密教の修業    

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密教の修行である「三密」の力を使えば、迷いを払うことができる。
すなわち、
一、手で印を結ぶこと
二、仏の言葉である真言を唱えること
三、瞑想すること
以上の三つだ。
(『秘蔵記』)

 

一条真也です。
空海は、日本宗教史上最大の超天才です。
「お大師さま」あるいは「お大師さん」として親しまれ、多くの人々の信仰の対象ともなっています。「日本のレオナルド・ダ・ヴィンチ」の異名が示すように、空海は宗教家や能書家にとどまらず、教育・医学・薬学・鉱業・土木・建築・天文学・地質学の知識から書や詩などの文芸に至るまで、実に多才な人物でした。このことも、数多くの伝説を残した一因でしょう。

 

 

超訳空海の言葉

超訳空海の言葉

 

 

「一言で言いえないくらい非常に豊かな才能を持っており、才能の現れ方が非常に多面的。10人分の一生をまとめて生きた人のような天才である」
これは、ノーベル物理学賞を日本人として初めて受賞した湯川秀樹博士の言葉ですが、空海のマルチ人間ぶりを実に見事に表現しています。
わたしは『超訳 空海の言葉』(KKベストセラーズ)を監訳しました。現代人の心にも響く珠玉の言葉を超訳で紹介しています。「令和」への改元まで、あと3日です。

 

2019年4月28日 一条真也

東大寺・花まつり千僧法要   

一条真也です。
26日の朝、小倉から新幹線のぞみ14号で京都へ、京都からは近鉄線で奈良へ。全日本仏教青年会が「青年仏教徒の日」と定めるこの日、新緑鮮やかな奈良・東大寺の大仏殿において恒例の「仏法興隆花まつり千僧法要」が厳修され、わたしも参加しました。

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東大寺にて

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東大寺の大仏殿を望む

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法要の入口のようす

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前から2列目の席でした

f:id:shins2m:20190426132528j:plain目の前の大仏がすごい迫力です!!

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法要のようす

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神妙な気分になりました

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法要のようす

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法要のようす

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みんなで合掌しました

 

法要会場である大仏殿に入ると、いきなり大仏の真ん前の2列目の席を用意されて戸惑いました。間近で見る大仏はウルトラマンのような迫力でした。この法要は全日本仏教青年会東大寺、全国曹洞宗青年会、南都二六会の共催によって昭和63年から毎年行われてきたもので、一昨年より別府市在住の和泉徹さんが戦死した実弟および戦友の慰霊のためにと30余年をかけて書写し、東大寺に納経した大般若経600巻による転読会が行われています。

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法要終了後は大仏殿前の芝生に移動

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500人以上の僧・僧・僧・・・・・・

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記念撮影を行いました

f:id:shins2m:20190426141940j:plainあ、カメラがあんな所に!

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集合写真

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アップにすると・・・

f:id:shins2m:20190426142957j:plainWFBYの村山会長と

f:id:shins2m:20190426143059j:plain浅井委員長と

 

法要が終了した後は、大仏殿の前の芝生に移動して全員で記念撮影をしました。500人の僧侶が集結して壮観でしたが、偶然、わたしの隣がブログ「村山博雅師WFBY会長就任祝賀会」で紹介した、全日本仏教青年会第18代理事長で、世界仏教徒青年連盟(WFBY)の会長に就任された村山博雅師でした。わたしは、ブログ「横浜フューネラル対談」で紹介したトークショーで村山師と共演したことがあります。パシフィコ横浜で開催された「フューネラルビジネスフェア2016」で、仏教界きっての論客で知られる村山師と「葬送儀礼の力を問う〜葬儀の本質とは」をテーマに対談させていただいたのです。

f:id:shins2m:20190426143621j:plainアショカピラーを再現した「花まつり千僧法要記念宝塔」

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花まつり千僧法要記念宝塔」を説明した石碑

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アショカピラー前の法要

f:id:shins2m:20190426144542j:plain平和の祈りを捧げました


続く全日仏青のシンボル・アショカピラー前の法要では、導師を務めた南都二六会・橋本純信会長の発案によって白象の背に乗った誕生仏が祀られ、式衆らが順に甘茶をかけて花まつりを祝いました。この誕生仏は東大寺の国宝・釈迦誕生仏(天平時代作といわれる)を模した高さ10cmの真鋳像で、花まつりを幼児や青少年を対象にした教化の好機と考え、今回新たに白象とともに製作したとのこと。

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東大寺ミュージアム

f:id:shins2m:20190426145932j:plain東大寺ミュージアムの前で

f:id:shins2m:20190426145953j:plain修学旅行生を撮影する浅井委員長

f:id:shins2m:20190426150510j:plain全仏青の倉嶋理事長と

 

その後は、浅井委員長と一緒に「東大寺ミュージアム」を見学したりました。親しみやすい浅井委員長は、修学旅行中の中学生たちから記念撮影を頼まれたりしていました。心優しい浅井委員長は笑顔で中学生たちにカメラを向けていました。ちょうど、全日本仏教青年会(全仏青)の倉嶋理事長とお会いしたので、記念写真を撮影しました。

f:id:shins2m:20190426165057j:plain懇親交流会のようす

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浅井委員長と

f:id:shins2m:20190426170708j:plain挨拶する倉嶋理事長

f:id:shins2m:20190426185241j:plain赤ワインでカンパイ!

