イエスの顔

一条真也です。
ブログ「未来医師イナバ」に書いたように、7日の夕方、東大病院の医師である稲葉俊郎先生がわたしの書斎を見学されました。精神世界にも造詣の深い稲葉先生は、わたしの蔵書を興味深く眺めていましたが、机の右上に置かれているイエス・キリスト肖像画を見つけられました。


わが書斎にあるイエスの肖像

角度を変えると「トリノ聖骸布」の顔に変わる



この肖像画は、かつてイタリアのトリノを訪れたときに求めたものです。
ホログラム画像というか、見る角度によって二種類の顔が浮かび上がる仕組みになっています。正面から見ると、いわゆる宗教画に登場するスタンダードなイエスの顔が浮かびます。しかし少し角度を変えると、今度は有名な「トリノ聖骸布」の顔が出てきます。


トリノ聖骸布の謎

トリノ聖骸布の謎

トリノ聖骸布」とは、キリスト教の聖遺物の1つです。イエスが磔にされて死んだ後、その遺体を包んだとされる布で、イエスの風貌を写したとされています。また、かのレオナルド・ダ・ヴィンチによって撮影された世界初の写真であるという説もあります。詳しくは、こちらをお読み下さい


イエスはこんな顔だった



稲葉先生とは、ちょっとだけイエスの顔について話しました。
ちょうど最近、わたしが「イエスはこんな顔だった」という記事をネットで見たばかりだったので、そのことも話題になりました。紀元1世紀のユダヤ人の骸骨から復元した顔を基に再現されたイエスの顔のイメージ画が公開されています。これは2001年にイギリスBBCがドキュメンタリー番組で復元した「イエスの顔」だそうです。



シャーマン研究家の宮本神酒男という方がいます。
宮本氏は、自身のHPに掲載されている「復元されたイエスの顔とキリスト描写文書」という文章の冒頭で以下のように述べています。
「2001年に放映されたBBCのドキュメンタリー番組『神の子』の復元されたイエスの顔をはじめて見たときの衝撃はいまも忘れない。『こんな顔のはずがない!』と私は思わず叫んでしまった。ロングの金髪に青い目、髭を生やした面長の白人というイメージとあまりにかけはなれていたからだ」



宮本氏は、同番組における「イエスの顔」の復元方法について説明します。
「復元の仕方はある程度論理的で筋が通っている。イスラエルの1世紀頃の墓から出土した平均的な人骨の頭部を復元し、当時の尊敬されるべき髪型にする。聖書の『コリント人への第一の手紙』第11章14節には、『男に長い髪があれば彼の恥になり、女に長い髪があれば彼女の光栄になるのである』と書かれているのだ。われわれがイメージする長い髪のイエスなら、『女のようなヤツだ』と言われたかもしれない。番組中の科学者は、3世紀頃のシナゴーグのモザイク画を参考にしてイエスの雰囲気を再現する。
こうしてちりちりの黒い巻毛、浅黒い肌、丸顔に丸い鼻というアラブ人の顔のイエスができあがったのだという。たしかにそうだろう。いまヨーロッパ人顔になったユダヤ人がたくさんもどってきて、イスラエル人の多くは欧米人のように見えるが、もとの顔つきはパレスチナ人と大差なかったはずだ」



しかし、これに納得がいかない様子の宮本氏は以下のように述べます。
「だが待てよ、とそのときも思ったが、今も思っている。この復元の仕方だと、二千年前の平均的なユダヤ人の顔が再現されるだけではないか。
エスがカリスマ性のある人物であったとすると、典型的なユダヤ人ではなかったはずだ。少なくともBBCの番組が作製したイエスの顔は、カリスマ的リーダーというよりは、その人物に仕える者の顔だ。ユダがこういう顔をしていたかもしれない」



さらに宮本氏は、以下のような興味深い発言をされています。
「実際のイエスの顔は、もっと知性が浮き出ていたかもしれないし、意志の強さがあらわれた屈強な顔だったかもしれないし、逆に中性的な雰囲気をもっていたかもしれない。ローマ兵の落胤説だって、まったくありえないというわけでもない。そうだとすればイタリア人とアラブ人のハーフのような顔をしていたかもしれない」



ユダがこういう顔をしていたかどうかはわかりませんが、復元された顔が「二千年前の平均的なユダヤ人の顔」というのはその通りかもしれません。宮本氏が言われるように、イエスほどのカリスマはもっと知性や意志の強さがあらわれた「いい面がまえ」をしていたように、わたしも思います。


イエス・キリストの聖人フィギュア



それにしても、イエスは白人ではなかったことは明らかでしょう。
浅黒い顔をしていたことだけは間違いないように思います。
わたしは、ブログ「四大聖人フィギュア」で紹介したイエス・キリストのフィギュアを思い起こしました。依頼したフィギュアの完成品を見たとき、イエスの顔が浅黒いので呆然としましたが、意外と本物に近かったのかもしれません。もっとも、ロン毛であったかどうかはわかりませんが・・・・・・



*よろしければ、本名ブログ「佐久間庸和の天下布礼日記」もどうぞ。



2014年6月9日 一条真也