未来医師、『和を求めて』を読む

一条真也です。
未来医師イナバ」こと東大病院の稲葉俊郎先生が、ご自身のブログ「」に「一条真也『和を求めて』」を書いて下さいました。
稲葉先生といえば、最近も、「一条真也『唯葬論』(前編)」、「一条真也『唯葬論』(後編)」、「一条真也『永遠葬』」という超弩級のブログ記事を書いて下さっていますが、それらに続く凄い書評になっています。


一条真也『和を求めて』より



わたしの最新作である『和を求めて』(三五館)を取り上げて、稲葉先生はまず以下のように書かれています。
「こうして『和』をテーマに編まれた本を読むと、一条さんの根底には常に『和』の精神が一貫して流れていることを感じました。本文にもありますが、『和』は『平和』へつながる大切な心情なのです。個々の『和』の調和の意識が波紋のように伝わることで、『平和』はおのずから生まれるのでしょう。そして、『笑い』とは『和来』であり、『和』を呼び込むこと」



そう、「笑い」とは「和来」であり、「和」を呼び込むことです。
稲葉先生は、「笑う神々 東京ノーヴィ『古事記』」という19日のブログ記事で、東京ノーヴィレパートリーシアターの舞台「古事記天と地といのちの架け橋〜」について以下のように書かれています。
「日本神話の神々を、笑顔として表現しているのが素晴らしい。
笑顔ではじまり、天岩戸の神々の笑いで終わる。メビウスの輪のようにループする。その展開が素晴らしい。笑いは意味や論理を超えている。笑いが笑いを生み出し、笑いが笑いの共鳴を起こす。笑顔が笑顔を生み出し、笑顔が笑顔の共鳴を起こす」
まさに「笑い」は「和来」であり、大和に平和が訪れる秘儀なのです。
なお、ブログ「古事記〜天と地といのちの架け橋〜」にも書きましたが、同舞台は鎌田東二先生の原作で、わたしも鑑賞して非常に感動しました。
来年の秋、サンレー創立50周年記念イベントとして、北九州市での上演を計画しています。今から、とてもワクワクしています。


論語 (岩波文庫 青202-1) 孟子 (講談社学術文庫) 風姿花伝 (岩波文庫) 芭蕉紀行文集―付嵯峨日記 (岩波文庫 黄 206-1)


また、稲葉先生は『和を求めて』の内容に触れて、「この本では、花にまつわること。月にまつわること。和歌にまつわること・・・日本の伝統に根ざした色々なことがあり、とても勉強になりました。一条さんの広く深い教養に感動します」などと書かれていますが、逆にわたしは稲葉先生の広く深い教養に感嘆しました。読書の感想コメントが、いちいち優れた稲葉流の日本文化論になっているのです。それらは稲葉先生が自ら読まれた名著の感想とも重なっていきます。すなわち、『論語』、『孟子』、『風姿花伝』、『芭蕉紀行文集』などの世界です。白川静の『回想九十年』まで取り上げられているのには驚きました。未来医師はなかなか渋い読書をしていますね。



拙著が未来医師の脳を刺激したのだとしたら、こんな光栄なことはありませんが、おそらく稲葉先生とわたしの関心領域というか問題意識が似ているのでしょう。実際、稲葉先生は以下のように書かれています。
「自分は医学や生物学からのアプローチで、内臓としての植物世界の重要性に行きつき、心身への深い理解へ至るためのアプローチとして、能楽などの伝統芸能に行きつきました。自分の今の心情にピタリとくる内容で、シンクロニシティーを感じました」


イベントの告知にも感謝!!



最後に稲葉先生は、ブログ「東京自由大学講演のお知らせ」で紹介した22日のイベントについても告知して下さっています。
NPO法人東京自由大学の特別企画イベントで、会場も同大学です。第一部はわたしが『唯葬論〜なぜ人間は死者を想うのか』について語り、第二部は『満月交遊 ムーンサルトレター』刊行記念として「バク転神道ソングライター」こと鎌田東二先生と大いに語り合います。
稲葉先生は「自分は行く予定ですが、まだ空きがあるとのことですので、お時間ある方は是非ご参加を!」とまで書いて下さいました。まったく、かたじけなさに涙こぼるる思いであります。
当日、稲葉先生とお会いできることを心より楽しみにしています。14時から17時までですので、お時間のある方はぜひ!



*よろしければ、本名ブログ「佐久間庸和の天下布礼日記」もどうぞ。



2015年11月21日 一条真也