 

そして17時からはホテル日航奈良で懇親交流会がありました。浅井委員長と赤ワインを飲みながら来るべき「令和」時代の儀式の継承と創新について熱く語り合いました。浅井委員長とは来年の東京オリンピックの開会式および閉会式に参加するようになっていますので、その打ち合わせなども行いました。その後は京都へ移動して、宮川町のお茶屋BARで浅井委員長と深夜まで痛飲しました。10連休を迎える直前に、良い思い出ができました。
「令和」への改元まで、あと4日です。

 

2019年4月27日 一条真也

奈良へ

一条真也です。
26日の朝、小倉から新幹線のぞみ14号で京都へ向かいました。京都からは近鉄線で奈良へ。全日本仏教青年会が「青年仏教徒の日」と定めるこの日、新緑鮮やかな奈良・東大寺の大仏殿において恒例の「仏法興隆花まつり千僧法要」が厳修され、わたしも参加するためです。 

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朝の小倉駅の前で

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のぞみ14号で京都へ

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のぞみ14号の車内で

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島薗先生の新著を読みました 


のぞみ14号の車内では、上智大学グリーフケア研究所の島薗進所長の新著である『ともに悲嘆を生きる グリーフケアの歴史と文化』(朝日新聞出版)を読みました。非常に興味深い内容で、読みながらメモをたくさん取りました。グリーフケアはやはり奥が深いですね。

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京都駅にて

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奈良線に乗りました

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奈良線の車内で

 

京都駅に到着したわたしは、いったん駅に隣接したホテルに荷物を預けて、JR奈良線に乗りました。約45分でならに着きましたが、車内には外国人、それも白人の観光客が非常に多かったです。奈良線に乗るのは、もう10年ぶりぐらいでしょうか。

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奈良駅で「せんとくん」を発見!

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せんとくん」と記念撮影

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東大寺に到着しました

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東大寺の南大門を背に

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鹿もいました

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大仏と久々に再会しました

 

JR奈良駅に着くと、「せんとくん」がいました。奈良駅からはタクシーで東大寺へ。東大寺は多くの観光客で賑わい、鹿もいました。この日は全互協の儀式継創委員会の浅井秀明委員長(出雲殿社長)も一緒です。わたしは、スマホで連絡を取り合って、浅井委員長と合流しました。それから2人で本坊に向かって受付を済ませ、大仏殿で行われている「花まつり千僧大般若転読法要」に参加しました。
「令和」への改元まで、あと5日です。

 

2019年4月26日 一条真也

『「天国」と「地獄」がよくわかる本』

一条真也です。
26日、小倉から京都を経て奈良へ向かいます。
東大寺で行われる「花まつり千僧大般若転読法要」に参加するのです。
33冊目の「一条真也による一条本」は、『「天国」と「地獄」がよくわかる本』(PHP文庫)です。2009年8月に刊行された監修書で、クリエイティブ・スイートの編著です。本書は、死後の世界のガイドブックです。


「天国」と「地獄」がよくわかる本』(2009年8月刊行)

 

ブログ『世界の「聖人」「魔人」がよくわかる本』で紹介した本と同じく、長野剛画伯がイラストを担当しています。帯には「待っているのは、至上の楽園か? 魂の牢獄か?」と書かれています。 


本書の帯

 

また帯の裏には、以下のように書かれています。
【天国】
終末の前に訪れる平和と調和の地上世界――千年王国
北欧神話における戦死者のための天国――ヴァルハラ
平和で牧歌的なエジプトの天国――セヘト・イアル
破壊神シヴァが瞑想する、「水晶の天国」――カイラス
【地獄】
炎と氷と蛆虫に苦しめられる魂の牢獄――ゲへナ
深淵そのものであり、奈落の王でもある魔神――アバド
天国へ行く前に通る試練の冥界――ドゥアト
出雲地方に伝説が残る、日本の冥界の入り口――黄泉国


本書の帯の裏

 

カバー裏には、以下の内容紹介があります。
「誰しも一度は思い浮かべる、『人は死んだらどうなるのか?』という問いかけ。この“人類永遠のテーマ”に答えるべく、多くの宗教や神話が生まれたと言っても過言ではない。 本書は、『神の都市国家:天上のエルサレム』『最下層の転生場所:八大地獄』など、 古今東西の天国と地獄を美麗なイラストと共にやさしく解説。生きている今だからこそ覗いてみたい、“死後の世界”の数々。文庫書き下ろし」

 

