安倍首相のカツカレー

一条真也です。
東京に来ています。昨夜、銀座の寿司店すきやばし次郎本店」に安倍晋三首相がオバマ大統領を招待し、至高の寿司に舌鼓を打ったことが各メディアで報道されていますね。「すきやばし次郎本店」は、『ミシュランガイド』(東京版など)において、7年連続三つ星評価を受けた名店です。

すきやばし次郎本店」で食事する日米両首脳(写真:時事通信社


すきやばし次郎」店主の小野二郎氏(88)は「三つ星の寿司職人」として外国人観光客にも知られています。小野二郎氏はドキュメンタリー映画二郎は鮨の夢を見る」にも出演しています。この映画は世界30カ国以上で公開され、各国から絶賛されました。特にヒットしたのがアメリカで、またたく間に全米で口コミによって評価を広げ、最終的には全米興行収入250万ドル超というドキュメンタリー映画としては異例の大ヒットとなりました。おそらくは、オバマ大統領も二郎氏のことを知っていたのではないでしょうか。


オバマ大統領は寿司好きだそうで、店内ではカウンターで安倍首相と肩を並べて寿司をつまんだそうです。食事終了後、大統領は「おいしい寿司だった」と感想を述べたとか。ネットユーザーの中には、「庶民が消費税で苦しんでいるのに、高級寿司かよ」みたいなコメントの人もいるようですが、遠くから大事なお客さんが来たら寿司ぐらい食べさせるのは悪いことではないと思いますよ。しかしながら、このオバマ大統領の寿司店訪問をわたしがこころよく思っていないことは、ブログ「宇崎竜童ライブ」の冒頭に書いた通りです。本当は、今日のランチにでも「すきやばし次郎」に行ってやろうかとも思ったのですが、それだと「まねしんぼ」とか思われてしまうかもしれないので、思いとどまりました。でも、安倍首相だけが美味しい寿司を食べたと思うと、どうにも羨ましくて仕方がありません。わたしの心は乱れました。

カツカレーを食べる安倍首相


安倍首相の食事といえば、カツカレーが有名です。2012年9月26日、東京・ホテルニューオータニで行われた安倍晋三自民党総裁選決起集において総裁選に「勝つ」ための験担ぎの食事としてカツカレーを食したのです。3500円のカツカレーでしたが、それをMBSテレビ情報番組「ちちんぷいぷい」が取り上げたために、ネットユーザーの間で注目を集めました。そこでも「庶民感覚あるのかよ」的な批判のほうが多かったようですが、よくよく庶民感覚が好きな方が多いようですね。

これが安倍首相が食べたカツカレーだ!


ちょうど、今日の午後からニューオータニで打ち合わせがあったので、わたしはホテル内のレストラン「SATUKI」に入って、安倍首相のカツカレーを注文しました。こういうときは照れてはいけません。わたしは、大きな声で「安倍首相が食べたことで有名になった、あのカツカレーをお願いします!」と言いました。注文を受けた男性は動じずに「あのカレーは宴会場で出されたものですが、それと同じものをお持ちいたします」と言いました。当時は、「安倍首相のカツカレーを」という注文が相次いだようですね。

ルーを全部かけると金沢カレーみたい・・・・・・


待つこと15分、ついに出てきました。
安倍首相が食べたのと同じフィレカツカレーです。ライスの上にどっかりとフィレカツが乗り、その横には千切りキャベツが添えられています。ルーはカレーポットで別添え、伝統的な日本の欧風カレーといった印象です。ルーをかけてキャベツと一緒に食しましたが、ブログ「金沢カレー」ブログ「ゴーゴー・カレー」で紹介した金沢カレーに似ている気もしました。

安倍首相のカツカレーを食す!


味は美味しかったです。美味しかったですが、けっこう食べるのには難儀しました。というのも、カツが分厚くてガッツリ感がハンパではないのです。フィレ肉を使っているだけあって、肉は大変柔らかく、軽く歯を入れるだけで簡単に噛み切れます。衣も上等な小麦粉を使っているのでしょう、とてもサクサク感がありました。ルーはマイルドで口当たりが優しいのですが、個人的にはもっと辛いほうが好みです。総じて美味しかったですが、全部食べたら腹がパンパンに膨れて苦しかったです。胃腸の病気から回復したばかりの当時の安倍首相がこれを平らげたのには感心します。きっと、大変な思いで食べられたのではないでしょうか。わたしはパンパンの腹を撫で回しながら、一国の首相になる方の覚悟が少しだけ理解できた気がしました。


2014年4月23日 一条真也