葬儀ライター

一条真也です。
11日の夕方、雑誌の取材で東京からお客さんが来ました。
雑誌の名前は「そうそう」で、NPO法人・葬送の自由をすすめる会が発行しています。ブログ「島田裕巳氏と再会しました」にも書いたように、同会の現会長は『葬式は、要らない』の著者である島田裕巳氏が務めています。
わたしは「散骨」と呼ばれる海洋葬や樹木葬などには大いに賛成していますので、島田氏の新しい活動を好意的に受け止めています。そもそも「葬送の自由」といった時点で「葬式は、要らない」とは考えていないことは明白です。


奥山晶子さん

インタビュー取材のようす



取材を担当するのは、気鋭の女流葬儀ライターである奥山晶子さん。
奥山さんは山形県生まれで、新潟大学人文学部行動科学課程を卒業。 
冠婚葬祭互助会のナウエルさんに入社し、搬送から司会業まで年間約50回の葬儀をプロデュースする責任者として2年間勤務しました。さまざまな死に触れた経験から、「人生、やりたいことをやらないと後悔が残る」と決意し、大学時代から憬れていたという出版業界に転職。著書に『葬式プランナーまどかのお弔いファイル 』(文藝春秋)、『終活バイブル 』(中公新書ラクレ)があります。


葬式プランナーまどかのお弔いファイル   「終活」バイブル 親子で考える葬儀と墓 (中公新書ラクレ)


互助会勤務の中で葬儀に関心を持った奥山さんは、日本でたったひとつの葬儀雑誌「葬」を自ら発刊、日本でも珍しい葬儀ライターとして活動を開始しました。
30代前半という若さと「葬儀ライター」という、客観的に見る葬儀や死に対するフレッシュでシンプルな視点が彼女の武器です。現在、誰にも平等に訪れる死や終活といった「永遠の人生テーマ」を、あらゆる世代に非常に身近にプレゼンテーションしています。今回は、「そうそう」で連載中の「ニッポンの葬送を訪ねる」における「福岡の葬儀」「九州の葬儀」についての取材ということで、サンレー紫雲閣企画課の黒木課長、北九州本部企画課の西課長とともに取材を受けました。2人とも若い女性が来たので、嬉しそうでした。
特に、独身貴族の黒木課長はなんだかソワソワしていましたね。(笑)


「九州の葬儀」について説明する

取材をする奥山さん



もちろん、話題は「九州の葬儀」にとどまらず、葬儀に対するわたしの想いも語りました。また、わが社が進めている「禮鐘の儀」や「鎮魂の森」といった新しい試みについてもお話しました。奥山さんはとても興味を持ってくれました。
奥山さんのような若い女性が葬儀に関心を持つのは素晴らしいことです。
わたしは奥山さんのことを取材者というよりも葬儀文化のイノベーションをめざす同志だと思いました。まさに「朋あり遠方より来る」という感じがしましたね。


さまざまな質問を受けました

著書を示しながら説明しました



わたしは、「儀式にもアップデートが必要であり、その意味で“葬送の自由をすすめる会”の活動には大いに賛同します」と言いました。同会は主に海洋葬としての散骨を推進していますが、わたしは樹木葬を提唱しています。海洋葬も樹木葬も、ともに葬儀のアップデートとしての「自然葬」です。
わたしは、「自然葬もいいし、月面葬や宇宙葬もいいし、従来の仏式葬儀だっていい。要は選択肢の多さが豊かさにつながるんですよ」と述べました。そのへんのわたしの考えは、ブログ『魂の送りかた』 ブログ「送魂」をお読み下さい。


奥山晶子さんと



奥山さんとは意気投合し、黒木・西の両課長を交えて食事し、さらにカラオケに行きました。わたしのブログを読んでいるという奥山さんが、「ぜひ、サザンの歌を聴きたいです」と言われたので、彼女が一番好きだという「栞のテーマ」や新曲の「蛍」などを某スナックで歌いました。奥山さんといえば、いきなり椎名林檎の「歌舞伎町の女」、続いて八代亜紀の「舟唄」を見事に歌い上げたので、驚きましたね。じぇじぇじぇ、女流葬儀ライターはカラオケの達人でがんす。



最後に、わたしは「奥山さんは、ずっと葬儀ライターを続けるの? それとも、いつかは葬儀以外のテーマで本を書きたいの?」と質問しました。
すると彼女は一瞬の躊躇もなく、「ずっと葬儀ライターで頑張ります」と即答しました。それを聞いて、わたしは嬉しくなりました。奥山さん、葬儀という人類普遍の崇高な営みについて書くことに人生を捧げる、その心意気や良し!
ぜひ、日本一、いや世界一の葬儀ライターをめざして下さい。



*よろしければ、本名ブログ「佐久間庸和の天下布礼日記」もどうぞ。



2014年1月11日 一条真也