書評のクリスマス・プレゼント

一条真也です。メリークリスマス!
そう、今日はクリスマス・イヴですね。わたしは、ブログ「クリスマス会」に書いた自宅のパーティーで少々飲み過ぎて二日酔い気味です。



CWSコモンズにようこそ」より



さて、わたしの最新刊『慈を求めて』(三五館)を「サロンの達人」こと佐藤修さんがご自身のHPで紹介して下さいました。
佐藤さんは、まず次のように書いて下さっています。
「昨年、孔子文化賞受賞記念として出版された『礼を求めて』に続く、一条真也さんのエッセイ集です。前著は、『論語』に語られている『礼』が主なテーマでしたが、今回は仏教にちなむものが多く、『慈』がテーマになっています」



また、次のようにわたしのことも紹介して下さっています。
「一条(本名は佐久間庸和)さんは北九州市に本社のある株式会社サンレーの社長でもありますが、北九州市の門司の和布刈公園には、日本で唯一のビルマミャンマー)式寺院「世界平和パゴダ」があります。ビルマ政府仏教会と日本の有志によって昭和32年(1957年)に建立されたそうです。
本書にも出てきますが、一時閉鎖されていた世界平和パゴダも一条さんたちの尽力で、いまは再開され、ミャンマーと日本の仏教界の交流も始まっています。
ミャンマー上座部仏教の国です。そのご縁で、一条さんはいま、上座部仏教の根本経典の『慈経』の自由訳に取り組んでいるそうです」



さらに、佐藤さんは『慈を求めて』で初めて提唱した「慈礼」というコンセプトについて触れられ、「前著もそうでしたが、本書の根底に流れるのは、一条さんの新しい冠婚葬祭論であり、現代社会論です」と書かれています。
「慈礼」は、わたしは今後の全活動のキーワードになる予感がします。



「慈」という言葉は、他の言葉と結びつきます。
たとえば、「悲」と結びついて「慈悲」となり、「愛」と結びついて「慈愛」となります。わたしは、「慈」と「礼」を結びつけたいと考えました。
すなわち、「慈礼」という新しいコンセプトを提唱したいと思ったのです。



慇懃無礼」という言葉があるくらい、「礼」というものはどうしても形式主義に流れがちです。また、その結果、心のこもっていない挨拶、お辞儀、笑顔が生れてしまいます。逆に「慈礼」つまり「慈しみに基づく人間尊重の心」があれば、心のこもった挨拶、お辞儀、笑顔が可能となります。
わたしは、これからも「慈礼」を求めて生きていきたいと思います。



「慈礼」というコンセプトには、本書の発売以来、大きな反響がありました。
前NHK会長でアサヒビールホールディングスの福地茂雄相談役、トップ保険サービスの野嶋康敬社長、ブログ『ミャンマーで尼になりました』で紹介したコミックの著者で「みんなの寺」坊守の天野和公さんなどをはじめ、多くの方々から「慈礼」への賛同のコメントをたくさん頂戴しました。感謝!



最後に佐藤さんは、「礼、慈。さて次に一条さんが選ぶ『一文字』はなんでしょうか。読み終えての私の一番の関心は、そのことです。私の予想が当たるといいのですが。前著と同じく、とても読みやすく、心に響きます」と書かれています。
そう、じつは次の一文字をもう決めてあります。
書評の御礼メールで、わたしは「佐藤さんの予想は何ですか?」と尋ねました。
佐藤さんは「最初の予想で4つの文字が浮かんだけれども、最終的にはこれだと思う」として、ある漢字を教えてくれました。わたしは、思わず「うーん」と唸ってしまいました。佐藤さんの予想そのものが一種の思考活動になっていて、わたしの今後進むべき道を示して下さったように思えたからです。



しかし結論から言うと、佐藤さんが最初に予想した4つの文字の中に、わたしの意中の文字は入っていました。それは、まだ内緒にしておきたいと思います。
ただヒントを挙げるとすれば、「神道、仏教、儒教は日本人の心の三本柱」ということになります。「礼」が儒教的思想の核心であり、「慈」が仏教的思想の核心ということで、次の一文字は神道に関わりの深い言葉かもしれません。いずれにせよ、佐藤さんの書評を嬉しく、また、感謝とともに読ませていただきました。



また、佐藤さんは日々のブログで亡き奥様への挽歌を綴っておられます(なんと2300日以上!)が、その24日付のブログに、『慈を求めて』および、わたしのことを書かれています。「宇宙の子」というタイトルなのですが、同書に登場する「月への送魂」の文章を紹介された後で、最後に「宮沢賢治を思い出します」と書いて下さいました。この一文が、しみじみと嬉しかったです。
佐藤さん、素敵なクリスマス・プレゼントをありがとうございました。


慈を求めて

慈を求めて

礼を求めて

礼を求めて

*よろしければ、本名ブログ「佐久間庸和の天下布礼日記」もどうぞ。



2013年12月24日 一条真也