本書の「目次」は、以下のようになっています。
「アートでみる『天国』と『地獄』」
まえがき「何はともあれ、天国と地獄を信じよ!」(一条真也
【天国編】
第1章 西方世界の天国
ヨーロッパ、アメリカ世界における“十地十色”の天国観
●終末の前に訪れる平和と調和の地上世界 千年王国
●天国に身を置く、神の使いの四大頭  
ミカエル、ガブリエル、ラファエル、ウリエル
●「配偶者のある国」という意味をもつ場所 ベウラの地
●原初の人間アダムとイヴが住んでいた「地上の楽園」 エデンの園
●神がつくり出し、楽園に住まわせた最初の人間 アダムとイヴ
●天界に用意されている神の都市国家 
天上のエルサレム(新しいエルサレム
●宇宙の外側に位置する光り輝く世界 至高天
[コラム]映画のなかの天国 天国から来たチャンピオン
●ハデスが治める冥界の、さらに奥にある神秘的な場所 
エリュシオンの野と至福者の島
●ハデスに仕える地獄の門番と3つ首をもつ番犬 カロンケルベロス
北欧神話における戦死者のための天国 ヴァルハラ
●優秀な戦士をかき集める北欧の最高神 オーディン
アーサー王も訪れた妖精が住む異界の島 アヴァロン
●聖剣エクスカリバーをもつ、ヨーロッパの英傑 アーサー王
[コラム]映画のなかの天国 天国への階段
アメリカ先住民たちの死後の世界 日没の国
アメリ先住民族モハベ族の神聖な山 ホワイト山脈
第2章 東方世界の天国
広大な東洋の死生観が、さまざまな天国を生み出す
●聖人が最後の審判を待つ「歌の家」 ガロー・デマーン
●悪を駆逐して善を貫く、万能神と光の精霊 アフラ・マズダーとミトラ
●処女の妻が与えられる、男性にとっての天国 ジャンナ
●現世の苦労から解放されるが、享楽のない地下の冥界 シェオール
●平和で牧歌的なエジプトの天国 セヘト・イアル
●ナイルより生まれ出た、万物の王にして救世主 オシリスとイシス
●天界と地上を結ぶ、仙人の住まう山 崑崙
●恐ろしい怪物から美貌の仙女に 西王母
阿弥陀仏が主宰する西方浄土 極楽
●天子が降臨し、帰っていく日本神話の天国 高天原
●破壊神シヴァが瞑想する、「水晶の天国」 カイラス
●ガンジスの源流という意の最高神 シヴァ
●神々が暮らす、仏教世界の中心的楽園 メール山
[コラム]映画のなかの天国 丹波哲郎大霊界
●「ハワイ」の語源にもなった南国の楽園 ハワイキ
●神がつくった6番目の創造物。地下にある天国 スワヒリの楽園
●神が舞い降りるアフリカの霊峰 ケニア
【地獄編】
第3章 西方世界の地獄
「異界」から「刑罰の地」へ「西方世界の地獄」の変遷
●炎と氷と蛆虫に苦しめられる魂の牢獄 ゲヘナ
●地獄の最下層に封印されし魔王 ルシファー(サタン)
●深淵そのものであり、奈落の王でもある魔神 アバド
●天国でも地獄でもない、冥府の中間地帯 辺獄(リンボ)
●選ばれし人間・ロトの伝説に現われる悪魔 ベリアル
●生前の罪を炎で浄化する、魂の修練の場 煉獄
●地上の現実世界こそが絶望の地と考えた神秘思想 
グノーシス派の地獄
[コラム]映画のなかの地獄 インフェルノ
●神々に懲罰を与える、無限の暗黒空間 タルタロス
●嫌々ながら冥界を支配した神々のナンバースリー ハデス
オーディンのヴァルハラに迎えられない魂の行き場所 
ヘルとニヴルヘイム
●大蛇ヨルムンガンドや白狼フェンリルの父親と女王 ヘルとキロ
ケルト神話に登場する地の底の異界 アンヌン
●古代メソポタミア文明の冥界 不帰の国(エレシュキガルの宮殿)
●仲むつまじく冥界を支配する女王と王 エレシュキガルとネルガル
●山の頂にある地獄の入り口 ピエトローシュ
アイルランドに実在するとされる冥界 聖パトリックの煉獄
●古代マヤ文明に伝わる死後の世界 シバルバ
第4章 東方世界の地獄
死者の書』に描かれる代表的な地獄観
●地獄最下層で、最終的に魂の救済がなされる地獄 
ドルージョ・デマーン
アフラ・マズダーの創造物を破壊し尽くす暗黒神 アフリマン
●天国へ行く前に通る試練の冥界 ドゥアト
●エジプトにおける最強最悪の死神 アンムト
唯一神アッラーの罰は、逃れられない炎 ジャハンナ
[コラム]映画のなかの地獄 地獄の黙示録
●日本人になじみ深い、三途の川のほとり、地獄の入口 賽の河原
●出雲地方に伝説が残る、日本の冥界の入り口 黄泉国
●共同作業で国をつくった、日本初の夫婦の行く末 
伊耶那岐命と伊耶那美命
●古代中国の死後の魂の置き場所 黄泉
●灼熱の炎に包まれ、永遠の熱ぜめにあう、広大な地獄 八大地獄
●冥界に君臨する、第5の裁判官 閻魔
●巨人の像で世界を表わし、下半身が地獄 ジャイナ教の地獄
●パプア島に伝わる、多種多様の地獄観 ヒヨヤ
●太平洋の熱帯地域に伝わる、魂が消滅する場所 アディリ
●偉大なる暗黒の女神の女陰に忍び込む娘 ポ
「参考文献」


アートでみる「天国」と「地獄」

 

あなたは、あの世を信じますか?
あの世を信じること、つまり「来世信仰」は、あらゆる時代や民族や文化を通じて、人類史上絶えることなく続いてきました。紀元前3500年頃から伝えられてきた『エジプトの死者の書』は、人類最古の書物とされています。その中には、永遠の生命に至る霊魂の旅が、まるで観光ガイドブックのように克明に描かれています。同じことは『チベット死者の書』にも言えますし、また、アメリカの先住民族のあいだでは、社会生活の規範として生者と死者の霊的な一体感が長く伝えられてきました。


千年王国

 

『聖書』や『コーラン』に代表される宗教書の多くは、死後の世界について述べていますし、世界各地の葬儀も基本的に来世の存在を前提として行なわれています。日本でも、月、山、海、それに仏教の極楽がミックスされて「あの世」のイメージとなっています。
人間は必ず死にます。では、人間は死ぬとどうなるのか。死後、どんな世界に行くのか。これは素朴にして、人間にとって根本的な問題です。人類の文明が誕生して以来、わたしたちの先祖はその叡知の多くを傾けて、このテーマに取り組んできました。哲学者たちも、死後について議論を闘わせてきました。古代ギリシャソクラテスプラトンは「霊魂不滅説」を説いています。その他にも、プロティノスライプニッツ、カント、フーリエベルグソンといった高名な哲学者たちが、死後の世界を論じました。


