源氏物語ミュージアム

一条真也です。
平等院を出て少し歩くと、宇治川の見える場所に出ました。
ふと見ると、そこには「紫式部像」がありました。
そう、宇治は『源氏物語』の舞台でもあるのです。


宇治の「紫式部像」にて

宇治川のほとりで



わたしは、そこから20分ほどの距離にある源氏物語ミュージアムに向かいました。雪が舞っていて非常に寒かったですが、住宅街の中をずっと歩いていくと、ようやくミュージアムに到着しました。ここも10年ぶりの訪問です。


源氏物語ミュージアムに着きました

源氏物語ミュージアムの前で



源氏物語』といえば、平安時代中期に成立した日本の長編小説であり、世界にも誇りうる日本文化のシンボルのような作品です。この物語ゆかりの地に源氏物語ミュージアムは建てられています。


「平安の間」の前で

源氏物語』をハイビジョンで紹介



展示ゾーンは「平安の間」「架け橋」「宇治の間」「映像展示室」「物語の間」に分けられています。最初は『源氏物語』の前半、平安京光源氏がテーマです。映像展示「源氏物語と王朝絵巻」で、『源氏物語』の魅力やあらすじを美しいハイビジョンで紹介しています。また、光源氏の栄華の象徴である六条院の模型も展示しています。


「王朝文化と年中行事」を展示

平安時代の「牛車」の前で



続いて「王朝文化と年中行事」として、寝殿造の中に装束や調度品を展示しています。また、「貝合わせ」「囲碁」「双六」など貴族の遊びや、平安時代の年中行事も季節に合わせて展示されており、興味深かったです。王朝文化を非常にわかりやすく伝えてくれます。


幻想的な「架け橋」を歩く

物語終焉の地「宇治」へと続く「架け橋」にて



「架け橋」では、『源氏物語』の第一部・第二部は平安京が舞台ですが、第三部は宇治が舞台となっています。源氏物語ミュージアムでも平安の都から別業の里・宇治へと、その道行きを体感することができます。平安京から鴨川を渡り、山道を越えて宇治への街道(六地蔵あたり)を行きます。宇治川を渡ると、物語終焉の地である宇治へとたどり着きます。


「宇治の間」の前で

幻想的な演出でした



そして「宇治の間」は、「宇治十帖」をテーマとした物語シアターです。ここは、沙幕や実物大のセットを用いて空間演出をした、臨場感あふれる物語シアターとなっています。「宇治十帖」のあらすじや登場人物をわかりやすく紹介してくれます。また、登場人物にスポットライトを当てて、物語の名シーンから「薫の垣間見」「管弦の宴」「匂宮と浮舟」の三大シーンが音と光のパノラマ演出で蘇ります。


源氏物語』の世界を体験しました

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さらに「宇治の間」では、「源氏物語の香り」が紹介されています。
公式HPには、以下のように書かれています。
源氏物語の中で印象的なものの一つに、香り(匂い)をあげることができるでしょう。薫や匂宮はその名のごとく、近付くだけでえも言われぬ芳しい匂いがしたと、物語中で表現されています。このように、かつての平安貴族にとって香りは大切なものでした。この展示では当時どのように香りを扱っていたのか、実際にお香の道具と原料をご紹介いたします」
源氏物語の香り」については、わたしは『香をたのしむ』(現代書林)に書きました。詳しくは、ブログ「香」をお読み下さい。


館内展示のようす

企画展が開催されていました

喫茶室で抹茶セットを注文しました

美味しくいただきました



ひと通り、館内の展示を見学してしまうと少々疲れを感じたので、館内の喫茶室に入りました。そこで1人700円の抹茶セットを注文しました。喫茶室はミュージアムショップも併設しており、さまざまな『源氏物語』グッズを眺めながら飲む抹茶は格別の味でした。
ミュージアムを出ると、また20分くらい歩いてJR宇治山田駅に向かいました。駅前に茶壺ポストがあり、「宇治らしいな」と思いました。


JR宇治駅を望む

駅前に茶壺ポストがありました



*よろしければ、本名ブログ「佐久間庸和の天下布礼日記」もどうぞ。



2015年3月11日 一条真也