プロフェッサー

一条真也です。
ブログ「青木新門氏にお会いしました」で紹介したように、『納棺夫日記』を書かれた青木新門氏にお会いして葬儀について意見交換させていただきましたが、20日も素晴らしい「葬儀のプロ」にお会いしました。
「プロ」とは「プロフェッショナル」ではなく、「プロフェッサー」の略です。


伊藤茂教授



伊藤茂という方で、中国にある「長沙民政学院」の遺体管理学の教授です。
東京都監察医務院に10年間勤務され、数多くの検案・行政解剖業務に従事。医療機関および研究所を経て東京都衛生局(健康福祉局)、東京都監察医務院勤務。警視庁・鉄道公安(現警視庁)・皇宮警察海上保安庁自衛隊警務部・法務省矯正施設管区内で発生した変死体および海外で死亡した変死体の検案業務および行政解剖業務に従事されました。


エンバーミングの第一人者です



その後、伊藤教授は国内各地のエンバーミング施設で困難遺体を主にエンバーミング処置を担当されました。政府機関、国内司法・行政機関等の要請による問題の多い20か国以上の外国人遺体に対してエンバーミングを行い、本国送還を担当する傍ら、海外で死亡した日本人遺体の修復や阪神淡路大震災および東日本大震災時の現地遺体処置責任者、スマトラ島沖地震日本人被災遺体の帰国に際しての遺体処置を担当されました。
まさに、「きわめびと」と呼ぶべき方であります。


守禮之邦の「おくりびと」と



さらに伊藤教授は、遺体処置に関する教育、講演、執筆活動を経て、科学的根拠に基づいた適切な遺体処置の研究を目的に「SLR遺体の科学研究所」を設立されました。2005年より、中国民政部(厚生省)系大学に招聘され、長沙民政職業技術学院殯葬学部教授(遺体管理学)、湖南省錫周国際防腐研究所副所長を兼務。中国民政部殯葬協会技術総監、中国政府資格(遺体処置・遺体国際搬送)担当、教務教授も務めておられます。


ご遺体の変化と管理―“死後の処置”に活かす

ご遺体の変化と管理―“死後の処置”に活かす

ご著書には『ご遺体の変化と管理』(照林社)、『遺体管理の知識と技術』(中央法規出版)などがあります。驚いたのは、伊藤教授のお父上は晩年を沖縄の石垣島で過ごされたそうで、お葬儀を八重山紫雲閣でお世話させていただいたそうです。そんな御縁があったとは初めて知りましたが、この世が有縁社会であることを再確認しました。


伊藤教授を囲んだ黒木・青木・市原トリオ



伊藤教授は、「遺体管理学」という公式HPをお持ちです。
サンレー紫雲閣グループの黒木昭一部長、青木博総支配人、市原泰人課長らが伊藤教授のHPを愛読しているとのことで、ご本人と対面して感激していました。わたしも、「プロフェッサー」という呼び名にふさわしい伊藤教授の知性、豊かな人間性に魅了されました。何よりも、遺体管理を通して「人間尊重」に努めておられる生き様に感銘を受けました。
日本に葬儀大学を設立するという高邁な志も抱いておられます。わたしも、出来る限りの協力をさせていただきたいです。


これからも、よろしくお願いいたします!



ブログ「葬祭責任者会議」で紹介したように、伊藤教授には20日夜の懇親会に参加していただき、大いに意見交換をさせていただきました。伊藤教授が日本の葬祭業界の内情に明るいことには驚きました。謎の人物の正体なども教えていただき、収穫は大きかったです。


遺体管理についてレクチャーする伊藤教授



また、21日の10時からは責任者会議で紫雲閣グループのメンバーを前に貴重なお話をしていただきました。みんな熱心に聴講し、「大変勉強になった」と感想を述べていました。おかげさまで有意義な時間となったようです。伊藤教授、これからも御指導よろしくお願いいたします。



*よろしければ、本名ブログ「佐久間庸和の天下布礼日記」もどうぞ。



2016年6月21日 一条真也