スピリチュアルの歴史において最大の巨人とされる人物にエマニュエル・スウェデンボルグがいます。18世紀のスウェーデンに生まれた霊能力者ですが、彼の著書『霊界著述』や、さまざまな霊界通信は、死後の世界をいくつかの界層に分けています。そのほとんどは、わたしたちの住む地上界を含めて七つの界層に分類しており、それぞれの界層についての描写もほぼ同じと言えます。そして、この世に近い界層ほど、この世に似ているのです。すなわち、地面があり、山があり、谷があり、小川が流れ、草木が茂り、花が咲き、動物が遊び、地上と変わらない人間の家々があるというのです。


黄泉国

 

この世界に普通の人間の霊魂が入ると、そこは望みのままの理想世界と化します。衣服こそあらかじめ霊格の高さと個性に合わせて決められていますが、それは柔らかく、優雅なものです。しかも同じ衣服をまとっている霊は2人といません。食事も望み通りのものが出てきます。いわば超エネルギーで構成された霊魂にとって、本来、食事は必要ありません。しかし、まだ地上の記憶が残っている死後間もない霊魂は食事にこだわるのです。望みの食事は欲求作用によって出現し、飽きてしまわない限り、どんな豪華な食事も美酒も、好きなときに、欲しいだけ手に入れられます。


カイラス

 

住居についても同様であり、死後、霊魂は自分が憧れていた家で暮らしていることに気づきます。それは、彼を導く指導霊が彼の未発達な記憶の中から、彼が憧れていた世界のイメージを引き出し、死後の世界に投影してくれたものなのです。このようなスウェデンボルグの霊界観は、故・丹波哲郎氏をはじめ、霊界の実相を求めてやまない世界中の心霊研究家に大きな影響を与えてきました。


セヘト・イアル

 

世界中の宗教においても、最初はスピリチュアルな人々が説くのと同じ死後の世界観をもっていました。アフリカなどの原始宗教でも、この世とあの世はほとんど変わらない世界です。しかし、宗教が国家宗教、世界宗教へと成長していくにつれ、あの世の姿も変化していきます。おそらく哲学や他の宗教の影響を受けるのでしょう。ある意味では、宗教が成長するにつれて、身近だった死後の世界がファンタジックな世界へと「物語化」していくのです。


天上のエルサレム

 

その好例が、天国と地獄、あるいは地獄と極楽のような二元論的な死後の世界観です。多くの宗教、とくに仏教、キリスト教などの世界宗教は地獄を説きます。しかし、臨死体験者や霊界通信者の報告によれば、地獄という死者の霊が生前の悪行の報いとして責め苦を受ける場所など存在しません。あの世に入った初期の段階で、生前の行為に苦しめられる霊魂もいますが、それは自分の良心の反映としての幻覚に自ら苦しむのであり、審判者のようなものは存在しないのです。


極楽

 

一方の天国はどうでしょうか。多くの宗教では、天国は最も望ましい最終目標であり、霊的な旅の最終目的地とされています。しかし、ヒンドウー教、ジャイナ教、中央アメリカの宗教などでは、単に死と再生を永遠に繰り返すサイクルの一時的な場所であるにすぎません。
天国を最も望ましい場所とする考えの中には、楽園のイメージが読み取れるものが多いことに気づきます。たとえば、仏教の極楽浄土です。そこには、底に金沙が敷きつめられた池があり、池には大きな蓮華が咲いており、池の周囲には階道があって、その上に金銀や宝玉でできた宮殿楼閣があるそうです。また、イスラムの天国には、木蔭の多い園、サラサラと流れる泉や池があるとのこと。


八大地獄 

 

この本には、これまで人類が想像した、あらゆる天国と地獄が紹介されています。いま、天国や地獄を信じる人は少なくなりました。昔の人々は信じていました。心の底から天国に憧れ、震えあがるほど地獄を恐れていました。天国や地獄を信じなくなった結果、人間の心は自由になり、社会は良くなったのでしょうか。いや、反対に人間の心の闇は大きくなり、社会は悪くなったのではないでしょうか。凶悪犯罪はさらに増加し、より残虐になっています。親が子を殺し、子が親を殺すような事件も多くなっています。まさに、Tonyさんが言われるように「ありえないことなどありえない」状況です。


閻魔

 

本書の刊行時、日本は未曾有の不況による貧困社会を迎えていました。日本人の心はますます荒廃するばかりであると憂えたわたしは、「良いことをすれば天国や極楽に行ける」「悪いことをすれば地獄に堕ちる」という素朴な人生観が再び必要なのかもしれないと訴えた。そして、わたしは「まえがき」の最後に、「何はともあれ、天国と地獄を信じよ!そして、限りある生を精一杯に人間らしく生きようではないか!」と書いたのでした。
「令和」への改元まで、あと5日です。


 

2019年4月26日 一条真也

MS責任者会議 

一条真也です。
25日の午後から、サンレー本社でサンレーグループMS責任者会議が開催されました。MSとは「MEMBERS SERVICE(メンバーズ・サービス)」であり、「MORAL SUPPORT(モラル・サポート)」のことです。日々、「人の道」としての冠婚葬祭の重要性をお客様に説明している人たちです。

f:id:shins2m:20190425162950j:plain最初に、表彰式をしました

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社長訓示をしました

 

