めた社会学者の古市憲寿氏(31)が、生活の党の小沢一郎代表(74)にプライベートな問題を質問し、小沢氏が激怒した問題で、討論の主催者サイドは21日、大手インターネット動画サイト『ニコニコ』のホームページ上に、謝罪コメントを掲載した」


6月22日「ヤフーニュース」より



続けて、記事には以下のように書かれています。
「主催したのは、ネット事業者10社によるネット選挙応援プロジェクト『わっしょい!ネット選挙』。具体的な経緯には触れていないが、『番組内で不適切な発言がありました。これにより出演者ならびに視聴者、関係各位に多大なご迷惑をおかけしましたことを深くお詫び申し上げます』としている。古市氏は討論の中、小沢氏に『小沢さんの再婚相手が見つかったかどうか、聞いてみたい』『興味がある』などと、質問。テーマは経済政策や憲法問題などで、質問がテーマとは無関係だったこともあり、小沢氏は『それは今日のテーマですか』『興味でこういう討論するというのは、どうなのか』と、強い調子で反論した」


古市氏の非常識な行動には驚きです。
しかし、さらに驚くべきは以下の記事の続きです。
「しばらく各党党首のやりとりが続いた後、古市氏は『これを読んだ方がいいんですか』と、渡されたとみられる紙を見ながら、『小沢さん、先ほどは失礼いたしました。発言を撤回しておわびします』と述べた。ただ、古市氏は紙を読み上げただけで、正式な謝罪のスタイルではなかった。司会者サイドが『こういう場では、人柄を見るのが意味があると思った』とも述べたため、小沢氏は、態度を硬化。『それは、おわびじゃない。おかしい。どうかしている』『おわびをするなら、きちんとしなさい』と古市氏らをたしなめ、会場の空気は一気に凍り付いた」


わたしは、これを読んで「ああ、世も末だなあ」と溜め息をつきました。
古市憲寿氏は非常識を通り越して、人間失格であると思います。
「人間尊重」としての「礼」というものがまったくわかっていません。
「こういう場では、人柄を見るのが意味があると思った」という司会者サイドの言い訳もふざけています。31歳の若者が74歳の人生の大先輩に対して、そんな非礼な行為が許されるとでも思っているのでしょうか?
ニコニコ動画が主催者として謝罪するという態度は正しい判断でしたが、せっかくの好判断を古市氏は台無しにしてしまいました。


絶望の国の幸福な若者たち

絶望の国の幸福な若者たち

だから日本はズレている (新潮新書 566)

だから日本はズレている (新潮新書 566)

古市氏は、2011年に著書『絶望の国の幸福な若者たち』(講談社)を刊行して注目を浴びた評論家です。「カリスマシェフ」とやらを名乗っている人物に川越達也という人がいますが、彼と古市氏がよく似ていて、最初は見分けがまったくつきませんでした。よく「社会学者」などとして紹介されていますが、彼は学者ではありません。大学院生です。現在、東京大学大学院博士後期課程に在籍しています。現代日本の若者をテーマにした著作を発表しているようですが、『絶望の国の幸福な若者たち』、あるいは評判になったという『だから日本はズレている』(新潮新書)など何冊か立ち読みしてみましたが、まったくピンときませんでした。
というか、ズレているのは古市クンのほうじゃないの?
社会学者になる前に、社会人にならないといけませんよ。


古市氏は、若者の社会貢献志向、他者志向が強いことを肯定的に評価しながらも、彼らがコンサマトリーと呼ばれる世界のなかで生きていると主張しています。その上で、社会を変えたいならば、「自己中」になることが必要だと提言しています。「人権ってのはわがままのことなんです」という言葉を引用しながら、それを調整する政治の可能性を語っています。そのうえで現代の若者にはむしろ「自己中」であることが必要だと示唆しているわけです。しかし、彼の言う「自己中」は「甘え」を言い換えたものとしか思えません。


「甘え」の構造 [増補普及版]

「甘え」の構造 [増補普及版]

