黒部

一条真也です。
ブログ「全互連総会」に書いたように、7日、富山で全互連の総会および懇親会が盛大に開催されました。昨夜は全国の同志とともに、いささか飲み過ぎてしまいました。朝起きるのがかなり辛かったです。


さあ、黒部ダムへ!

駅のようす

ようこそ黒部ダム

階段あり!



翌8日の朝からはオプションの米沢&山形観光に同行しました。
全互連の総会というのは、必ず観光ツアーがオプションで付きます。
各地の名所を仲間と一緒に回るのは至福のひとときです。道すがら、業界の諸問題についての意見交換をしたりもします。また、互助会経営者の奥様方なども参加されるので、ファミリー感覚で全互連の結束力が強まります。この観光ツアーは人間関係を良くする魔法なのです。


黒部ダムの模型の前で



午前7時、宿のオークスカナルパークホテル富山を出発して、わたしたちはまず扇沢へ向かいました。そして、そこから黒部ダムへ・・・・・・。
ブログ「立山・黒部の旅」で紹介したように、2008年10月末にサンレー北陸の社員旅行で訪れて以来でした。
黒部ダムは、富山県中新川郡立山町黒部川水系黒部川に建設されたダムです。ダムに貯えられた水を利用している発電所黒部川第四発電所(黒四)であることから、黒四ダム(くろよんダム)の名で親しまれています。


黒部の景観

素晴らしい眺めでした

クマ男出現!!

銅像の下で

ここが黒部ダムだ!!

黒部の景観

素晴らしい眺めです



大自然の中、幾多の困難を乗り越えて昭和38年(1963年)に黒部ダムは完成しました。わたしが生まれた年です。この世紀の大事業は、高さ186メートル、長さ492メートル、日本最大のアーチ式ドーム越流型ダムでした。毎秒10トン以上の水を吹き出す黒部ダムの観光放水は、迫力満点です。平成15年(2003)6月には新展望広場が完成しました。
昭和43年(1968年)には、三船プロ石原プロの共同製作した映画「黒部の太陽」が公開されました。監督は熊井啓三船敏郎石原裕次郎が共演しています。日本映画を代表する二大スターの夢の共演でした。


黒部の太陽 [通常版] [DVD]

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黒部ダム公式サイトで、簡単に黒部ダム建設の歴史をみてみましょう。
黒部川電源開発は大正時代から始まりました。高い山々に挟まれた黒部峡谷は古くから人々をよせつけない地形でしたが、降水量が多く急峻な河川であることから、水力発電にきわめて有利な条件を備えていました。
戦後の急速な経済復興は、関西地方に深刻な電力不足をもたらしていました。火力発電のでは変動する電力需要にすばやい対応ができなかったため、それを補うための水力発電の開発は、発足して間もない関西電力にとって急務でした。昭和31年8月に開始された大町トンネルの工事は全断面掘削機など最新鋭の機材を次々と導入し、工事は順調に進んでいました。ところが1691メートル掘り進んだ地点で「破砕帯」に遭遇。『くろよん建設』最大の危機が訪れたのです」


破砕帯とは、岩盤が割り砕かれて、多くの隙間を持つようになった地層のことで、断層の運動などによって発生するものです。破砕帯は通常の地盤に比べて軟弱であり、地下水などが含まれている場合も多いため、トンネル工事などでは岩盤の脆い危険地帯となり、地震発生の際には活断層と共に大きく動く危険性があるのです。


トンネルをくぐる

黒部湖駅にて



黒部ダム建設工事現場は秘境ともいえる山奥であり、初期の工事は建設材料を徒歩や馬やヘリコプターで輸送せざるを得ず、作業は困難を極めたといいます。このためダム予定地まで大町トンネル(現在の関電トンネル)を掘ることを決めたものの、トンネル内の破砕帯から大量の冷水が噴出し、死者が多数出る大変な難工事となってしまったのです。このため別に水抜きトンネルを掘り、薬剤とコンクリートで固めながら(グラウチング)掘り進めるという当時では最新鋭の技術が導入され、その結果9ヶ月で破砕帯を突破してトンネルが貫通、工期が短縮されたといいます。


黒部・立山アルペンルートの案内板



この大町トンネルの開通により「黒部ダム」と「黒部川第四発電所」の建設が一挙に本格化し、急ピッチで進められました。昭和38年6月、着工から7年の歳月を経て、総工費513億円、延べ1000万人の人手により、国内最大級のダム水路式発電所「くろよん」竣工したのです。
黒部の谷と言えば、もともと登山者以外は入山しない秘境だったわけですが、いまでは誰もが容易に観光することが可能となり、幅広い年齢層の観光客で大変な賑わいをみせています。
これまでに訪れた観光客は延べ4000万人以上、現在も毎年100万人以上の観光客が黒部ダムを訪れています。


ケーブルカーに乗り込む

黒部渓谷にて



このダムが生み出したのが、北陸地方屈指の人造湖が黒部湖です。黒部ダムの総貯水量は約2億立方メートルになるそうです。公式サイトによれば、石油の輸送に使われるタンカー、VLCC(20万トン以上の油を積める超大型タンカー)で量ると黒部ダムの総貯水量はタンカー約1000隻分になるといいます。



*よろしければ、本名ブログ「佐久間庸和の天下布礼日記」もどうぞ。



2016年6月8日 一条真也