会議の冒頭、各種の表彰を行いました。表彰式が終わると、わたしは16時半から60分ほどの社長訓話をしました。わたしはまず、佐久間進会長が唱える「良心の掟」を紹介しました。これは十七条憲法を参考にした天道思想に基づくもので、全部で17個あります。内容は、「正直であれ」「人を傷つけるな」「弱者をいじめるな」「人に優しくあれ(思いやりをもて)」「自分に厳しくあれ」「約束は守る」「卑怯な行いをするな」「前向きに生きよ」「他人に迷惑をかけない」「他人と仲良くせよ」「感謝の心を忘れない」「素直な気持ちを保て」「謙虚さを忘れない(謙のみ福を受く)」「明るくあれ(陽気にふるまう)」「努力を怠るな」「慎み深く驕るなかれ」「勤勉を旨とせよ」です。かつて佐久間会長は「国に憲法、人に礼法」との名言を吐きましたが、「良心の掟」はまさに十七条礼法であると述べました。

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「令和」について述べました

 

それから、ブログ「『桜を見る会』に参加しました」で紹介した行事について報告しました。それから、新元号の「令和」に言及し、以下のような話をしました。
官房長官が最初「レイワ」と口にしたとき、「ヘイワ」と聞こえて「平和」が新元号かと一瞬思いました。また、「令和」の「令」が「礼」だったら最高なのにとも思いました。しかしながら、新元号は「令和」です。

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「令和」と「礼和」


「令」の字といえば、じつは「天下布礼」とパソコンやスマホに打ち込んだとき、いつも最初は「天下布令」と出てきます。わたしは「令」の字を「礼」に変換するという作業を繰り返しています。新元号発表後に記者会見を開いた安倍首相によれば、『万葉集』三十二首序文の「初春の令月にして、気淑く風和ぎ、梅は鏡前の粉を披き、蘭は珮後の香を薫す」が出典です。

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「令和」の出典は『万葉集

 

安倍首相は、「令和は、人々が美しく心を寄せ合う中で、文化が生まれ育つという意味です。典拠となった『万葉集』は幅広い階層の歌がおさめられた日本の豊かな国柄をあらわす歌集であり、こうした日本が誇る悠久の歴史と香り高い文化、四季折々の自然の美しさという伝統を後世へ繫いでいく。また、厳しい冬の後に花開かせる梅の花のように、国民ひとりひとりがそれぞれの花を大きく開かせることが出来る時代になってほしい。その想いこめるにふさわしい元号として閣議で決定いたしました」と述べました。

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「和」の出典は『論語

 

また、「令和」を考案したと有力視されている国文学者の中西進氏は、「読売新聞」のインタビューに応じ、「元号の根幹にあるのは文化目標」とした上で、令和の「和」について「『和をもって貴しとせよ』を思い浮かべる」と述べ、十七条憲法の精神が流れているとの考えを語りました。聖徳太子の「和をもって貴しとせよ」のルーツは『論語』で、「有子が日わく、礼の用は和を貴しと為す。先王の道も斯れを美と為す。小大これに由るも行なわれざる所あり。和を知りて和すれども、礼を以ってこれを節せざれば、亦た行なわれず。」〈学而篇〉という言葉があります。「みんなが調和しているのが、いちばん良いことだ。過去の偉い王様も、それを心がけて国を治めていた。しかし、ただ仲が良いだけでは、うまくいくとはかぎらない。ときには、たがいの関係にきちんとけじめをつける必要もある。そのうえでの調和だ」という意味ですね。

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わが社にとっても意義深い元号

 

この「令和」という新元号ですが、史上初の日本古典に基づいた元号と言う意味で、大変画期的かと思います。国際社会の中で「日本らしさ」が求められる昨今、その原点とも言える『万葉集』から引かれたことは、大きな意味と節目になるかと思います。また、引用元の「令月」は何を行うのにも良い月、もしくは2月の異称とのことですが、元号とその由来に「月」と当社が目指す「和」がこめられていることは、わがサンレーにとっても大変意義深い元号なのではないでしょうか。

f:id:shins2m:20190425163836j:plain守っていかなければならないものとは?

 

大きく社会の様子が変化している現在だからこそ守っていかなければならないものがあります。それこそ、元号に代表される古代からの伝統であり、わが社が業とする儀式なのです。今回の改元が行われる曲折の中で、情報システム上の問題から、企業の元号離れが進んだといわれています。国際化などが進展する現代において、基準となる西暦以外の紀年法は必要ないのではないかという意見も聞こえました。

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元号は必要なのか?

 

もちろん、元号不要論の中には、単に西暦と併記することが億劫だからという理由もあるのでしょうが、果たしてそんな理由でこれまでの伝統をなくしてしまって良いのでしょうか? わたしの答えは「否」です。元号であれば、「大化」以降約1400年あまりにわたって受け継がれてきた伝統であり、今回の「令和」に至るまで、平成を含めて約250を経ています。これはルーツとなった中国においても既に喪われてしまったもので、現在は日本固有の文化だということができるでしょう。

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「和」の意味を考える

 

ここに見える希少性は、無論、今後も元号を続けるべき理由のひとつですが、それ以上に、元号にはこれまで日本が歩んできた道のりや、その時代を生きた人々の想いが凝縮されたものであることが何よりも大切なのです。今回の「令和」であれば、「昭和」に続いて「和」の一字が入ったことが大きいです。拙著『和を求めて』(三五館)でも述べたように、「和」は「大和」の和であり、「平和」の和です。日本の「和」の思想こそが世界を救うのではないかと思います。

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儀式は「文化の核」である!

