「レッド・ライト」

一条真也です。
早いもので、新ブログを開始してから10日が過ぎました。
へっぽこながらも(苦笑)、何とか二刀流ブログを書いております。
ところで、映画「レッド・ライト」を観ました。


この映画は、伝説の超能力者と、彼を追う科学者たちの心理戦を描いたミステリーです。謎に満ちた超能力者を名優ロバート・デ・ニーロが熱演し、科学者を「ダークナイト」シリーズのキリアン・マーフィと「エイリアン」シリーズのシガーニー・ウィーヴァーが演じています。監督と脚本を担当したロドリゴ・コルテスは、「リミット」「アパートメント:143」などの話題作で注目を浴びたスペインの異才です。



ブログ『幽霊を捕まえようとした科学者たち』ブログ『超常現象を科学にした男』ブログ『超常現象の科学』などを読まれた方はよくわかるように、この「レッド・ライト」の「超能力者と科学者の対決」というテーマはわたしの大好物!
「どうやれば超能力を科学的に検証できるのか」あるいは「どうすればインチキ超能力のトリックを見破れるのか」という問題には、こよなく心惹かれます。



シガーニー・ウィーヴァー演じる女性科学者マーガレットは、いわゆる「サイキック・ハンター」です。霊媒のシンプルな手口から心霊治療師のハイテク機器を使った組織的トリックまで段階を踏んで明快に示していく場面は、ある意味で爽快です。しかし、ロバート・デ・ニーロが演じるカリスマ超能力者サイモン・シルバーは、あまりにも危険な相手でした。マーガレット、その助手のトム(キリアン・マーフィ)、それにトムを慕う学生サリー(エリザベス・オルセン)らは次々に怪異な現象に襲われます。果たして、シルバーの超能力は本物なのか?



ラストには驚くべきどんでん返しが用意されていますが、惜しむべきは説明不足で、何が起こったのかが観客にはわかりづらいこと。詳しく書くとネタバレになるので控えますが、「シックス・センス」や「アザーズ」などの名作にも通じる秀逸なアイデアが十分に活かされておらず、「もったいないなあ・・・」と思いました。
面白いテーマに、豪華俳優陣を揃え、大傑作となった可能性は存分にあったのに、すべては説明不足、わかりにくさのために消化不良で終わってしまい、残念でした。ブログ「劇場版トリック3 霊能力者バトルロイヤル」で紹介した映画に登場する仲間由紀恵が演じる女性マジシャンのように最後は観客にとって明快なトリックの解説をしてほしいものです。そう、かの名探偵のように・・・・・。


THE EXPERIMENT [DVD]


なお、わたしはこの「レッド・ライト」を観る数日前に「ジ・エクスぺリメント」という映画をDVDで観ました。2011年のイギリス映画ですが、こちらは霊魂の正体に科学的に迫るSF実験スリラー映画でした。
2002年、イラクの侵略の11カ月前、イギリス軍は地下の秘密基地で人類の念願である霊魂の捕獲に成功します。霊魂の謎に挑んだ科学者、軍人、霊媒師の最期の4日間を描いた作品ですが、テーマ的に「レッド・ライト」と共通点も多いものの、こちらはエンターテインメントに走り過ぎて失敗したように思います。



*よろしければ、本名ブログ「佐久間庸和の天下布礼日記」もどうぞ。



2013年2月25日 一条真也