相愛しなさい

一条真也です。
発行部数30万部の「リビング北九州」の最新号が届きました。
一条真也の心に残る名言」の第4回が掲載されています。今回は、マザー・テレサの「私があなた方を愛したように、あなた方も相愛しなさい」です。


「リビング北九州」2013年8月31日号

 

言葉は、人生をも変えうる力を持っています。
今回の名言は、「インドの聖女」と呼ばれたマザー・テレサの言葉です。
彼女は1910年にアルバニア人を両親として生まれ、1997年に帰天しました。1979年にはノーベル平和賞を受賞しています。



イエス・キリストは「私があなた方を愛したように、あなた方も相愛しなさい」と述べました。マザーの一生は、このイエスの言葉に要約されていると思います。
彼女こそは、イエスが行った隣人愛の実践を20世紀後半に実行した人であり、宗教、民族、年齢、性別、社会的地位等に一切関わりなく、必要とする人々に愛の手を差し伸べた人でした。



ある日のこと、マザーは、歩道で死にかけている女性を見つけました。
マザーは瀕死の彼女の苦しみを和らげ、ベッドで心静かに人間らしく死なせてやりたいと思って、女性を連れて帰りました。
この愛の行為をきっかけとして、マザーは1952年8月、「清い心の家」にルマン・ヒリダイとも呼ばれる「死を待つ人の家」を開設することになりました。



この「死を待つ人の家」では、数え切れないほど多くの人の死を看取りました。カトリックの修道女であったマザーですが、ヒンズー教の人やイスラム教の人が亡くなるときは、その宗教のお経を唱えて送ってあげたといいます。
それでいて、マザーの活動の源泉は、ゆるぎないカトリックの神への信仰でした。その根源にあるものは、人間の生命は限りなく尊いというイエスの教えであり、それこそ、一神教多神教といった枠組みを超えて今後のすべての宗教のあるべき姿ではないでしょうか。それを失うと、宗教とは心の狭い原理主義に陥り、最後は戦争にまでつながります。



マザー亡き後も、インドのカルカッタでは彼女の後継者たちが「死を待つ人の家」を守っています。死にゆく人々の口に最期に含ませるチョコレートや死者の顔にかける白布さえ不足しているそうです。
わたしが経営する会社は、冠婚葬祭業を営んでいます。ミッションに「人間尊重」を掲げています。特に葬送儀礼は、人間の尊厳に直結しています。そのミッションにかけて、社長であるわたしは「死を待つ人の家」に対してさまざまなサポートをさせていただきたいと思い立ち、ささやかな寄附などもさせていただきました。いつか現地を訪れたいと思っています。



*よろしければ、本名ブログ「佐久間庸和の天下布礼日記」もどうぞ。



2013年8月31日 一条真也