 

それは儀式においても、まったく同様です。冠婚葬祭・年中行事に代表される儀式は、これまで日本人が培ってきた文化の淵源すなわち「文化の核」であり、元号と同じく、携わる人間が想いをこめて紡ぎ上げてきた、かけがえのない存在です。そのように重要な存在を、効率化や文明化の美名を被った「面倒くさい」という意識のもとになくしてしまうことは、決して許されるものではありません。そもそも、現代のわたしたちが「改元」や「儀式」を体験できることは、過去のご先祖様たちがわたしたちへ、この文化を繫いできてくれたからです。それを中継地点に過ぎないわたしたちが勝手に途切れさせてしまうことは「おこがましい」としか表現のしようがありません。

f:id:shins2m:20190425172332j:plain決定版 冠婚葬祭入門』を手にして

 

世の中には本当に意味のない、ムダな作法「虚礼」が存在することも事実です。このようなものは淘汰されてしかるべきですが、不易と流行の間にある線引きをどこに置くかについて、新時代を迎える今、わたしたちは慎重の上にも慎重に考えを巡らせなければなりません。わたしは、『決定版 冠婚葬祭入門』(PHP研究所)を手に持って、冠婚葬祭の重要性について話しました。平成が終わって新元号となったとき、さまざまな慣習や「しきたり」は一気に消え去ります。しかし、結婚式や葬儀、七五三や成人式などは消えてはならないものです。それらは「こころ」を豊かにする「かたち」だからです。人間の「こころ」は、どこの国でも、いつの時代でも不安定です。だから、安定するための「かたち」すなわち儀式が必要なのです。

f:id:shins2m:20190425171430j:plainコップを手に「かたち」と「こころ」を説明

 

そこで大切なことは先に「かたち」があって、そこに後から「こころ」が入るということ。逆ではダメです。「かたち」があるから、そこに「こころ」が収まるのです。人間の「こころ」が不安に揺れ動く時とはいつかを考えてみると、子供が生まれたとき、子どもが成長するとき、子どもが大人になるとき、結婚するとき、老いてゆくとき、そして死ぬとき、愛する人を亡くすときなどがあります。その不安を安定させるために、初宮祝、七五三、成人式、長寿祝い、葬儀といった一連の人生儀礼があるのです。

f:id:shins2m:20190425172541j:plain冠婚葬祭互助会は不滅です!

 

無縁社会」が叫ばれ、生涯非婚に孤独死や無縁死などが問題となる中、冠婚葬祭互助会の持つ社会的使命はますます大きくなります。いまや全国で2000万人を超える互助会員のほとんどは高齢者であり、やはり孤独死をなくすことが互助会の大きなテーマとなっているのです。わが社が行っている「隣人祭り」をはじめとした隣人交流イベント、グリーフケア・サポート、さらには見回りや買い物支援、そして婚活サポートなども互助会に求められてきます。平成が終わって新元号となり、あらゆるものが変化しようとも、「相互扶助」をコンセプトとした冠婚葬祭互助会は不滅です!

f:id:shins2m:20190425172626j:plain儀式の花開く時代へ!

 

ともあれ、ついに新たな元号「令和」が決定し、あと数日で改元となります。これから今上陛下の御譲位また皇太子殿下の新天皇への御即位にあたり、日本文化の核ともいえる践祚と即位に関する儀式群が幕を開けます。儀式に携わる者として、いま、この時に立ち会えた幸運に感謝し、その推移を見守らせていただくとともに、これから迎える新たな御代が誰にとっても平穏で、そして儀式の花開く時代となることを心より願う次第です。

f:id:shins2m:20190425172633j:plain最後は、もちろん一同礼!

 

拙著『礼を求めて』(三五館)にも書きましたが、儀式は「礼」を形にしたものです。「礼」をハードに表現したものがセレモニーであり、ソフトに表現したものがホスピタリティではないかと思います。至るところで冠婚葬祭が大切にされ、「おめでとう」と「ありがとう」の声が行き交うハートフル・ソサエティを実現したいものです。「令和」の出典である『万葉集』に収められている和歌で最も多いのは相聞歌と挽歌、つまり恋愛と鎮魂がテーマです。まさに冠婚葬祭そのものではありませんか。最後に、わたしは「令和の時代に、礼の輪を!」と訴えました。

f:id:shins2m:20190425175911j:plain懇親会でカンパ~イ!

 

社長訓話が終わった後は、松柏園の「長浜」で懇親会が開かれました。わたしは、「『儀式』と『相互扶助』は人類普遍の価値ある営みです。みなさんは、この世で最も価値のあるものを守っているのだという誇りを持っていただきたい」と述べました。それから、松田取締役の音頭で乾杯しました。

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懇親会のようす

 

各地から参集したみなさんは、お酒や料理を楽しみながら会話の花を咲かせました。最後は、北陸の中山所長による中締めの挨拶でした。中山所長は、 サンレー・オリジナルの「末広がりの五本締め」で締めました。これをやると、みんなの心が本当にひとつになる気がします。その後も、松柏園のラウンジで二次会を開催。わが社のコンパは和気あいあいと続いたのであります。わたしは明日から奈良に出張します。東大寺で開かれる「花まつり」に参加するのです。
「令和」への改元まで、あと6日です。

 

