出光美術館

一条真也です。
ブログ「東アジアに礼の思想を!」に書いたように、今日は出光美術館(門司)に行ってきました。同館で開催される「花鳥のしらべ〜琳派・文人画から放菴まで」の開会式に参加するためです。
今日の門司港は素晴らしい晴天でした。


出光商会の創業地で

現在は内科・小児科の医院になっています



まず最初に、わたしは門司区東本町にある出光商会創業地を訪れました。
ここからすぐ近くの関門海峡出光佐三は「海賊」と呼ばれたのです。
現在、出光商会の跡は内科・小児科の医院になっています。
この地から出光佐三満州・中国・台湾・朝鮮といった東アジアの各地に羽ばたいていったかと思うと、わたしの心はロマンで一杯になりました。


出光美術館の前で

出光美術館(門司)の正面入口



出光美術館(門司)について、同館のHPには以下のように書かれています。
出光美術館(門司)は、平成12年(2000年)、出光コレクションを展示する美術館として福岡県北九州市門司港レトロ地区に開館しました。 建物は大正期に建てられた出光興産の資材備蓄庫を改装・増築したもので、レトロな雰囲気に包まれた個性あふれる美術館となっています。展示は日本の書画、中国・日本の陶磁器が中心です。テーマに沿った年5〜6回の展覧会を通して出光コレクションの粋をご紹介しています。そのほかロビーでは、アメリカの抽象画家サム・フランシスの大作を常時5〜6点展示しています。また同じ敷地内には、出光興産の創業者であり、 出光美術館の創設者である出光佐三の生涯の軌跡を紹介する出光史料館(門司)が併設されています。東京の出光興産本社にあった当時の執務室もそのまま移築・再現し、公開しています」



じつは、わたしは生まれて初めて出光美術館(門司)を訪れたのですが、あまりにも素晴らしい施設なので驚きました。これはもう門司港が誇る文化遺産です。門司港にはもう1つ誇るべき文化遺産があります。そう、昨年再開した「世界平和パゴダ」です。詳しくは、ブログ「『世界平和パゴダ』再開」をお読み下さい。
今日の開会式では、出光昭介・出光美術館館長、北橋健治北九州市長、それから八坂和子・出光美術館「友の会」会長が挨拶をされましたが、北橋市長と八坂会長のお二人から「サンレー佐久間進会長のご尽力で、世界平和パゴダも再開されました」とのお言葉があり、感激いたしました。



美術館の新展覧会も素晴らしかったですが、今日は「出光史料館(門司)」も堪能させていただきました。出光創業100周年を機に展示が全面改装されているそうです。 入口には出光佐三の大きな写真が掲げられ、中は映像も駆使した最新の展示で「人間尊重の100年」が展望できるようになっています。
まさに『海賊とよばれた男』の世界を追体験できる場所でした。



出光史料館(門司)には、出光佐三直筆の書も展示されていました。
サンレーの大ミッションでもある「人間尊重」をはじめ、「真心」「互譲互助」など、わが社の経営理念に直結したキーワードの宝庫で、わたしは呆然としました。
ここは、もう「ハートフル・ミュージアム」そのものです!



また今日は、図らずも出光佐三翁のご長男である出光昭介氏(出光興産名誉会長・出光美術館館長)、お孫さんである出光佐千子氏(出光美術館学芸員青山学院大学准教授)にもお会いできて望外の喜びでした。八坂和子さんからご紹介を受けたのですが、昭介氏は松柏園ホテルをよくご存知でした。お母様(佐三翁の奥様)が定宿にされていたからです。十数年間、奥様は松柏園から宗像にある佐三翁のお墓参りに行かれていたとか。お孫さんの佐千子氏も松柏園を訪れたことがあるそうですが、幼い頃なので憶えておられないとのことでした。
わたしは、尊敬してやまない出光佐三翁の一人息子の昭介氏、そして孫娘の佐千子氏にお会いできて、非常に感激しました。
佐千子氏は今日の展覧会の解説も行って下さいました。



開会式には、門司を代表する企業である吉田時計店の吉田清春社長も来られていました。吉田時計店といえば、創業128年の老舗です。
なんでも、出光佐三翁が門司の商工会議所の会頭を務められていたとき、吉田社長の父上が一緒に「門司みなと祭り」を始められたそうです。北九州を代表する祭りの1つですが、今年で70周年を迎えるそうです。
じつは、わたしは今月10日からミャンマーに行ってきます。
ミャンマー最大の祭りである「水祭り」を視察するためです。
これは上座部仏教の盛大な祭典ですが、これを門司港に導入して「パゴダ祭り」という新しい祭りを始めたいと考えています。
かつて出光佐三が「門司みなと祭り」をスタートさせた70年後、同じ地で小生が「パゴダ祭り」をスタートさせる。壮大なロマンに胸が熱くなりますが、2つの祭りを貫くキーワードは、もちろん「人間尊重」です。
なお、吉田社長は「ヨシダの社長ブログ」を書かれています。
この日のことも、「出光美術館にて」という記事に書かれました。


購入した2冊の美術展カタログ

購入した4冊の出光佐三著書



ところで、出光美術館(門司)売店は非常に充実しており、わたしは『ユートピア 描かれし夢と楽園』『花鳥の美〜珠玉の日本・東洋美術』の2冊のカタログを求めました。とても美しい美術展カタログです。
また、『人間尊重五十年』(春秋社)、『マルクスが日本に生まれていたら』(春秋社)、『日本人にかえれ』(ダイヤモンド社)、『永遠の日本』(平凡社)という4冊の出光佐三の著書を購入しました。いずれも珍しい書籍であり、入手できて嬉しいです。ミャンマー出張に持っていって読むつもりです。


トロッコ列車を背に(左端の山頂にパゴダの尖頭)

はね橋(むすび橋?)を望む

ランチに焼カレーを食しました



美術館を出ると、ちょうど門司港名物のトロッコ列車が走っていました。
列車のスタッフは、わが社のグループ企業「ハートピア」が派遣しています。
また、今日の「門司港レトロ地区」も賑わっていましたが、わが社の佐久間会長が初代の門司レトロ倶楽部の会長を務めています。佐久間会長は、そのとき「はね橋」の名前を「むすび橋」に変更するよう提案したそうです。
2つの橋が離れたり、くっついたりするのは同じですが、それを「はね橋」と呼ばずに「むすび橋」と呼ぶところが「親父らしいな・・・」と思いました。
そして昼時になってお腹が空いたので、海峡プラザ内「門司港茶寮」で、これまた門司港名物の「焼カレー」を食しました。
もちろん、美味しかったですとも!



*よろしければ、本名ブログ「天下布礼日記」もどうぞ。



2013年4月5日 一条真也