心の中の十の世界 


一人の人間の心の中には、十の世界がある


一、あらゆる執着を捨てた「仏の世界」
二、他人を思いやる「菩薩の世界」
三、自然の法則に従う「縁覚の世界」
四、正しい意見に耳を傾ける「声聞の世界」
五、人の不幸など知らぬ「天人の世界」
六、迷いの中で苦しんでいる「人間の世界」
七、争いごとばかりの「修羅の世界」
八、弱肉強食の「畜生の世界」
九、つねに欲求不満だらけの「餓鬼の世界」
十、憎しみだけに満ちている「地獄の世界」


以上の、四つの善の世界と六つの悪の世界が、同じ人間の心の中で同居している。
(『性霊集』)



一条真也です。
空海は、日本宗教史上最大の超天才です。
2015年は、高野山金剛峯寺開創1200年記念イヤーです。
高野山では4月2日から5月21日まで50日の間、弘法大師空海が残した大いなる遺産への感謝を込めて、絢爛壮麗な大法会が執り行われました。この記念として、わたしは『超訳 空海の言葉』(KKベストセラーズ)を監訳しました。現代人の心にも響く珠玉の言葉を超訳で紹介しています。



空海は「お大師さま」あるいは「お大師さん」として親しまれ、多くの人々の信仰の対象ともなっています。「日本のレオナルド・ダ・ヴィンチ」の異名が示すように、空海は宗教家や能書家にとどまらず、教育・医学・薬学・鉱業・土木・建築・天文学・地質学の知識から書や詩などの文芸に至るまで、実に多才な人物でした。このことも、数多くの伝説を残した一因でしょう。「一言で言いえないくらい非常に豊かな才能を持っており、才能の現れ方が非常に多面的。10人分の一生をまとめて生きた人のような天才である」
これは、ノーベル物理学賞を日本人として初めて受賞した湯川秀樹博士の言葉ですが、空海のマルチ人間ぶりを実に見事に表現しています。


超訳空海の言葉

超訳空海の言葉

*よろしければ、本名ブログ「佐久間庸和の天下布礼日記」もどうぞ。



2015年11月8日 一条真也