弘文堂から刊行されている書籍に土居健郎の『「甘え」の構造』という名著がありますが、その内容を連想するような発言が古市氏には多いように思います。つまり、古市氏は「甘え」ているのです。いま、古市氏はTVの「ワイドナショー」で、長渕剛やら長島一茂やら、いろんな人を激怒させているようですね。困ったものです。こんな薄っぺらい人物を朝日新聞が「信頼回復と再生のための委員会」の外部委員に選んだときは、変に納得しました。


朝日はかつて、「朝日ジャーナル」誌上で「若者たちの神々」および「新人類の旗手」という人物紹介の連載を行いました。「若者たちの神々」のほうはそれなりの才能を紹介していましたが、「新人類の旗手」はカスが多かったように記憶しています。単に「感性」や「トレンド」などの空虚な言葉を口にして、とりあえず現状を否定すればカッコいいみたいな空気が彼らの間には漂っていました。そして彼らの多くは非常識で礼儀知らずの若者でした。こんな内容のない若者をおだてるメディアの責任も重大ですが、いつの世でも、礼儀知らずの甘えた若造を叱る大人がいなくてはいけません。


安倍首相に向かって合掌する山本太郎議員(写真:時事通信社


わたしは、小沢一郎氏に何の御縁もお付き合いもありません。
もちろん政治家としての実力は認めていました。いずれは首相になる方だと見ていましたが、山本太郎と組んだときは「小沢一郎も終わったな」と思いました。「生活の党と山本太郎となかまたち」という党名を聞いたときは爆笑しました。憲政史上最低の党名だと思います。その山本太郎ですが、ブログ「葬式ごっこ許すな!」で紹介したように、2015年9月18日に彼はとんでもないことをしました。参院本会議での安倍晋三首相の問責決議案採決の際に、なんと喪服を着用して焼香するしぐさをしたのです。はっきり言って、彼は政治家に値しないどころか、最低の人間です。


2015年9月26日「産経ニュース」より



しかし、「生活の党と山本太郎となかまたち」の代表である小沢氏は、山本を叱責したそうです。強く山本を叱った後で、小沢氏は「本気でやっているのはわかるけれども、それをふざけてると取られてしまえば、君のやっていることが元も子もなくなる」と諭したとか。これを知って、わたしは小沢一郎に対して「さすがだな」と思いました。議員バッジを長年つけているだけあって、「礼」というものはわかっているようです。「礼」を知る者は「人間通」であり、それは政治家にとって最も求められる資質です。


田中角栄 100の言葉 ~日本人に贈る人生と仕事の心得

田中角栄 100の言葉 ~日本人に贈る人生と仕事の心得

思えば、小沢一郎氏の師は、田中角栄元首相でした。
ブログ『天才』http://d.hatena.ne.jp/shins2m+new/20160205/p1:title=ブログ『田中角栄100の言葉』]で紹介したように、いま、田中角栄が大ブームとなっています。彼を有罪と断じたロッキード裁判についても再検証の機運が盛り上がっており、近くNHKスペシャルの検証番組も放送されるとか。その角栄は、「祝い事には遅れてもいい。ただし葬式には真っ先に駆け付けろ。本当に人が悲しんでいるときに寄り添ってやることが大事だ」という名言を残しています。角栄こそは「礼」を知り尽くした大いなる「人間通」でした。



こんな大物に比べるまでもなく、山本氏や古市氏の小物ぶりは際立っています。もうすぐ6月26日の「世界格闘技の日」ですね。40年前にモハメド・アリアントニオ猪木が「格闘技世界一決定戦」を行った日です。
わたしは、この記念すべき日に、山本太郎氏と古市憲寿氏の2人で「無礼者日本一決定戦」と題したトークショーの開催を提案します。ルールはいたってシンプルで、普通に会話して、先に怒ったほうが負けです。(笑)
この2人の対決は、スーパーマンvsバッドマン、いや、貞子vs伽椰子よりもスリリングで面白そうじゃないですか!



*よろしければ、本名ブログ「佐久間庸和の天下布礼日記」もどうぞ。



2016年6月22日 一条真也