2019年4月25日 一条真也

『本当は面白い世界の神々』 

一条真也です。
24日の夜、高松から岡山を経由して小倉に戻りました。
33冊目の「一条真也による一条本」は、『本当は面白い世界の神々』(双葉社)です。2009年7月19日に刊行された監修書で、造事務所の編著です。コンビニなどに置かれるいわゆるワンコイン本で、定価は500円でした。しかし、値段を遥かに超えて内容は充実しています。


本当は面白い世界の神々』(2009年7月19日刊行)

 

表紙にはゼウス、アフロディーテオーディン、カーリーといった東西の神々が描かれ、「『神々』の破天荒すぎるエピソード51話を収録!」「神さまは人間よりも人間くさい!!」と書かれています。

 

本書の「目次」は、以下のようになっています。
[はじめに]人間以上に人間くさい「世界の神々」
一条真也
[独断と偏見で選ぶ]神々のムチャ話ベスト10
【Episode 1】神々の暴走
親殺し、子殺しは日常茶飯事!?暴力がうずまく神話の世界
●親をだまし討ちして最高神となった ゼウス
●妻子をあいついで殺害した ヘラクレス
●昼寝を邪魔する者を恐怖に陥れる パーン
●父を倒すも息子に倒された クロノス
●自分を自分の生贄にささげた オーディン
●キレると手がつけられない ク・ホリン
●悪魔をも出しぬき大暴れした インドラ
●亭主を踏んづけて狂乱演舞 カーリー
●姉を引きこもりに追いつめた スサノオノミコト
●荒っぽい少年時代をすごした ヤマトタケルノミコト
●海神の力で兄を水責めにした 山幸彦
●友の葬儀場をぶち壊した アジスキタカヒコネ
●暴風で父の船を沈ませた ホアカリノミコト
●炎に包まれながら子を産んだ コノハナノサクヤヒメ
まだまだある!神々の暴走 
この世の物はオレの物!?なんでも破壊する神々
【Episode 2】神々の愛欲
人間同様に恋に落ち、嫉妬し、浮気までしてしまう神の恋愛模様
●ダメ夫の浮気にキレまくる ヘラ
●美少年を追いかけまわした アフロディーテ
●怪物メデュウサを愛人とした ポセイドン
●不倫現場を押さえられた アレス
●美少年にふられて逆恨みした ゼピュロス
●男をイノシシに変えて乗りこなす フレイヤ
●恋に迷って魔法の剣を手放した フレイ
●快楽の園をつくった マナナン・マクリル
●娘を追いかけまわして妻とした ブラフマー
●ほれた相手に一直線! パールバティ
●母性本能をくすぐる少年だった オオクニヌシ
●愛人が総勢120人以上もいた イシュタル
●つねに男性器が勃起している ミン
まだまだある!神々の愛欲 
ピー音なりっぱなし?百花繚乱、神々の恋愛事情
【Episode 3】神々の制裁
おごる人類、久しからず 天変地異で民を罰する神々
●裸を見た男を八つ裂きにした アルテミス
●狂乱のカルト集団を率いた ディオニュソス
●船乗りたちを破滅させた セイレン
●戦士に陣痛の苦しみを味わわせた ヴァハ
●戦士に破滅をもたらす モリガン
●破壊のあと再生をもたらす シヴァ
●国生みの母から殺人鬼に変貌した イザナミ
●引きこもって世界を闇にした アマテラスオオミカミ
●人間に「寿命」の概念を誕生させた ニニギノミコト
●崇りまくって神となった 菅原道真
●人間にバカにされ、怒りを爆発させた ラー
●人類大虐殺をくり広げた セクメト
●騒音に怒り大災害を連発した エンリル
まだまだある!神々の制裁 
気分しだいで一刀両断ケタハズレな天罰の数々
【Episode 4】神々の悲運
神という特別な存在でさえも、「運命の急降下」からは逃れられない
●冥界で根性が腐ってしまった ハデス
●妻にさんざん浮気された ヘパイストス
●肝臓をワシに喰われつづけた プロメテウス
●毒液の顔面シャワーでもだえた ロキ
●女装させられて武器をとり返した トール
●悪党の嫉妬で命を落とした バルドル
●妻と性格が合わずスピード離婚した ニョルズ
●両親の過失によって「象頭」となった ガネーシャ
●恩知らずの人間に虐待された トヨウケノオオミカミ
●弟に殺されバラバラにされた オシリス
●子孫に注意して殺された ティアマト
まだまだある!神々の悲運 
運命のイタズラ!?とめどなく流れる血の涙


ゼウス

 

「神」と聞くと、あなたは何を連想するでしょうか。
宇宙の最高権力者にして、われわれ人間とはかけ離れた絶対的な存在、いわゆる「雲の上の存在」をイメージする人が多いのではないでしょうか。
しかし、そういった崇高な神の姿は、ユダヤ教キリスト教イスラム教といった「一神教」における唯一絶対神のイメージに近いです。一神教には宗教的寛容性がないから対立し、どうしても戦争になってしまいます。


スサノヲノミコト

 

これに対して、本書に登場する神々は、世界各地の神話で活躍する「多神教」の神々です。日本の神道をはじめとする多神教の良さは、他の宗教を認め、共存していけるところ。自分だけを絶対視せず、根本的に開かれていて寛容です。よって、宗教戦争など考えられません。 


ポセイドン

 

そして、『聖書』や『コーラン』に出てくる神は厳格そのものですが、『ギリシャ神話』や『古事記』に登場する神々は、酒に酔っ払いもすれば、ブチキレて大暴れもするし、好色で浮気もする・・・・・・こういった度外れて大らかな神々のエピソードを知ると、なんだかホッとします。


イシュタル

 

