介護難民は北九州市へ!

一条真也です。
本日6月5日は「老後の日」だそうです。昨日4日、民間有識者でつくる日本創成会議(座長・増田寛也総務相)は、東京都と周辺の3県で高齢化が急速に進んでいるという報告をまとめました。


「介護難民」について報道する朝刊各紙


報告によれば、2025年に介護施設が約13万人分不足すると推計されています。10年後には、なんと43万人もの「介護難民」が生まれるとか。
また、介護施設などが充実している全国41地域を例示し、高齢者に移住を促すべきだと提言しています。政府は、今後まとめる地方創生戦略で新型交付金を活用した高齢者移住策を打ち出す方針です。



わたしは、全国の高齢者の方々は北九州市へ移住すべきであると思います。ブログ「民生委員総会講演」でも紹介しましたが、北九州市の最大の特徴は高齢者が多いことです。98万1174人の人口に対して、65歳以上の高齢者は25万7315人で、高齢者比率はじつに26・2%となっています(数字は、いずれも平成25年3月31日、住民基本台帳人口要覧による)。この高齢者比率は、全国に20ある政令指定都市の中で最も高い数字です。


北九州市はいわば「日本一の高齢化都市」であると言ってよいでしょう。そこで、わたしは日本中の高齢者の方々にも北九州市に来ていただきたいと考えています。現在、全国には600万8000人(平成27年、内閣府の推定)もの独居老人が分散しています。そういった方々に北九州に参集していただき、余生を過ごしていただきたいのです。



日本一の高齢化都市である北九州市は「好老都市」にならなければなりません。北九州市こそが、まず先駆けとして「好老都市」になるべきなのです。わたしは「好老都市」のことを「グランドシティ」と呼んでいます。この方が国際的に意味か通りやすいですし、明るくポジティブな印象があります。現在、特区行政ということで、物流特区など数多くの特区が全国につくられています。わたしはぜひ北九州市に「高齢者福祉特区」をつくるべきだと思います。



全国には独居老人すなわち1人暮らしの高齢者が600万人以上もいます。その人たちをはじめ、全国の高齢者が北九州市の「高齢者福祉特区」に集ってくるといいと思います。もともと北九州市は医療施設や介護施設が充実していると言われますが、それらをさらに充実させて、逆に税金や医療費は安くする。買い物はもちろん、高齢者向けのレジャー施設やカルチャー施設も充実させる。つまり徹底して、高齢者にとって安心で楽しくて生きがいを持てる街をつくるのです。


もちろん、これらをすべて北九州市民の税金だけでまかなうのは大変ですし、はじめから不可能です。しかし「高齢者福祉特区」なら、国が負担します。国も、全国に先駆けて理想的な高齢都市のモデルづくりができれば、国益を高めると判断するはずです。全国各地でバラバラに高齢都市モデルをつくるより、日本一の高齢化都市である北九州市において集中的に実験した方が効果は上がります。



北九州市は、高齢者が多いことを「強み」として、日本一、高齢者が安心して楽しく生活できる街づくりを目指すべきです。そこで、大事なポイントは「孤独死をしない」ということ。わが社を中心に年間250回以上開催されている「隣人祭り」をはじめとした多種多様な「隣人交流イベント」のノウハウを駆使して、孤独死を徹底的に防止するシステムを構築することが必要です。そうなれば、「北九州にさえ行けば、仲間もできて、孤独死しなくて済む」というふうになるのではないでしょうか。全国の独居老人には、どんどん北九州に移住していただきたいと願っています。



わたしは「人は老いるほど豊かになる」というコンセプトに基づく「老福都市」をイメージし、そのモデルとして2004年に高齢者複合施設「サンレーグランドホテル」を北九州市八幡西区に作りました。セレモニーホールと高齢者用のカルチャーセンターなどが合体した前代未聞の施設として大きな話題になりました。「老い」と「死」に価値を置く施設であるサンレーグランドホテル北九州市に誕生したことは多くの方々から評価されました。なぜなら、高齢化が進む日本の諸都市、世界各国の都市にとって北九州市とは自らの未来の姿そのものだからです。こういった考え方も、すべてドラッカーの「強みを生かす」という思想をベースにしています。



また、わが社は全国的にも最も安価な料金で入居が可能な「隣人館」を飯塚市で運営していますが、今後は北九州市でも展開する予定です。
小倉医師会さんはインドネシアの方々が看護師となるサポート事業を行っており、北九州市が「高齢者福祉特区」構想は夢から現実へと向かっています。介護が必要な全国の高齢者の方々は、ぜひ北九州市へ移住されて下さい!



*よろしければ、本名ブログ「佐久間庸和の天下布礼日記」もどうぞ。



2015年6月5日 一条真也