本当の人間尊重は礼をすることだ

一条真也です。
東京に来ています。発行部数18万部の「リビング北九州」連載の「一条真也の心に残る名言」の第31回目です。今回は、安岡正篤の「本当の人間尊重は礼をすることだ」です。


「リビング北九州」11月28日号



言葉は、人生をも変えうる力を持っています。今回の名言は陽明学者として多くの宰相を指導した安岡正篤の言葉です。
「礼」はわたしにとって最も重要な思想であり、『礼を求めて』(三五館)という著書があるくらい、いつも「礼とは何か」について考え続けています。また、わたしが経営するサンレーのミッションは「人間尊重」ですが、この源流も「礼」なのです。古代中国における孔子にはじまる儒家は、「礼」の思想にもとづく秩序ある社会の実現をめざしていました。



「人間はなぜ礼をするのか」という問いに対して、安岡は「吾によって汝を礼す。汝によって吾を礼す」と述べています。安岡は「本当の人間尊重は礼をすることだ。お互いに礼をする、すべてはそこから始まるのでなければならない。お互いに狎(な)れ、お互いに侮り、お互いに軽んじて、何が人間尊重であるか」と喝破しました。



頭を下げて礼をするのは「相手の人のためにするのだ」と大部分の人は思っています。しかし、それは大違いであると、安岡は言います。礼というものは、相手にすると同時に、自らが自らに対してするというのが本義だというのです。



*よろしければ、本名ブログ「佐久間庸和の天下布礼日記」もどうぞ。



2015年11月28日 一条真也