和紙の世界遺産登録

一条真也です。
「和紙」が世界遺産無形文化遺産)に登録されました。
ブログ「和食の世界遺産登録」で紹介した出来事以来の快挙です!


毎日新聞」2014年11月27日夕刊



毎日新聞」11月27日夕刊では、この話題が一面トップで「『和紙』無形遺産登録」「手すきは伝統工芸技術」の見出しで大きく取り上げられ、以下のようなリード文が書かれています。
「国連教育科学文化機関(ユネスコ)は27日(日本時間)、日本政府が提案していた『和紙 日本の手漉(てすき)和紙技術』の無形文化遺産登録を決めた。フランス・パリで開催中のユネスコ政府間委員会で決定した。クワ科の植物、コウゾだけを原料にした手すきによる製作技術が『伝統的工芸技術』として認められた。日本の無形遺産は昨年の『和食』以来で計22件になる」


毎日新聞」2014年11月27日夕刊



また、「毎日新聞」夕刊には次のようにも書かれています。
「『和紙』は、国の重要無形文化財に指定されている▽石州半紙(せきしゅうばんし)(島根県)▽本美濃紙(ほんみのし)(岐阜県)▽細川紙(ほそかわし)(埼玉県)――の3つで構成。後継者育成や原材料確保の保護措置が図られていることが評価された。
石州半紙は主に障子紙や書画用紙、本美濃紙は障子紙や文化財保存修理用紙、細川紙は和本用紙、版画用紙などに使われている。石州半紙が2009年に単独で無形文化遺産になり、本美濃紙が11年の登録を目指したが、石州半紙との類似性を指摘され登録が見送られた。そこで、政府は13年に本美濃紙と細川紙を追加し、名称を『和紙』として推薦し直した。
日本の無形文化遺産は昨年の和食で22件となった。今回の『和紙』は石州半紙を拡張した形になるため、件数は増えない。無形文化遺産の登録は毎年1回で、来年は日本の候補の審査予定はない。京都など全国18府県の祭りを一括した『山・鉾(ほこ)・屋台行事』は16年に審査される予定」

毎日新聞」2014年11月27日夕刊



さらに、「和紙」の主な評価点として、「コウゾだけを原料にした伝統的な技術、知識、工程が継承されている」「後継者育成、学校での体験学習など和紙作りの保護措置が取られている」「地元の人々の社会的な結びつきを育んでいる」と書かれています。



無形文化遺産」というのは、「世界遺産」「記憶遺産」と並ぶユネスコの遺産事業の1つです。芸能、社会的慣習、祭礼行事、伝統工芸技術などが対象で、ユネスコの「無形文化遺産の保護に関する条約」に基づき登録して保護します。2009年9月から登録が始まり、13年12月時点で世界で281件が登録されています。ちなみに、「世界遺産」は建築物や自然など有形資産、「記憶遺産」は古文書など記録が対象とされています。


毎日新聞」2014年11月27日夕刊



なお、「毎日新聞」夕刊の社会面にも「『地域の宝物』山地歓声」「観光振興にも期待」として、和紙の無形文化遺産登録のニュースが大きく取り上げられています。「和食」 に続いて、日本の伝統文化がまた世界に認知されたことは、本当に素晴らしいことです。わたしは“へっぽこ歌人”ですが、いつも和紙も筆で道歌を書きつけます。そのたびに、「日本人で良かった」と思います。いつか、和食や和紙をはじめとした日本文化全般を論じた『和を求めて』という本が書きたいです。



*よろしければ、本名ブログ「佐久間庸和の天下布礼日記」もどうぞ。



2014年11月27日 一条真也