多神教の神々にふれると人間の魂は奥底から癒される。そう主張したのは、アメリカの心理学者ジェームズ・ヒルマンです。ユング派「元型心理学」の創始者として知られるヒルマンによれば、それぞれの人間の魂には必要とする神々がいるそうです。オリュンポス12神なども、人間たちが求める役割を果たしているといいます。もともと人間の魂は一神教には馴染まず、多神教を求めるものなのかもしれません。


アレス 

 

本書を読めば、人間よりも人間くさい、とにかく何事もやりすぎで過剰な神々の物語を楽むことができます。その中に、あなたが求めている神を見つけていただきたいと思います。そうすれば、あなたの欲求不満は解消され、魂はきっと癒されるはずです。最後に、本書を読んだことによって、「神話の面白さを知りました」という読者の方に何人もお会いしました。そのたびに、とても嬉しかったです。
「令和」への改元まで、あと6日です。


 

2019年4月25日 一条真也

全互協四国ブロック会議

一条真也です。
23日から、四国の高松に来ています。
その日は雨でしたが、どうやら上がったようです。
24日の朝、太陽の陽射しで目覚めました。

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陽光に輝く高松港

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朝から讃岐うどんを食べました

 

ホテルの客室から陽光に輝く高松港が見えました。
朝食のバイキングでは、讃岐うどんをいただきました。昨夜も食べたのですが、やはり本場の讃岐うどんはコシがあって美味しいです。

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玉藻公園」の前を通りました

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アイルバレクラブの前で

 この日は全互協の副会長として、高松市内の結婚式場「アイルバレクラブ」で開催された四国ブロック会議に出席しました。初めての参加です。この結婚式場はバリ島のリゾートをイメージして作られており、全互連の仲間であるベルモニー高松さんの冠婚施設です。

f:id:shins2m:20190424121015j:plainアイルバレクラブの玄関で

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リゾート感覚に溢れています

f:id:shins2m:20190424123746j:plainアイルバレクラブのガーデンで

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昼食会場のバンケットもバリ風

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美味しい昼食でした

 

同社の武智康行社長はこの日は欠席でお会いできませんでしたが、康行社長の弟さんで全互協の四国ブロック長を務める武智正晴社長(ベルモニー松山社長)にお会いしました。まずは美味しい昼食をいただきました。

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副会長として挨拶しました

 

総会の冒頭で、わたしは以下のような挨拶をしました。
皆様方には平素より全互協に協力頂きまして誠にありがとうございます。本日は、大変ご多用の中、多くのご来賓の皆様ご臨席を賜りました。誠にありがとうございます。また、互助会保証株式会社、日本割賦保証株式会社からも出席を頂きありがとうございます。

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いよいよ「令和」の時代です! 


5月1日より、元号が「令和」に改められ、新しい時代の幕開けのスタートとなります。私共、冠婚葬祭互助会は、消費者が「結婚式や葬儀等を安心して執り行い、それらの儀式を通じて人と人との繋がりを再認識し、日本人らしい心を取り戻す」お手伝いという社会的な使命を担っております。新時代の幕開けに、改めて伝統儀式文化の継承を発信し、啓発してまいりたいと考えております。

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全互協の3つのテーマとは

 

さて、昨年8月の総会で山下会長が就任され、全互協の新体制がスタートしました。新しい体制は、3つのテーマを中心に取り組んでいます。
1つ目は、生きているうちにも役立つ互助会への昇華として、儀式の継承すべき本質部分を現在に合う形で発信し、消費者とその価値を享受できるようにします。
2つ目は、消費者がより安心する互助会へより消費者に近い場面での対応を強化します。全互協は、自主規制への取り組みを強化してまいりました。実効性を持ったコンプライアンス活動を推進し、昨年6月1日に施行された「監督の基本方針」にもしっかりと対応してまいります。
3つ目は、情報発信、広報、広聴です。対外的に情報発信・情報交流を行い、消費者により近しい存在としての互助会にしていきます。

f:id:shins2m:20190424140034j:plain全互協ブランドの構築を!

 

全互協では、さまざまな課題に取り組み、消費者契約法特定商取引法の法改正の動向にも細心の注意を図って参ります。それらを通じ冠婚葬祭互助会業界のますますの地位の向上、消費者からの信頼向上をはかり、全互協ブランドの構築を進めてまいる所存です。
結びにあたりまして、本日お集まりいただきました皆様のご健勝とご多幸、ご繁栄を心から祈念するとともに、一層のご指導、ご支援を当協会に賜りますようお願い申し上げ、わたしの挨拶とさせていただきます。

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快速マリンライナー44号で岡山へ

 

以上のような挨拶を終えたわたしは、総会の様子を見守りました。わたしは長く九州ブロック長を務めてきましたが、九州ブロックと四国ブロックにはいろいろと違いがあるように感じました。だからこそ、全国組織なのかもしれません。総会終了後は、そのまま高松駅に向かい、快速マリンライナー44号で岡山へ、岡山からは新幹線のぞみ37号で小倉まで戻りました。

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岡山から新幹線のぞみ37号に乗り換えました

 

明日25日は、サンレーグループ全国MS責任者会議で社長訓示を行います。翌26日は、京都経由で奈良へ行き、東大寺で行われる「花まつり千僧大般若転読法要」に全互協の儀式継創委員会の担当副会長として、同委員会の浅井委員長(出雲殿社長)とともに参加します。相変わらずハードスケジュールが続きますが、「天下布礼」のために頑張ります!
「令和」への改元まで、あと7日です。

 

2019年4月24日 一条真也