「ジュラシック・ワールド」

一条真也です。
連日の猛暑で夏バテしてしまい、東京出張から帰ってからはグッタリ。
8日の土曜日は久々の休みでしたが、どうにもグロッキー気味です。
それでも、5日に公開された話題の映画「ジュラシック・ワールド」を夕方から観に行きました。帰りには焼肉を食べてスタミナをつけました。


スティーブン・スピルバーグの代表作の1つである「ジュラシック・パーク」(1993年)から22年を経て、前作では実現に至らなかったテーマパーク「ジュラシック・ワールド」をオープンさせたのが「ジュラシック・ワールド」です。過去シリーズ3作品の世界観を継承しつつも、さらなる創造性を加えて、アップデート感に溢れた最新作となりました。


ヤフー映画の「解説」には以下のように書かれています。
スティーヴン・スピルバーグが製作総指揮を務める、『ジュラシック』シリーズ第4弾となるアドベンチャー大作。恐竜をテーマにした巨大テーマパークを舞台に、遺伝子操作によって生み出された新種の恐竜が脱走、人間や恐竜を襲うさまを臨場感たっぷりに描き出す。主演は、『ガーディアンズ・オブ・ギャラクシー』などのクリス・プラット。監督は、『彼女はパートタイムトラベラー』のコリン・トレヴォロウ。驚異的なビジュアルやハイテンションな展開のサバイバルに期待」


また、ヤフー映画の「あらすじ」には以下のように書かれています。
「世界的な恐竜のテーマパーク、ジュラシック・ワールド。恐竜の飼育員オーウェンクリス・プラット)が警告したにもかかわらず、パークの責任者であるクレア(ブライス・ダラス・ハワード)は遺伝子操作によって新種の恐竜インドミナス・レックスを誕生させる。知能も高い上に共食いもする凶暴なインドミナス。そんな凶暴なインドミナスが脱走してしまい・・・・・・。」


オープニングで恐竜の足が大写しになったかと思ったら、それは小鳥の足でした。鳥類が恐竜の子孫であることを見事に示した冒頭の映像から、わたしは一気に物語の世界へ引き込まれ、自分自身が恐竜テーマパークを体験しているような錯覚をおぼえました。


自分自身が体験しているようでした(映画HPより)



子どもの頃、夏休みは「東宝チャンピオンまつり」で、いつもゴジラが主人公の怪獣映画を観ていましたので、なんだか懐かしくなりました。
ちなみに「ジュラシック・ワールド」の解説書的な出版物がたくさん出ていますが、わたしは「映画秘宝」9月号臨時増刊の『最新恐竜映画図鑑』(洋泉社)が一番気に入りました。何よりも表紙をはじめとしたレトロなイラストが素晴らしい。少年時代の『怪獣図鑑』の記憶が甦って、ワクワクします!


この映画には、さまざまな恐竜が登場します。「こんなものSFの世界だけで、現実には存在しない」ということはよくわかっていますが、不思議なリアリティがあるのは、基本的にサファリ・パークという実在する施設の延長線上にあるからです。もともと動物園そのものが驚異の施設でしたし、動物を檻の中に入れずに放し飼いにするサファリ・パークの登場は衝撃的でした。ジュラシック・ワールドの恐竜のように、サファリ・パークのライオンやトラが逃げ出しても大騒ぎになります。


恐竜テーマパーク「ジュラシック・ワールド」(映画HPより)



印象的だったのは、22年前は恐竜の姿を見て驚いていた人々も今ではすっかり慣れてしまって、象くらいにしか思わないというくだりです。そのために、さらに観客の興味を引くために遺伝子工学を駆使してハイブリッドの新種を作り出すわけですが、次々に刺戟を求めてやまない貪欲で飽きっぽい消費者のいやらしさのようなものを感じました。


貪欲な消費者と商業主義がアトラクションを増やす(映画HPより)



また、貪欲な消費者に劣らず、企業の側も過剰な商業主義を打ち出しており、資本主義の悪しき面が大惨事を招いたように思います。最近の日本でも巨大企業の粉飾決算、各種の不正や偽装、ブラック体質などが問題になっていますが、これまた資本主義、商業主義のいやらしさも強く感じました。もともと古代の恐竜を蘇らせるという行為は「ロマン」の世界ですが、それが「ソロバン」の世界に堕したとき、不幸は始まります。


ジュラシック・ワールド」のチラシ(表)



話は変わりますが、『唯葬論』を読んで下さったある方から、「一条さんは、昔からまったくブレてませんね」と言っていただきました。その方は、「一条さんのような主義・主張で生きている人間は珍しいですよ」とも言いました。みんな、どんな主義・主張があっても、それだけでは食べていけないので現実に対応すべく、自らの主義・主張を曲げざるをえないというのです。わたしは、いつまでも「主義・主張で生きる人間」でありたいと思います。そして、この映画の舞台である恐竜パークも当初の「主義・主張」すなわち「理想」を忘れなければ、大惨事に見舞われることもなかったでしょう。


ジュラシック・ワールド」のチラシ(裏)



この「ジュラシック・ワールド」、各地の映画館で満員を記録しているようですが、ブログ「映画都市のたのしみ」で紹介したように、北九州市は日本で最もシネコンが充実している都市ですので、上映館もたくさんあります。本当は話題の4DXを導入している「小倉コロナシネマワールド」で鑑賞しようかとも考えたのですが、自宅から少し遠いので躊躇し、結局は自宅から車で5分で行ける距離にある「シネプレックス小倉」で3Dで観ました。



*よろしければ、本名ブログ「佐久間庸和の天下布礼日記」もどうぞ。



2015年8月9日 一条真也