「ルドルフ・シュタイナー展」

一条真也です。
東京に来ています。ブログ「全互連の会長に就任しました」に書いたように、わたしは全国冠婚葬祭互助会連盟(全互連)の会長に就任しました。その新任挨拶をするために、11日・12日と各所を回っています。
12日は午前中にいくつかの打ち合わせを行い、ランチタイムにネットを覗いてみました。たまたまブログ「未来医師イナバ」で紹介した東大病院の稲葉敏郎先生のブログ「吾 日常」を覗くと、「一条真也さん」という記事がアップされていました。わたしのことを過分に評価していただき非常に面映ゆいですが、画像も大量に掲載されていますので、どうぞ御覧下さい。


ルドルフ・シュタイナー展『天使の国』」のチラシ(表裏)



稲葉先生のブログにはワタリウム美術館『ルドルフ・シュタイナー展 天使の国』」という記事もあり、興味深く読ませていただきました。わたしも神秘哲学者であるシュタイナーには多大な関心を抱いており、多くの著書でもその思想に言及しているので、神宮前にあるワタリウム美術館へ行きたくなりました。次の予定は13時半に新橋なので、1時間弱の時間を利用して神宮前に行きました。初めて訪れるワタリウム美術館は、非常にインパクトの強い建物でした。こんな建物が普通に存在している東京は凄い!


ワタリウム美術館の威容


個人の私設美術館であるワタリウム美術館は、1990年9月に開館しています。建築家マリオ・ボッタ(スイス)からの「建築彫刻」の美術館として知られています。公式HPには、「展覧会作りの世界的な専門家を招き、コンテンポラリーアートの発展に国際的に貢献しているアーティストの参加を実現」「国際的アートにおける日本の位置の再検討を迫る場」「日本やアジアのアーティストについても丹念な関係構築」などと紹介されています。


美術館入口のポスター


ルドルフ・シュタイナー展「天使の国」は、同美1861〜F〜3Fで開かれており、入場料は1000円でした。
同展覧会の公式HPには、以下のように書かれています。
ルドルフ・シュタイナー(1861〜1925年)はゲーテ研究家、人智学の創始者、哲学者、そして教育者として日本でもよく知られています。今回の展覧会ではシュタイナーをさらに知るための3つのアプローチを用意しました」


「月と地球」(1921年)のポストカード

「奈落」(1922年)のポストカード

「生まれることも死ぬこともないもの」(1923年)のポストカード



3つのアプローチの1つめは黒板ドローイングです。
公式HPには以下のように書かれています。
「シュタイナーが農民や労働者、学者たちに向け行なった講義の際、内容を説明するために用いたものです。弟子たちは講義録とともに黒板の絵や文字も遺したいと考え、あらかじめ黒板に黒い紙を貼ってそれを保存するようになります。1919年から亡くなる1925年までの6年の間におよそ1000点の黒板ドローイングが遺されていますが、本展では晩年の24点を展示します。赤や黄色のチョークで力強く描かれたドローイングは時代を超えてさらに輝きを放ちます。近年、これらは"思考する絵"というアートの新しいフィールドとして世界で注目を集めています」


第一ゲーテアヌム(『ルドルフ・シュタイナーの黒板画』より)

シュタイナーがデザインした家具(『ルドルフ・シュタイナーの黒板画』より)



2つめのアプローチは、シュタイナーの建築とデザインです。
公式HPには以下のように書かれています。
1913年に着工され1922年に火災により消失した幻の建物「第一ゲーテアヌム」を300余点のドキュメント写真や模型で、さらに日本で初めての公開となるウインドーのための習作ドローイングなども展示します。また、シュタイナー自身がデザインし現在も使用されている家具やランプ、それらのかたちの原点を見ることができる装飾品などさまざまなアイテムを展示し、思想から日常まで広がるシュタイナー哲学の実践を検証します」


第二ゲーテアヌム(『ルドルフ・シュタイナーの黒板画』より)



そして、3つめはスイス、ドルナッハの丘に現在も建つ「第二ゲーテアヌム」です。公式HPには以下のように書かれています。
「第二ゲーテアヌムとその周辺を坂口恭平(建築家・アーティスト)が表わしたジオラマ鈴木理策(写真家)の写真作品、本展のために新たに撮り下ろした最新のハイヴィジョン映像などによりご覧いただきます。また注目のオラファー・エリアソン(アーティスト)もシュタイナー思想から大変影響を受けた一人ですが、ここではエリアソンのデザインによる『オロイド・ランプ』を展示します」


黒板ドローイングのポストカード6枚セット



いずれも興味深い展示でしたが、あまりにも時間がなくて駆け足で鑑賞したのが残念でした。稲葉先生は展覧会の感想として、「シュタイナーの走り書きから、色々なインスピレーションを受けた。シュタイナーは奥深い。まさに思考の軌跡に色彩を当てている感じ。イメージ言語でしか語れない世界を、なんとか通常言語にあてはめようと苦心しているような。ほとんどアートに近い」とブログに書かれていますが、わたしも同感です。


公式カタログ『ルドルフ・シュタイナーの黒板画』



なお、坂口恭平氏は熊本出身で、稲葉先生の高校の同級生だそうです。この展覧会を記念してシュタイナー研究の第一人者である高橋巌氏と坂口氏の対談が行われ、稲葉先生も参加されたとか。坂口氏の作品は観る者の魂にやさしく働きかけてくるようなマッサージのような印象でした。いつか、坂口氏にお会いしてみたいです。そして、坂口氏に新時代のセレモニーホール建築について相談したいと思いました。なぜなら、シュタイナーゆかりの「第一ゲーテゲーテアヌム」「第二ゲーテアヌム」ともに、わたしの目にはセレモニーホールのように映ったからです。


各種のシュタイナー・マルクト

木製12パーツ(4000円)を求めました



美術館の1Fにはミュージアム・ショップがあり、わたしはルドルフ・シュタイナー展「天使の国」公式カタログである『ルドルフ・シュタイナーの黒板画』ワタリウム美術館監修(日東書院)を求めました。4800円でした。また、黒板ドローイングのポストカード6枚セット(695円)、シュタイナー考案の木製パズル「シュタイナー・マルクト」(4000円)も購入しました。
北九州に帰ったら、わが魂の隠れ家である書斎に籠って、カタログやポストカードに印刷された黒板ドローイングをじっくりと眺め、シュタイナー・マルクトをいじってみたいです。この展覧会は、慌ただしい日々の中のひとときの「骨休め」ならぬ「魂休め」となりました。



*よろしければ、本名ブログ「佐久間庸和の天下布礼日記」もどうぞ。



2014年6月12日 一条真也